2020令和2年日進市刑法総論 福岡大
刑法リーガルルール
刑法(1)19/01/23(1)犯罪論:各犯罪類型に共通する一般の成立要件を体系化して何が刑罰を処するに値する行為であるか明らかにする理論総体。(2)構成要件:刑罰法規に定められた犯罪類型を言う。犯罪の主体(1)身分犯:行為者に一定の身分が在ることが必要とされている犯罪(ア)真正身分犯:身分が在ること因って犯罪を構成する。具体例:背任罪(刑法247条)収賄罪(刑法197条)(イ)不真正身分犯:身分が在る事で刑罰の増減在る。具体例:常習賭博(刑法186条)、保護者責任遺棄罪(刑法218条)。(A)行為の客体:行為が向けられる対象としての人や物を言う。業務妨害罪(刑法233条後段)、信用毀損罪(刑法233条前段)名誉毀損罪(刑法233条Ⅰ)など刑法各側に規定された行為客体には法人を含むものが在る。(B)行為の客体と当該刑罰法規の保護の客体に当たる法益と必ずしも一致しない。公務執行妨害罪(刑法95条Ⅰ)は客体が公務員であり、公務自体を保護する。(C)行為の状況:構成要件に定められる行いが成立する一定の状況を言う火災の際に消火妨害罪(刑法114条)。(D)行為:構成要件に規定する構成的要件を言う。(E)結果:構成要件は一定結果発生を規定している、発生する一定結果を構成要件的結果という。
刑法(2)19/01/23(1)検挙犯:構成要件行為としての人の外部的態度があれば足り結果の発生を必要としない。具体例:犯罪偽証罪(刑法169条)住居侵入罪(刑法130条前段)(2)結果犯:構成要件的行為のみではなく一定の結果の発生を必要とする犯罪。具体例:殺人罪(刑法199条)、窃盗犯(刑法235条)、その他の全て。(1)形式犯:一定の法律に形式的に違反しただけで成立し法益侵害の抽象的危険の発生さえも必要の無い犯罪。食品衛生法に於ける不衛生食品貯蔵、陳列罪。(2)実質犯(ア)一定の法益の侵害と危険内容の犯罪(A)侵害犯:法益が現実に侵害される事を必要とする犯罪、殺人罪(刑法199条)、窃盗罪(刑法235条)(B)危険犯:単に法益侵害の危険存在だけで足りる犯罪。(B1)抽象的危険犯:一定的の定型的に危険な行為そのものが処罰されている犯罪、現住物放火罪(刑法108条)、名誉毀損罪(刑法230条Ⅰ)
刑法(3)19/01/23(B2)具体的危険犯:法益侵害の具体的に現実的危険発生を要する犯罪、従来危険犯(刑法125条)、自己所有非現住建造物放火罪(刑法109条Ⅱ)。(1)即成犯:一定の法益侵害や危険発生によって犯罪が直ちに完成終了する。殺人罪(刑法199条)、放火罪(刑法108条)。(2)状態犯:一定の法益侵害の発生によって犯罪は終了してその後の法益侵害状態の存続は犯罪事実と看做されない、窃盗犯(刑法235条)、横領罪(刑法252条)(3)継続犯:一定の法益侵害が継続している間に犯罪継続が認めれるもの、正等防衛(刑法36条)、共犯の成立が可能。具体例:逮捕監禁罪(刑法220条)、保護者責任者不保護罪(刑法218条)。(ア)結果的加重犯:基本となる構成要件実現後、さらに一定の結果が発生した場合について加重処罰する。傷害致死罪(刑法205条)、保護者責任者遺棄致死傷(刑法219条)。
