AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● ARどうぶつ病院です。 おもちゃで歯が割れる?正しいおもちゃの選び方

2017-11-30 17:00:00 | 動物の健康習慣
いよいよ寒さも本格的になり冬の到来を感じられるようになってきました。
皆様風邪をひかないようお気を付けください。

さて本日は歯について考えたいと思います。



というのも、最近歯科セミナーに行った際、講師の先生よりワンちゃんのおもちゃは硬過ぎるとのご指摘がございました。

硬いおもちゃやおやつはなぜ悪いのでしょうか。

元々ワンちゃん・ネコちゃんは元々動物をとらえて食べていました。なので柔らかい生肉をちぎるために、顎の力は強く歯は鋭く尖っています。
人のように食べ物をすりつぶすような平らな歯ではないのです。
そのため、硬いものを何度も噛むと鋭い歯が欠けてしまったり、歯の内部まですり減ってしまうことがあるのです。



実際、小型犬も大型も、おもちゃや硬いおやつ(牛皮やアキレス腱)により歯が欠けてしまったり、すり減ってしまっている仔がおります。

歯は表面のエナメル質が無くなると知覚過敏の症状が出てしまい、また、感染などが起き易くなってしまいます。
神経や血管の通っている歯髄まで欠けてしまえば、抜歯や歯内治療をしないと口腔内細菌の感染は容易に起こってしまいます。
この状態を放っておくと歯の根元に膿が溜まり、周囲の頭蓋骨や顎の骨を溶かしてしまいます。また、血管内に細菌が入り込み、全身性の感染症がおこる原因になってしまいます。

なので、このような事態にならないようにおやつもおもちゃも硬いものは避けた方が良いでしょう。
しかし、どの程度の硬さのおもちゃならよいのでしょうか。

答えは
「人が指で押して跡が残る程度の硬さ」
です。

こうなってくると普通のガムはもちろん、コングなども硬いものは避けないといけないことがわかります。



歯磨きガムも歯を折ってしまっては元も子もありません。

現在市場には多くの動物用おもちゃやおやつがありますが、ワンちゃん、ネコちゃんにより良いものを選んであげてくださいね。
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● ARどうぶつ病院です。11月25日、26日の診療時間について。

2017-11-25 13:05:46 | 病気について
徐々に冬らしくなってまいりました。



本日は病院の営業時間のお知らせです。

院長の出張に伴い、営業時間は

11月25日 9時~13時
11月26日 13時~18時(検査等は14時半以降)


となります。
ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします。
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● ARどうぶつ病院です。これって老衰?元気な老猫の体重減少について。

2017-11-22 16:56:57 | 病気について
徐々に寒い日が続き、冬になってきたのだと思わせる今日この頃、病院のキャンペーン期間もあとわずかとなりました
本日は元気な老猫について考えたいと思います
元気な猫について何を書くのか疑問の方も多いかと思いますが、正確には元気そうに見える猫についてです
「うちの猫、最近元気いいけど痩せて毛質も悪くなってきたなーもう年だからなー」
なんて思っている方、年に一度でもネコちゃんの健康診断してみてはいかがですか

ネコちゃんの老齢期には甲状腺機能亢進症という病気が起きることがあります

甲状腺の機能の主なものは成長ホルモンを放出することです。
そのため甲状腺機能亢進症の猫ちゃんは成長ホルモンのおかげで一見元気そうに見えます。
しかし、成長ホルモンが多くなればなるほど体への負担は大きくなっていきます。
例えるなら
トラバント(パルプと羊毛で作られた車)にF1のエンジンを入れるような…(分かりにくいか(;´・ω・))



そんな状態では体は徐々に壊れていってしまいます。
実際甲状腺機能亢進症の場合、心臓に負担がかかってしまい、心筋症になることが知られています



実際、筆者も甲状腺機能亢進症の猫ちゃんを見逃した経験があり、その当時は自分の能力の低さに失望したこともありました。

元気そうに見えても、下記のような症状があるときは、一度病院で甲状腺機能の検査を受けてみてはいかがでしょう。



老齢ネコちゃんにも楽しいシニアライフをおくらせてあげたいですね


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● ARどうぶつ病院です。頻尿?or貧尿?

2017-11-17 18:14:37 | 病気について
昼間と夜の気温の寒暖差が出てき始め、木々は紅葉し秋めいてきました
昔はこの時期から尿路閉塞の猫ちゃんが増えるといわれていましたが、3年前にどこかの動物病院が学会でポスター発表した結果では一年中尿路閉塞になるリスクは変わらないそうです
尿路閉塞になる患者さんの数が多い病院ならではの発表だと感心したものです

今日は今回の題名通り、頻尿について考えていきたいと思います。

字を見てわかる通り頻尿とは頻繁に尿が出ることで、医療現場では重要な診断項目のひとつです。

頻尿症状のでる代表的な疾患を挙げてみます



頻尿は頻繁に尿が出る状態を表すとお伝えしましたが、尿量に関しては触れておりません。
尿量が多い時もあれば少ない時もあります。一日の尿量は犬であれば21-41ml、ネコは22-30mlといわれております。頻尿時は尿を頻繁におこなうため、一日の排尿量が計測できない場合があります。
つまり
尿を頻繁にしている=尿量が十分
という図式は成り立たないのです



勿論尿石症の仔は尿が濃いために尿中に結石が出来ることから、元々腎不全の仔が尿路結石であることはあまり多くはありません。ですが、感染性の膀胱炎で腎不全の仔は筆者も経験しております。
なので、頻尿であっても血液検査や画像検査は初期の段階で行うほうが良いと思います。
また、病院で膀胱炎、尿石症として内服・食事療法を始めても、すぐに効果が出るとは限りません。病院から帰宅した後に尿道に膀胱結石が詰まり、膀胱内の尿が十分に出てこないケースもあります。
そのような状態を

「もうちょっとしたら薬が効いておしっこが出るんじゃないか」

と様子を見ていると、
膀胱内の尿が次第に行き場をなくし、腎臓にも尿が溜まる状態になることがあります。
そうすると腎臓は尿を作る機能が邪魔されて、毒素をろ過できない状況になり腎機能不全になってしまうケースもあります。

そのため、膀胱炎や尿石症と診断されても、必要に応じて定期的に血液検査や画像検査はしていく必要があります。
ご自宅では頻尿になったペットがトイレで踏ん張ってもおしっこが出ていないなどの症状がないか、元気や食欲の低下、嘔吐や下痢がないかなど注意深く確認してください。



ペットの健康はみんなで守りましょう。
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