原則、ホテルレポートだけのこのブログですが、先月行って来たウユニは最近個人旅行で
行こうとしてる方も多いようなので、参考になればと思い、分かる範囲の事を書き記そうと思います。
当時のレートは1US$=95円、1ボリビアーノ(通称ボリ)=14円です。
文中に記されてる料金やフライトスケジュールは変動する事があるので、参考程度になさって下さい。
1、時期と準備
ウユニ塩湖が有名になったのは「天空の鏡」が見られるからです。
真っ白な塩の大地にうっすらと水が張って、そこに鏡のようにあらゆるものが映し出される現象です。
これですね↓
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「天空の鏡」は1年を通して見られる訳ではありません。
乾季はこんな感じに乾燥した塩の大地が広がってます。
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これはこれで幻想的な光景なのですが、やはりウユニに行くなら「天空の鏡」が見たい!
それならば雨季です。
雨季と言っても日本の梅雨のように1日中降り続くような事はあまりなく、
大抵は夜のうちに雨がさっと降って塩湖に水が溜まります。
それが広い範囲に降ったところが「天空の鏡」になる訳です。
だいたい1月~3月上旬が雨季に当たります。
が、最近はウユニも異常気象で時期が前後する事もあるようです。
仕事の都合もあって3月上旬に行く事になった私達にとっては大きな賭でしたが、
無事に「天空の鏡」に出会えました!!
ちなみに、塩湖全体が鏡張りになってる訳ではありません。
広大な塩湖の大半は雨季でも乾燥した大地です。
そこにツアーの4WD車で入り込んで鏡張りになっている所を探す訳ですが、
ツアーに関する詳細はまた別の日記にて・・・
まずはウユニ塩湖&ボリビアに行くに当たっての注意事項を書いておきます。
なんと言ってもまず最初に一番気を付けなくてはいけないのは高所対策!
ウユニへの中継点であるラパスのエルアルト国際空港は標高4,082mで、
世界一高所にある空港です。
ラパスの街は高いところで3,650m、低いところでも3,000m、
ウユニも3,660mと高所続きです。
(1)高山病対策
個人差がありますが、標高2,500mを超えると高山病の兆候が出始めるそうです。
頭痛や吐き気、息苦しさから始まって、最悪命に関わるとか・・・
私の場合は症状が軽くて済みましたが、エルアルトでは何もしなくても頭が多少ふらつき、
ラパスやウユニでは大声を出したり早口で喋ったり、少しでも早足で歩いたりすると
息切れがしました。
高山病の一番の治療法は低所に降りる事だそうですが、ラパスやウユニでは逃げ場がありません。
多少でも症状が出てるなと思ったら、喫煙や飲酒を控える、なるべくゆっくり行動する、
はしゃいだり大声を出したりしない、等の注意が必要です。
とは言っても塩湖でテンション上がるとなかなかそうもいかないのですが(^^;
一応、高山病の予防&治療薬が国内でも手に入ります。
ダイアモックスという薬です。
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本来は緑内障の治療薬だそうで、詳しい原理は分かりませんが、高山病に一定の効果があるそうです。
でも、完全な予防・治療効果があるわけではなく、効く効かないで個人差もあるようですが、
何も準備しないで行くよりかはマシかもしれません。
薬局等では販売しておらず、処方してくれる医者も限られています。
こちらのHPに処方してくれる医者のリストが載っています。
保険対象にならないので、値段はそれなりにします。
私の行った病院では、レントゲンと血液検査(肺機能に問題がないかと、酸素を運ぶ
赤血球の量に問題がないかを調べたとか)込みで5,500円でしたが、病院によっては
もう少し高かったりするらしいです。
私達はこれを前日に半錠ずつ2回、現地に着いてから同じく2回飲用しました。
ダイアモックスには多少の副作用があります。
頻尿になる、手足のしびれ等です。
私達には副作用がほとんど出ませんでしたが、医師が「手が痺れたらグーパーを繰り返して下さいね」
などと言ってたので、たいした副作用ではないのかもしれませんが、こればっかりは
個人差もあるのでなんとも言えません。。。
また、これと同じ薬かは分かりませんが、現地でもソローチェピル(Sorojchi pill)
という名前で同じような高山病治療薬があるそうです。
購入はしてませんが、日本でダイアモックスを入手するよりはずっと格安でしょうね。
ただ現地での購入となると予防効果が得られないのでそのへんが微妙ですが・・・
ラパス市内には下の写真のような薬局がいっぱいあったので、ウユニの前に
ラパス市内入りする方は簡単に入手出来ると思います。
ウユニの街中で薬局は見かけませんでしたが、探せばあるのではないかと・・・
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ダイアモックスとは別に、食べる酸素と飲む酸素も一応持って行きました。
ただ、これは効果はほとんど期待出来ないと思うので気休め程度ですが(^^;
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(2)紫外線対策
雨季のウユニやラパスは気温が上がってもせいぜい20℃程度です。
しかし、そんな気温でも高所の紫外線はあなどれません。
事前に情報は得ていたので日焼け止めは持って行ったのですが、塗る前に
ラパス市内で日焼けして皮がむけました。
あと、塩湖では照り返しで日差しも強烈なので、サングラス必須です。
(3)ターボライターについて
物凄くどーでもいい事なのですが、ラパスに着いた途端、相方のターボライターが
使えなくなりました。
冗談で「ライターも高山病なんじゃない? マイアミに戻れば直るさ」って言ってたら
ホントにラパス~ウユニ~ラパスとずっと使えなかったのに、マイアミに戻った途端、
普通に使えるように!