刑法(4)19/01/23(1)因果関係:結果犯では行為と結果との間の因果関係の構成要素となる。(ア)一般的主観的構成要素(A1)故意:犯罪にあたる構成要素の事実認識表象をいう(A2)過失:不注意によ因って犯罪構成要件の事実認識表象を欠く事を言う。(イ)特殊的主管要素、要否に付き争い(A1)目的犯に於ける目的:偽造罪に於ける行使の目的(刑法148条)、営利目的拐取罪における営利の目的(刑法225条)(A2)傾向犯に於ける主観的傾向:強制猥褻罪(刑法176条)行為者の心情、内心傾向を構成要。(A3)表現犯に於ける心理的課程:偽証罪(刑法169条)行為の要素として、心理的課程、内心状態の表現を必要等する。(2)記述的構成要件要素と規範的構成要件要素(B1)記述的要素:構成要件要素の存否の設定に付き価値の判断のいれずに裁判官の解釈ないし認識的活動によって確定できる者。具体例:人を殺した(刑法199条)と言う場合に於ける人及び殺すと言う行為。(B2)規範的要素:構成要件要素の存否の認定について裁判官の規範的評価的な価値判断を要すもの。具体例:法的評価判断を必要とする(刑法235条)他人の財物、認識上評価を必要とする(刑法246Ⅰ)人を欺く。文化的判断(刑法174、175、176条)
刑法(5)19/01/24(1)法人の犯罪能力:刑法法典は、行為の主体として自然人である個人を前提にしてきたが企業、法人自体の責任を問うことが出来ないかその前提として犯罪行為能力が問題となる。(ア)犯罪能力否定説の根拠:①法人は思想及び肉体を有しない擬制的存在で在る存在であるから評価の対象となるべき行為能力は無い。犯罪の能力肯定説:①法人も機関の意思に基づいて行動するから、行為能力を有する。否定説根拠②責任は行為者人格に対する非難であるから倫理的実践の主体ではない法人は責任を負担する能力は無い。肯定説根拠:法人の思想に基づく行為が認められる以上は法人を非難することも可能である。否定説根拠:③自由刑を中心とする現行の刑罰制度は法人の処罰に適合しない。肯定説根拠:③法人に適した財産刑が存在している他、現行行政処分と成っている法人の解散、営業停止など制裁を加え、法人の違法行為の責任を追及し防止するに有効な刑罰が可能。否定説根拠:④法人の機関を担当する自然人を罰しれば足りる。肯定説根拠:④法人に於いては機関の意思は集団的に決定されていて結果は法人帰属するので在るから個人の行為者が処罰されるのであれば犠牲にしながらなんら痛痒も感じず違法行為を抑止できない。
刑法(6)19/01/24(2)両罰規定の根拠:両罰規定は従業者の違反に行為について従業者の行為者が本人を処罰すると共に事業主である法人、自然人も併せて処罰する規定である。刑法は個人責任の原則を採用しており、他人の行為に責任を負わせるのは責任主義に反し問題となる。※両罰規定の根拠についての準用:A=過失犠牲、B=過失推定、C=準過失、(A+B+C)=事業主の従業員に対する選任監督上の過失を根拠とする。D=内容、E=批判、F=注釈。無過失責任(D):行政取締り目的から従業員の責任が無過失的に法人に転嫁される。過失責任(D):(A)事業主は過失の不存在を立証されても免責されない(B)事業主は過失の不存在を立証して初めて免責される(E)事業主は過失の存在が立証され処罰される。無過失責任(E):故意、過失限り処罰されないという責任主義に反する。無過失責任(E):(A)無過失責任と変らない(B)過失不存在立証責任を負わせるならば過失が認められなくても被告処罰され責任主義に反する(C)選任監督過失立証困難性で取締り目的を無視。無過失責任(F):法人の犯罪能力を否定し、両罰規定は受刑能力を肯定するものとする見解から主張される。過失責任(F):法人の犯罪能力を肯定する見解に馴染む。
