早朝、湖畔の佇まい。
■問題は売りたいけど売れない家…
親から相続した家を管理もせずに放置しておくことのリスクはこれまでよりも格段に上がっています。
だから税を優遇するので早めに売ったらどうですか、というのが国の施策です。
しかし、この施策で解決できるのはおそらく今の空き家の一部だけです。
約820万戸の空き家のうち賃貸用の住宅の占める割合が5割を超えています。
賃貸は空き室になっても多くは管理がなされているのでそれほど問題はありません。
問題は400万戸ほどある持家の方です。
また持家の中でも、立地条件が良くてそれなりの価格で売却できるもの、それなりの賃料で貸せるものであればそれほど問題はありません。
今回の3,000万円控除の施策で売却が進むかもしれません。
ま、そんな立地にある良い家なら、そもそも空き家で何年も放置はされないでしょうけど。
問題は、売りたくても売れないような郊外立地にある老朽化した家です。
売れないのですから処分したくても処分できません。
そのまま放置されると、適切な管理もされないので劣化が進み資産価値が下がり、ますます売れなくなる。
これが廃墟に向かう悪循環です。
こういう物件は値段を下げたところでなかなか売れません。
役所に寄付しようにもたぶん断られるでしょう。
利用価値の無い不動産は管理費がかさむだけです。税金を使ってそんなことは出来ませんからね。
固定資産税は上がるかもしれない、でも売りたくても売れない、ただでも役所も誰も引き取ってくれない…。
八方ふさがりですね。
こういう場合、解体費用を自分で負担して、更地にした上で無償でも引き取ってもらえるかどうか、ということを考えないといけないと思います。
解体費用は持ち出しになってしまいますがそれでも将来にわたって続く所有コストよりも解体費が安く済む計算になるなら選択肢になるでしょう。
国土交通省の調査では空き家の取得理由の過半数が「相続」でした。
相続した空き家はある程度の費用をかけても相続人が自己責任で何とかするように、という時代が来ています。
「とりあえずもらっておこうかな」という程度の軽い気持ちで相続すると、後々大変なコストが
かかってしまうかもしれません。
放置しておけば建物の劣化が進み、時間が経過するほど売るにも貸すにも不利になります。
市街地周辺にあってニーズのある空き家は、あまり価格にこだわらずに早めに売るのが良いと思います。
今回は以上です。
私信
売れる立地にあるところは早めに価値のある間に処分するのがベストのようです。
それができない立地条件の悪い所は、上記にも書かれていますが、更地にする事でしょう。
そのほうが維持管理費が安上りで、隣地の方にも迷惑もかけないです。
もし相続した建物を所有されているのでした、弊社のスタッフにホームインスペクションの資格を持つものがいますので、何時でもお気軽にご相談ください。
ホームインスペクター