理屈は分かりませんが、高所では使えなくなるらしいので、ターボライターを
ご利用の方はご注意を。
その他、塩湖での注意事項です。
雨季の塩湖の気温は、昼で20℃前後、夜は10℃前後になります。
日本が冬の時期なので、夜は日本から着てきた格好のままで問題ないですが、
昼はそれだとかなり暑いです。
脱ぎ着しやすい服装をしておいた方がいいです。
それと、水の溜まってる場所で動き回ってると、レンタルの長靴を履いてても
塩水が撥ねてこんな感じ↓になります。
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下の写真みたいにジャンプして写真撮ったりすると、上着まで撥ねます。
なるべく、汚れてもいい格好をした方がいいと思います。
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レンタルの長靴の話が出ましたが、昼間はそこそこ暖かいので、
ビーサンで水に浸かってもむしろ心地よいくらいで問題ありません。
ならば裸足でもいいのでは?と思われるかもしれませんが、
塩の結晶がゴツゴツしてるので痛くてとても歩けません。
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レンタルの長靴がない昼のツアーに参加した時に、ビーサンがなかったので
止むを得ず素足にスニーカーで塩水に浸かってたら、乾いた後靴がこんなになって、
真水で洗って乾燥させるまで使用不能になりました。。。。
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逆に夜(日没・日の出含む)はビーサンだと足が凍傷になります。
レンタル長靴のあるツアーに参加した方がよいです。
(日本から持参してもいいけどかさばるので・・・)
他の方のブログで「ウユニの町で長靴が売ってた」なんて話も聞いたのですが、
ちょっと確認出来ませんでした。
続いて、通貨の話です。
アジア圏では現地で直接両替しても有利な日本円ですが、南米ではちと分が悪いです。
下の写真はラパスのエルアルト空港の両替所のものですが、日本円→US$→ボリと
両替した場合、当時のレートで1ボリ=14円くらいですが、日本円から直でボリに
両替すると、1ボリ=17円くらいになっちゃいます。
現金はUS$を持って行った方がよいです。
それとクレジットカードは使えない店も多いので、あまり当てにしない方がいいかも。
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最後に、危険情報です。
元々、南米自体全般的に危険度が高いのですが、以前からペルーやボリビアでは
首締め強盗が多いと言われていました。
後ろから突然首を締めてくるという悪質かつ危険な強盗です。
そのへんの問題もあって今までウユニ行きを躊躇っていたのですが、
最近ではボリビアの治安はかなり改善されているようです。
実際、ラパス市内を昼も夜も歩き回ったけど、危険を感じるような事はありませんでした。
ところが、現地で聞いたところによると私達が行った前の月(2013年2月)に日本人観光客が
首締め強盗に遭ったそうです。
場所はムリリョ広場周辺というラパスの中心街で、夜8時頃の出来事だったそうです。
実際、ラパスの日本人宿でも、私が大きなカメラバッグを持って出かけようとしたら
宿の主人に危険だから止めた方がいいと言われました。
(結果としてそのまま持って出かけて何も起きなかった訳ですが・・・)