刑法(7)19/01/26事業主を処罰する為には行為者を処罰しなくても、事業主だけ処罰しても差し支えないとする。従業者が死亡していたと場合は事業主が罰せられる。三罰規定とは従業違反につき本人、事業者(法人)、自然人、代表、中間管理職を罰する。(3)結果的加重犯の構造:被疑者が、被害者に傷害を負わせる意図で暴行を加えたところ被害者が死亡した。被疑者に傷害致死罪(刑法205条)が成立するには加重犯被害者の志望について過失が必要であるか責任主権と関連して問題となる。①基本犯たる傷害罪(刑法204条)と加重結果被害者の死亡との間に因果関係必要であれば足りる。(過失不要説)。(A)基本犯について故意が認められる以上は責任主義の要請は満たされ、因果関係の問題に過ぎない。(B)処罰範囲の限定は十分である。②基本犯たる傷害罪と加重犯被害者の死亡との間に因果関係と共に重い結果に結果発生に付き被疑者の行為者の過失が必要である(過失必要説)。基本犯じと重い結果に結合した特殊な犯罪種類型であるから関係で責任主義に足りず徹底の見地から主観的責任の必要。
刑法(8)19/01/26故意犯の構造:基本構成要件、実行行為:(1)行為論(A)意義:犯罪は人の行為で無ければならないという点で行為は犯罪概念の基底としての意義を有する。(B)行為概念の機能:(A)基本要素:共通基盤行為、限界要素:反射運動や内心の意図意思を外に置く。(C)結合要素:犯罪体系の各段階、構成要件、違法、責任を相互に結合する機能。(2)実行行為(ア)意義: 基本的構成要件に該当する行為。(イ)機能:(A)類型化:刑法上保護すべき法益が侵害された場合でも処罰の範囲を明確にする。侵害容態に罰する。(B)未遂犯の限界:実行の着手の実行行為の開始が認められれば、未遂犯として処罰が可能となる(刑法43条)。(C)正犯性の基準:実行行為の正犯、行わない者が共犯とする見解から、正犯は実行行為を分担しなければ成らない。①未遂論について、未遂犯を既遂の結果を生じさせる危険を要件とする結果犯の理解が台頭し未遂犯は実行行為で肯定されない。②共犯論に於いていは実行行為を分担しない共謀共同正犯を認めるのが一般と成る。
刑法(9)19/01/26不作為犯:(1)意義:不作為によって犯罪を実現する場合。(ア)真正不作為犯:構成要件自体が不作為を形式を採用する。保護者責任者不保護(刑法218条後段)、不退去罪(刑法130条後段)(イ)不真正不作為犯:作為の形式で規定された通常の構成要件が不作為に因って実現される場合。母親が殺意を以って嬰児(えいじ)に授乳せず餓死させた場合に殺人罪(刑法199条)を成立させる場合。(2)不真正不作為犯と罪刑法定主義(ア)類推解釈の禁止との関係:不真正不作為犯は法文の上では作為による実行行為を予定しているかに見える刑罰法規が不作為に適用される場合。予定しない行為を処罰する類推解釈であることから罪刑法定主義原則に反する。行為を処罰すを原則とする刑罰放棄であっても、禁止規範ばかりでもなく命令規範を含みうるので罪刑法定主義に反しない。(2)明確性の原則との関係:どの様な不作為が処罰の対象とされているのか条文上有る程度明確に成って居ないと罪刑法定主義違反となる。解釈によって不真正不作為犯の構成要件を可能な限り明確化することで明確性原則との抵触を回避出来る。
刑法(10)19/01/26(3)不真正不作為犯の成立要件:(ア)実行行為性:一般的に①作為義務②作為の可能性容易性③作為との構成要件論価値性が要件である。(C1)作為義務:一般的に犯罪的結果発生の危険のある状態にしておき防止する特別の法的作為義務を有する保証人の不作為のみが不真正不作為犯実行行為になりうるとされる保証人説。作為義務の発生根拠:一般的に①法令に基づく場合②契約事務管理に基づく場合③慣習に基づく場合④条理先行行為に基づく場合がある。作為義務根拠を事実的要素に見出し判断の明確性を確保する先行行為説がある。不作為者が自己の先行行為によって因果設定が必要見解で在るが対しては多くの故意犯、過失犯を全ての故意の不作為犯に転化し得る事になるとの批判。作為義務を厳格に捉える為事実上の引受け、病人を病院に移送することを引受けたり、支配領域性、自動車で引いた被害者を車内に入れて他人が救助の手の出せない状況に置くことを発生根拠要件とする立場がある。
