やっぱ都心に宿泊してるっていいね。
埼玉だって、1時間もあれば行ける。
ということで、気合いを入れて北浦和まで行ってきた。
入る前から、既に展示が始まっている。
吹き抜けにはヤヨイちゃん。
中に入ってからも、一部の作品は撮影可能だ。
大阪では何万人だったか、記録的な動員数だったというんで、到着が10時を回ってしまっていたのが痛いなぁ、と思っていたのだが。
場所柄か、そんなに混んでません(笑)
もちろん、人は結構いるんだけれど、どう考えても地元の人が、ベビーカーを押しながら来ている、なんてのが多くて、よくありがちな、みっちり並んでみている、という状況からはほど遠い。
しかも、オーディオガイドを借りている人が、あんまりいない。
が、そこに書かれている文句にがっつり釘付け。
「草間彌生が歌う!」
えっっ?!本人が歌っちゃうオーディオガイドって、何?!(笑)
これは借りるしかない!!
これがまたすごい代物で。
普通、オーディオガイドといったら、ガイド番号の出ている作品の解説なんかが流れるものなのに、そんなのほとんどない(笑)
シリーズ全体のコンセプトや、創作しているときに考えていることなんかを、草間彌生本人が語るくらいなら、まだまともなほう。
本人による詩の朗読とか、それこそ歌(自作)を歌うとか。
これ、オーディオガイドって言っちゃって、いいんだろうか?f(^_^;
で、肝心の作品ですが。
色彩に濁りがなく綺麗で、本人の心の内をキャンバスの上に吐き出している、という風には見えるんだけど。
解放感はない。
むしろ、ぎっちりと、みっちりと、本人の心の中にわき上がってくるものを、外に少しでも出すことによって、苦しみを軽減しようとしているようにしか見えない。
こっちがむせかえるような感じで。
ただ、そのパワーはすごいんだけど。
展示作品の中では唯一、「花咲けるニューヨーク」だけが、家に飾ってあってもいいかな、という感じ。
大胆な図柄に、堂々たる余白。
この絵だけは、心が病みかかっているときに見たら、救われるような気がする。
ただ、実物を見ると、どの色とどの色をどの順番に重ねていったのか、という、創作の軌跡を直に見ることが出来るのがいいね。
のっぺりした図版になってしまったら、これはわかりづらい。
実物を見れば、同じ色数でも、見たままの順で色を載せていったものと、非常に複雑な順序で色を何度も載せているものとがある。
どちらが良くて、どちらが悪い、というわけではなく、描いている本人にとって、これだ!というところへたどり着くまで、どれだけ手数がかかったのか、という違い。
子供の頃から幻覚が見えていた、というくらいだから、本人の目に今、どんなものが見えているのか、この目の前にしている絵のような世界が展開しているのか、それはよくわからない。
それに、この絵が何を意味しているのかも、タイトルを見たからと言って、きちんと理解できるわけではない。
ただ、本人が、もう自分は老い先長くはないとわかっていて、そのわかっているレベルがやはり段違いであって、死んでしまう前に、より多くのものを残そう、人生は永遠に続くものではないのだから、それよりもずっと遠くの未来まで残る芸術作品にして、自分の存在を残そう、と強く思っている、ということだけは、強烈にわかった。
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