2019年10月訪問
2019年の10月のある日、朝早く起きて『ルーブル美術館』まで散歩した。
10月のパリは朝7時はまだ薄暗い。
人気のあまりないセーヌ通りを南に歩き、セーヌ川にぶつかる。
空がうっすらと青くなり朱がさす。
セーヌを渡ればルーブルだ。
朱がだんだんと赤みを増してくる。
本当に美しい建物だ。
『フイリップ二世』がここに初めて要塞を築いた時は周りはどんなであったか、
建物はどんなであったか思いを巡らせてみる。
『ルーブル美術館』はコの字型をしている。
その中心に新しい鉄とガラスのピラミッドが出現したのは1988年。
朝日を背景に、近代的な造形がすくっと立っている。
周囲もだいぶ明るくなってきた。
17世紀、ブルボン王朝の始祖の『アンリ四世』はルーブル宮殿を、
『チュールリー宮殿』と結ぶ広大な回廊を夢見た。
その夢は潰えた。
12世紀以降何回となく繰り返された改築増築により、今の姿となったが、
こうしてみるとなかなか素晴らしい容姿ではないか。