刑法(11)19/01/26(C2)作為の可能性、容易性: Ⅰ:作為義務存在であっても刑法は一般人に対して不可能を強いるものではないから事実上の結果回避可能でなければ不作為実行行為性を認めない。不作為犯実行行為性要件とし作為可能性が存在する事が必要となる。母親が河岸にいて溺れる子を助けなかた場合救助が不可能であれば成立しない。Ⅱ:不作為犯成立に作為容易性の必要。飛び込んで助けることが出来た可能性で自ら溺れる可能性は作為容易性が無く不作為犯は成立し得ない。(C3)作為構成要件的同価値性:作為義務違反の不作為構成要件に該当する実行行為と認められるにはそれが法的に構成要件に該当する作為同価値と評価されることを要する。不作為にも作為同様犯罪実現する現実的危険性が含まれる必要。(2)因果関係:期待行為されれば結果は生じず関係を認め因果関係とする。被害者が被告人に注射された覚醒剤にて錯乱状態に陥り被告人が救急医療を要請すれば十中八九究明可能であり救命は合理的疑いを超える程度確実だった刑法上の因果関係と認める。期待行為がされたらという仮定的判断が入り込むので因果関係判断は曖昧となる。(C3)主観的事情限定:従来曖昧不作為犯処罰範囲を主観的事情限定が試みられた。放火罪(刑法108条)に於ける既発の火力を利用する意思。悪質理由は重処罰になる限定否定。
刑法(12)19/01/26作為義務の錯誤:作為義務が在るのに無いと誤認して事態を放置した者が不真正不作為犯としての刑罰に問うことができるか。作為義務の体系的位置づけと関連し問題となる。母親が溺れている子供を発見したとき救助せずに子供が溺死した。①母親が子供を自分の子ではないと思ったとき。②母親が子供を自分の子と誤認したが救助義務が無いと思ったとき。作為義務の体系的位置づけと作為義務の錯誤の処理:次の体系図は、次の定義を当てはめる。学説(ア)=保証人説、統一説(イ)=区別説、(A)=内容、(B)=根拠、(C1)=Ex.1、(C2)=Ex.2、(D)=批判(A)(ア)保証人的義務と地位を区別せず両者を一体として構成要件段階で考慮すべきである。(A)(イ)保証人的義務とそれを生じさせる前提となる地位と区別して、保証人的地位を構成要件要素、保証人的義務を違法要素と考えるべきである。(B)(ア)①両者は社会観念上一体として捉えられており両者を区別する困難が在る。②構成要件が本来持つ違法推定機能を十分認める。(B)(イ)保証人的義務は個別具体的実質判断を要し要件レベルで判断するのは類型的形式判断は要件に過当な重荷を負う。
刑法(13)19/01/28(C1)(C2)(ア)事実の誤認、(C1)(イ)事実の錯誤(C2)(イ)法律の錯誤。(D)(ア)不作為者が錯誤により義務を認識していない場合全ての故意が阻却される事になりかねない。(D)(イ)不作為犯中心が違法正論に置かれ、領域のみで論じ、以前の立場と異ならない。作為義務基礎付けする事実と作為義務そのものを区別するのは難しい。<作為義務の体系位置づけと作為義務の錯誤の処理手順>作為義務を構成要素段階で論ずるか はい→(1)作為義務を保証人的地位と義務に区別するか→はい(ア)区別説:→保証人的地位の錯誤、事実の錯誤、構成要件的故意否定、→保証人的義務の錯誤、法律の錯誤、構成要件的故意肯定。(1)作為義務を保証人的地位と義務に区別するか→いいえ(イ)統一説、規範的構成要件要素の錯誤、①意味の認識在るか→はい、構成要件的故意肯定①いいえ→構成要件的故意否定。作為義務を構成要素段階で論ずるか。いいえ→(2)違法性説、法律の錯誤、構成要件的故意肯定。
