言わずに気がついてほしい
というのは、横柄な態度だと思う。
根付職人なのに。
そんなのさ、夫婦や友人でも察するのは難しいんだから。相手のことをしっかり見て通常を知っているからその違いがわかって理解できるもの。
それを、ほとんど会ったことのない注文者さんに
これのすごさ、その工夫を言わずに気がついてっていうのは、勝手だよなぁって思うのです。
言ってもらわなきゃわかんないよ、そんなの。
言わないことが職人の美徳とされてきたのだけれど、
通常をあまり知らない人に察することを押し付けるのは横柄なのかな、と。
こーんなにすごいんだぞ!
実はこんな工夫してるんだぞ!
って伝えるのは、優しさ。
丁寧な態度ではないかと思うのです。
伝えないのは職人の怠惰であり、考えてないことが露呈することへの恐れなのかも。。。
でも、だからこそ、
気がついてもらうことを期待せず、
それでも使っているうちに
「あ!これってそういう工夫?」
って驚かす部分は残しておきたい。
それは、まったく気がついてもらうことを期待しない、気がつかれずに風化していくことが前提の部分。
でも、気がついたら
「うわ!こんなことしていたのか〜、やるなぁ」
っていう部分。
ほんのちょっとでいいから、そんな部分が作れたら最高です。
山に咲いてた花。
なんの花かわからないけれど、なんだか楽しい花。