あるまこ~

ITコンサルタント&山岳ガイド協会公認 山岳ガイド&インターネットショップ ラブジアース店長&LOC代表の徒然日記。

【ロングトレイル】南岳~大キレット~北穂高~奥穂高~前穂高岳~岳沢~上高地

2010年08月08日 23時55分34秒 | 登山

↑大キレット、長谷川ピークからの下りを遠望。大キレットの核心部分のひとつだろう。

朝3時00分に起床、けっこう寒い。

はじめて無雪期にこのコースを歩いたが、登山のエキスパートのトレーニングコースにぴったり。今後、バリエーションルートを目指す人たちにとって、体力、ルートファインディング、クライミング、危険個所の認識と対処、山での生活等、総合力が養えるコースだろう。大キレットと北穂高岳~涸沢岳のコースは、登山というよりクライミングの要素が大きい。最大でも5.6(デシマルグレード)くらいの感じだが、3点支持、スタンスの選択、ホールドのテスティング、重荷を背負ってのバランス等の基礎クライミング技術が必要とされる。また、浮石が多いので、落石への配慮が最も重要だ。


■ルート詳細

大キレット:南岳からの下りは、ざれ場や鎖場が連続する。基本的にこの稜線上は鎖場、岩場が続きどこも危ないのだが、核心部分は長谷川ピークからの下りと北穂高岳山荘直下の飛騨泣きの部分だろう。長谷川ピークからの下りは、左右(信州・飛騨側)が切れ落ち高度感抜群のバリエーションルートに近い(鎖や足場が整備されているという点では異なるが)。要所に鎖は付いているが、太い鎖は女性には持ちづらいかも知れない。スラブ上の岩が多いので、スメア(靴底を岩に押し当てて立つ)や細かいスタンスに登山靴でしっかり立てれば、安心。飛騨泣きは、とにかく落石に注意。特に、飛騨泣き上部の太い鎖と細い鎖が併設されているルンゼは、浮石のオンパレード。ここは、まともなホールドが無いので鎖を持ってしっかりスタンスを決めて行こう。約15mの鎖場で、一人一人通過する必要があるのでここが渋滞しそう。このルートで最も危険な要素は落石だろう。しっかりとした鎖場や岩場はそれほど危険ではないが、浮石や後続者への落石を最も注意すべき、他の登山者への配慮を最も注意すること。保護のため、長袖・長ズボンが基本、ヘルメット、皮手袋、登攀装備(ハーネス、スリング、カラビナ、緊急用ロープ等)必携。

北穂高岳~涸沢岳:このルートも岩場が主体で、落石、浮石、スリップ、滑落等への危険意識が十分に必要なルートだろう。鎖場やハシゴが設置されてあれば、それを頼ることはできるが、設置されていない箇所こそ注意して通過したい。核心は涸沢岳直下のルンゼ上の登攀で、70~80度の岩場を直登する。鎖や足場(人工)があるのでそれをひろって登るが、失敗は許されない。5.6程度のクライミング技術が要求され、重荷の場合は、スタンスを細かくきって着実に登ろう。

吊尾根(奥穂高岳~前穂高岳):鎖場が数箇所あるが、ルート全体として比較的稜線歩きが多い。浮石には注意しよう。


■行程

4:30 南岳小屋出発
5:35 A沢のコル
6:45 北穂高岳小屋
7:00 北穂高岳
7:40 最低コル
8:15 涸沢岳
8:30 穂高岳山荘
9:10 穂高岳山荘出発
9:35 奥穂高岳
9:45 南稜の頭
11:10 前穂高岳
13:00 岳沢ヒュッテ
14:30 河童橋

下山

お疲れさまでした。


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