刑法(14)19/01/28間接正犯(1)意義:間接正犯は他人を道具として利用することによって犯罪を実現する場合。医師が殺意を持って有毒な薬物の入った注射器を知らない看護士に渡し患者に注射することを命令し結果患者を死亡させるなど。(2)倫理的根拠(ア)沿革:従来は自ら構成要件該当行為を違法有責に実行した場合にのみ此れに対する教唆犯、従犯の成立を認める立場をいう。(イ)正犯性からのアプローチ:共犯で無いものは正犯である理由により間接正犯を肯定し正犯性に積極的理由付け。道具理論:被利用者はピストル等と同様利用者の道具んじ過ぎないから利用者に正犯性をみとめるとが出来る。行為支配説:利用者は被利用者の行為を支配し犯罪実現に主たる役割を演じた支配者で在るので正犯性を認めることが出来る。実行行為説:間接正犯は直接正犯と同じように構成要件実現の現実的危険性を有する行為を行っているゆえに正犯となる。利用者の行為に主観的には実行の意思、客観的には利用者の行為を法益侵害に至らせる現実的な危険性が含まれている点に正犯性を認める。規範的障害説:被利用者は規範的障害が欠如しているので、利用者に正犯を認めることが出来る。(ウ)自手犯:行為者自身の直接の実行が必要で関節正犯の形態では犯すことが出来ない犯罪類型を言う。道路交通法の無免許運転など。
刑法(15)19/01/28(2)間接正犯の成立要件:①故意の他に他人を道具として利用しながらも特定の犯罪を自己の犯罪として実現する意思を持っている事など主観的要件。②行為者が被利用者の行為を道具のように一方的に支配利用し構成要件実現危険性を生じさせる事等客観的要件。(3)間接正犯の諸類型:(ア)=刑法j上行為といえないものを利用(イ)=被利用者が一定の構成要件を欠く場合(イ1)=その犯罪の故意を欠くものの利用(イ2)=その犯罪の故意のあるものの利用(ウ)=適法行為の利用(エ)=被害者行為の利用。(A)=行為でない他人の身体活動を利用する場合(B)=是非弁別能力を欠く者を利用する場合(C)=強度の強制下において構成要件を実現した場合(D)=被利用者の無過失失行為を利用する場合(E)=被利用者の過失行為を利用する場合。(F)=他の犯罪の故意ある被利用者を利用する場合(G)=目的犯の目的の無いものを利用する場合(H)=身分犯に於ける非身分者を利用する場合(I)=故意在る幇助行為の利用。(ア)(A):反射運動、睡眠中の動作の利用;。(ア)(B):幼児や高度精神病者の利用(ア)(C):手を押さえて文書に記入させた場合
刑法(16)19/01/28(ア)(C)物理強制、在る者が日ごろ逆らえば暴行を加え自己の意思のままに従えて12歳の養女に窃盗を命じ、行なわせた心理的強制。在る者にあたるものが刑法235条窃盗罪の間接正犯が成立、制限従属性説を採っても結論を導きゆる。(イ)(イ1)(D):事情を知らない他人に毒入りウイスキーを届けさせて人を殺す場合。(イ)(イ1)(E):医師が情を知らない看護師の不注意を利用して毒を注射させ患者を殺す場合。(イ)(イ1)(F):在る者が屏風の背後にいる別の者を殺す目的でそれを知らない第三者に屏風を撃つ事を命じ別の者を死亡させた場合。(イ)(イ2)(G):在る者が行使の目的を隠して 別の者に教材として偽札を作らせた場合(イ)(イ2)(G)は在る者は通過偽造罪刑法148条の間接正犯が成立する。(イ)(イ2)(H):公務員が妻に賄賂を受け取らせた場合(イ)(イ2)(I)在る者が覚醒剤販売者と直接顔を合わせたくないので第三者に販売者に売ってもらう場合。(イ)(イ2)(I):第三者は直接正犯であり、在る者は教唆犯であるとする 立場。(ウ)在る者が別の者を騙して 第三者に攻撃を加えさせ正当防衛を利用して 別の者が第三者を殺させる場合、刑法36条正当防衛
