『イヴェット・ギルベール』(1894)
『ロートレック』
この作品の主人公『イヴェット・ギルベール』も
『ロートレック』のお気に入りの女性です。
彼女も『ムーラン、ルージュ』で歌っていました。
彼はこの作品のように、紙全体に描いていくのではなく、
一部だけを書き込み後は余白で残す作品が多くあります。
これも浮世絵の影響だと思います。
『リンガー・ロンガー・ルーを歌うイヴェット』(1894)
『リンガー・ロンガー・ルー』は彼女が歌った大ヒットになった、
イギリスの曲です。
『イヴェット・ギルベール』は黒いレースの手袋を付けていました。
歌を歌うときもこうして、黒い手袋の手を組んで、
それに顎を載せるようにして歌っているところでしょう。
顔だけがしっかりと描かれ、あとは簡略化されています。
これも彼がよく使う手法です。
これによって、顔に光が当たったような効果になります。
いつまでも見ていたい作品です。