特にラパスの夜は十分に注意した方がいいかもしれません・・・
ウユニはと言うと、ラパスとは比べものにならないくらいのんびりした街で、
ラパス以上に全く危険な感じはしませんでした。
ただし、人通りの多い中心部しかうろついてませんが。
しかしウユニでも同じく2013年の2月に日本人観光客が置き引き被害に遭ったようです。
塩湖ツアーの会社でバックパックを置いて5分ほど目を離した隙の出来事だったそうです。
実際、日本人御用達のツアー会社では、下の写真のようにみんな荷物を置きっぱなしでした。
ウユニに着いてホテルを決める前にそのまま塩湖ツアーに行く時などは確かに便利なのですが、
お店の人がずっと見張ってくれる訳でもないので、日本人ばかりだからと言ってあまり
油断しない方がいいですね。。。
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2、日本からウユニへ
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ウユニへ行くにはボリビアの首都・ラパス(憲法上はスクレが首都だが実質上の首都はラパス)
からアクセスするのが一般的です。
バックパッカー的ルートではペルーやチリから陸路入りする事もありますが、
ここではラパスルートのみ説明します。
日本からラパスへの直行便はなく、最低でも3本の飛行機を乗り継ぐ事になります。
成田の場合ですと、例えばユナイテッド航空でヒューストンを経由してペルーのリマに飛び、
そこからラン航空でラパスに行く方法。
或いは、アメリカン航空で米国都市(ニューヨーク、シカゴ、ダラス等)を経由して、
マイアミに行き、そこからラパスに行く方法。
どちらを選んでもラパスに到着するのは、日本を発った翌日の未明~早朝になります。
私達の場合は、JALのマイレージ会員なので後者を選びました。
アメリカン航空のHPからラパスまで通しでチケットを購入、
1人約15万円でした。
ラパスからウユニへは、少し前までは夜行バスで行くのが一般的でした。
ところが2011年にラパス-ウユニ間のフライトが始まって、
現在は予算や日程に合わせてどちらかを選ぶ事が出来ます。
安いのはもちろん夜行バス。
ラパス市内のバスターミナルを夜7時頃出て、ウユニに翌朝到着。
費用はバス会社によりますが、$10~$25程度らしいです。
ただ、10~12時間悪路に揺られ、しかも時期によってはかなり寒いそうなので、
時間と体力がある方向きです。
一方、飛行機はタム(TAM)航空とアマソナス(Amaszonas)航空の2社がありますが、
週3便のタム航空に対して、アマソナス航空はデイリー、しかも毎日2~3便飛ばしているので
後者を使う方が多いようです。
アマソナスの場合、ラパス-ウユニ間は45分です。
また、アマソナスはクスコ-ラパス-ウユニとコネクティングしているので、
日程に余裕がある方はマチュピチュ観光と組み合わせるのに便利です。
アマソナス航空のHPはこちら。
英語で購入出来るので、個人手配に慣れてる方なら問題なくネット購入出来ると思います。
ただ、悩んだのは予約クラス。
ついさっき確認の為にHPを見てみたらある程度予約クラスの説明があったのですが、
私達が予約した時にはほとんど説明がなく、どのクラスで予約すればいいのか悩みました。
結局、無難に一番高いBクラスで予約しました。
ちょっとトラブルがあって行きに予定の便に乗り遅れたのですが、
翌日の便に無料で振り替え出来たのはBクラスにしたおかげかも・・・?
