無理をしない責任感

八ケ岳連峰で男女２人の遺体発見　遭難の学習院大生と確認(NHKニュースの記事より）

今、トレイルランニングという自然の山や川を何日もかけて走る競技が静かなブームです。
NHKのBSで特集をしているのですが、どれもトラブルも多く脱落者が次々と出る過酷なものばかりです。

その中の一つに、昼夜を分かたず、走ったり、ボートを漕いだり、自転車に乗って進むレースがありました。
もはやこれより大変なのは、比叡山の千日回峰行くらいじゃないかというレベルです。

それを４人のチームでいくのですが、このルールが独特なのです。
かならず女性を一人はいれなければならない決まりです。

控えめに言って、僕は大会の主催者の常識を疑いました。
なぜなら、この編成では必ず体力的に劣る女性一人に過度な負担が来るからです。

何も女性が足手まといになるから入れるなと言いたいわけではありません。
せめて男女同数にして女性を二人にしないと、一人だけが犠牲になります。

番組は日本チームを密着していて、僕も応援していました。
ですが、最後の自転車でゴールまであと数キロの時点で女性の方が気を失い倒れてしまい、無念のリタイヤとなりました。
レース中の怪我などもあり、彼女はずっとかなりの無理をしていたように見受けられました。

集団が過酷な状況になると、責任感から人は無理をしてしまいます。
決して責められませんが、多くの場合それは判断を狂わす原因となり、一番体力のない人を犠牲にしてしまいます。

※web小説‐伝承軌道上の恋の歌‐初めから