ARどうぶつ病院の盛田です。忙しさにかまけてなかなかブログを書かなくてすみません。
看護師さん達の書くブログが可愛くて、私の書くブログはちょっと場違い感がありますね
5月に入りようやく暖かな日が増えてきたと思ったら、明日から猛暑日との予報
この時期は日ごとの天気や気温が変わりやすいだけでなく、日中と夜間における寒暖差も激しいため、人と同様に動物達も熱中症だけでなく体調を崩しやすくなっています
少しでも変わった変化がありましたら動物病院で診察してもらってください。
また、当院周辺では5月末からフィラリア予防を始める時期となっています(4月上旬には蚊が発生していたため)。
年間通して行うノミ・マダニ予防だけでなくフィラリア予防も忘れずに行いましょう
今回はリンパ腫と白血病の違いについて。
上記二つの腫瘍は全く違うものですが、飼い主様にとってはよく混同してしまう病気です。
特に猫ちゃんはウイルス感染によりリンパ腫の発生率が上がることがあり、わからなくなるようです。
今回はこの二つの腫瘍について、浅く話を展開したいと思います。
獣医師や動物看護師の方には簡単な話なので復習がてら流して読んでください。
まず、白血病とリンパ腫の違いとして、大きな違いは
① 発生部位
② 白血病にはリンパ球以外の細胞腫瘍もある
ことです。
①に関して、白血病は骨髄で腫瘍が発生します。
対して、リンパ腫の発生部位は骨髄以外の臓器です。
そのため、
② 白血病にはリンパ球以外の腫瘍もあり得る。
のです。
下の図は急性白血病の分類ですが、見てのとおり、白血球のなかのリンパ球だけでなく、単球や好中球、赤血球や血小板の細胞(前駆細胞)も腫瘍となることがわかるかと思います。
また、急性だけでなく慢性もあり(WHO分類参照:
http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2646.pdf)、治療や予後が大きく変わってきます。
一方、リンパ腫はリンパ球が腫瘍化したもので、発生部位やリンパ球の種類、悪性度などによりさまざま方法で分類分けされています。
こちらに関してはまたいずれの機会でお話しします
一方、白血病とリンパ腫の類似点は、
① 特定のウイルス感染により発生率が上がることがある
② 治療法は抗がん剤がメインである。
③ 病気の進行度はまちまちであり、それにより治療方法が変化する。
④ 進行すると全身に腫瘍が浸潤(転移とは言わない)する
ざっとこんなものでしょうか。
①は猫におけるFeLvウイルス(猫白血病ウイルス)感染が有名ですが、人でもHTLV-1ウイルスやEBウイルスが白血病やリンパ腫の発生に関与していると示唆されています。
猫白血病ウイルスはネコちゃんにおける白血病を起こす場合があるだけでなく、リンパ腫を引き起こす可能性もある恐ろしい病気です。
白血病の検査は
④の全身性のリンパ腫の場合はリンパ腫かリンパ球性白血病か診断するのが困難な場合があり、診断により治療法や予後が変わってくるためにこの場合は骨髄生検を実施する場合があります。
一見、同じような細胞が腫瘍化しているように思えますが、前述したように治療方法や予後が異なりますので、可能な限り確定診断を行うようにしていきましょう
本日は「白い巨塔」の第1日目
唐沢寿明の財前もよかったですが今回はいかがでしょうか
楽しみですそれでは