あとアマソナス航空はリコンファーム(予約の再確認)が必要らしく、
これをしなかった為に乗せてもらえなかった方もいらっしゃるようです。
逆にしなくても問題なく乗れた方も多いのですが、念の為しておいた方がよいかと。
私達は、往路は日本からHP上でweb check-inをした上、メールでリコンファームしておきました。
復路はウユニの空港に着いた時点でカウンターでリコンファームしましたが、
ウユニの街にもアマソナス航空のオフィスがあるので、そこでしても大丈夫です。
ちなみに予約した時とweb check-inした時でフライト時間が10分変更されてました。
10~20分の時間変更はよくあるようなので、直前に再度フライト時間を確認しておく
事をお勧めします。
それともうひとつ。
アマソナス航空は国内線ですが、フライトの約90分前にカウンターに来る事を要求してきます。
ボーディングタイムはフライトの30分前です。
私達はつい日本の国内線の感覚でいたばっかりに往路で乗り遅れました・・・
乗り継ぎや空港到着は時間に余裕をもつようにした方がよいです。
特にアメリカン航空でラパスに着いた場合、ウユニ行きへの初便との時間があまりありません。
少しでも早くウユニに着きたいところではありますが、1本後の便にした方が無難だと思います。
3、ウユニから日本へ
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夜行バスはウユニを夜7時頃出発して翌朝ラパスに着くそうです。
飛行機の場合は、時期によってウユニ朝発のみの時と午後便もある時があります。
ラパスからは、アメリカン航空の場合、マイアミに行く便が早朝の1便しかないので、
飛行機にしろ夜行バスにしろウユニからラパスに着いた日はラパスで1泊する必要があります。
ラパスから日本へは時差の計算も含めて2日後の到着になりますが、
米国内のルートによってマイアミで1泊するコースか、機内泊かを選べます。
一方、ラン航空~ユナイテッド航空の場合は、ラパス発リマ行きが夕刻にあるので、
ラパスに着いた日にリマまで行く事が出来、その後ヒューストンまでは機内泊で、
ヒューストンを発った翌日には日本に着けるのでアメリカンの場合より1日スケジュールが短縮出来ます。
4、日程と予算
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私達の組んだスケジュールは下記の通りです。
1日目 成田-シカゴ-マイアミ-ラパスへ(機内泊・全てアメリカン航空)
2日目 早朝ラパス到着、午後のアマソナス航空でウユニへ(ウユニ泊)
3日目 塩湖観光(ウユニ泊)
4日目 塩湖観光(ウユニ泊)
5日目 アマソナス航空の午前便でウユニからラパスへ(ラパス泊)
6日目 ラパス-マイアミ(マイアミ泊)
7日目 マイアミ-ダラス(機内泊)
8日目 成田着
前々項で書いた通り、2日目のウユニ行きの飛行機に乗り遅れたので、ラパス泊になってしまいました。
結果、塩湖観光が1日半になってしまいましたが、それでもサンセット、サンライズ、
デイリーと3度塩湖に行って満喫出来ました。
なので、実質7日の旅程でも塩湖を楽しむ事は可能です。
もちろん、スケジュールに余裕があった方がいいですが・・・
そしてこれも前項で書きましたが、ラン航空~ユナイテッド航空を利用すれば、
更に旅程を1日短縮する事が出来ます。
つまり、理論上最短5日の超弾丸も可能な訳です。
1日目 成田-ヒューストン-リマ(ユナイテッド)、ラン航空でラパスへ(機内泊)
2日目 早朝ラパス着、アマソナスでウユニへ、塩湖サンセットツアー(ウユニ泊)
3日目 塩湖サンライズツアー、アマソナスの午後便でラパスへ
ラン航空でラパス-リマ、リマ-ヒューストンへ(機内泊)
4日目 ヒューストン-成田へ(機内泊)
5日目 成田着
もちろんフライトスケジュールが合えばの話ですし、どこかでディレイでもしたら
アウトなので、このスケジュールで行く場合は自己責任でお願いします(笑)
続いて予算です。
事前にネット決済したのは下記の3つ。
成田-ラパス航空券(アメリカン航空エコノミー) 約15万円
ラパス-ウユニ航空券(アマソナス航空・Bクラス) 約27,000円
マイアミのホテル代(2名1室で1人当たり) 約4,500円
塩湖ツアー代やウユニ・ラパスでのホテル代は現地払いでした。
以下、ホテルは全て2名利用での1人当たりで、塩湖ツアーは7名相乗りでの1人当たりです。
ラパス(一番ホテル) 360ボリ×2泊
ウユニ(クリスタルサマーニャ) $60
ウユニ(Hostal El Cactu) 65ボリ
塩湖サンセットツアー 130ボリ
塩湖サンライズツアー 130ボリ
塩湖デイリーツアー 200ボリ
これらの支払も含め、現地で支払った全てのお金(交通費、食費、お土産代等)の合計は
1人当たり日本円で4万円弱でした。
これに事前ネット決済した金額を加えた総予算は1人約22万円です。
マイアミに宿泊しないで機内泊にするとか、塩のホテル(クリスタルサマーニャ)に
泊まらないとか工夫すればざっと20万円で行けますし、もし日程と体力が許して
ラパス-ウユニ間を夜行バスにすれば、余裕で20万を切ります。
ツアーで行くとウユニオンリーのツアーでも1人40万近くしますので、半額です。
是非個人旅行でウユニに行ってみて下さい。
某専門ツアーのHPで「現地のツアーでは天空の鏡を探してくれない云々」と
書かれたりしてますが、嘘です。
ちゃんとツアー会社を選べば、探してくれます。
次の現地編ではそのあたりについて書いてみたいと思います。