刑法(17)19/01/28(エ)在る者が追死する意思が無いにも拘らず、別の者に追死するものと誤信させ自殺させた場合。(1)単なる責任無能力者に過ぎない場合、取分け刑事未成年者に過ぎない者との利用は一般に一方的利用関係は認めにくいので教唆犯(刑法61条Ⅰ)とするべき。在る者が当時12歳10ヶ月の長男の別の者に第三者から金品を奪う事を指示命令した事案に於いて別の者は是非弁別の能力があり在るものの指示命令は別の者の意思を抑制するに足る程度でなく別の者が意思で臨機応変に犯行を完遂した在る者の間接正犯を否定。さらに在る者が自ら犯行を計画して別の者に犯行方法を教示し道具を与えるなどした上、金品を全て領得したと共に在る者は教唆犯でなく、共同正犯の成立を認めた。(是非弁別を欠くものを利用)(2)被利用者の在る者は過失犯を犯している以上規範的障害があるので別の者に間接製版は成立しない。(過失行為を利用)(3)飽くまでも正犯性を厳格に解し間接正犯を否定する立場は、別の者が通過偽造罪の教唆と在る者を同罪の幇助とする。(目的犯)(4)被告人が、被害者をして、被告人の命令に応じ車ごと海中に飛び込む以外の選択肢が無い精神状態に陥らせて車ごと海中に飛び込ませ自らを死亡させる現実的危険性の高い行為に及ばせた行為は殺人罪(刑法199条)の実行行為にあたるとして成立を認めた。
刑法(18)19/01/30(1)他の犯罪の故意あるものを利用す売る場合:利用者が実現しようとした構成要件につき被利用者に故意が無くそれ以外の構成要件が在る場合利用者に間接正犯は成立するか他の犯罪の故意の在る利用者に道具といえないものと思える問題がる。在る者が屏風の背後にいる第三者をを殺す目的で別の者に屏風を撃つことを命じ第三者を死亡させた場合、その在る者に殺人罪(刑法199条)の間接正犯は成立しうるか。他の犯罪の故意のある者を利用する場合。(A)=行為支配説(B)=実行行為説(C)=規範的障害説(ア)=間接正犯の成否(イ)=根拠(ウ)=その在る者の罪責。(ア)(C)②規範障害が認められた場合にのみ(ア)の間接正犯は認められない。此の場合在る者は教唆犯を認め間接正犯は成立しない。(イ)(A):利用者は被利用者の不知を利用して結果の実現を支配していたといえ間接正犯は成立する。(イ)(B):犯罪と知っている者も利用する場合でも直接性犯性の高い結果発生の確率のある状態を作り出しうるよって間接正犯は成立する。(イ)(C)①:被利用者には他の犯罪の限度で規範的障害があるに過ぎないよって間接正犯は成立しうる。(ウ)間接正犯が成立しない場合にのみ殺人罪の教唆犯となる。(イ)(A)(B)(C)①は殺人罪の間接正犯となる。
刑法(19)19/01/30実行行為説に対しては行為支配説の立場から利用者の行為が結果を発生させる事実的可能性ないし結果にそのまま繋がっていく確率的蓋然性は利用者の故意の在る犯罪を教唆した時以上のものにありえず、行為危険性基準に限り利用者正犯性を理由付け出来ない。日頃から暴行を加えて自己の意のままに従わせていた12歳の養女に窃盗を行わせたものは自己の日頃の暴言に畏怖して意思を抑圧されている同女を利用して窃盗を行なったと認mr、同女が善悪の判断力を有する者であっても窃盗罪刑法235条の間接正犯の成立。(2)身分の無いものの利用(身分なき故意在る道具):身分犯において身分の無いものの故意行為を身分者が利用した場合、利用者に間接正犯が成立するか。利用者は事情を十分と知っており間接正犯と成りえないとも思える問題。公務員の在る者が、別の者の妻に賄賂を受け取らせた場合、在る者に収賄罪(刑法197条~)の間接正犯が成立するか、妻の別の者は公務員と言う身分のかけている以上別の者の妻はの行為は収賄罪の構成要件に該当しない。(ア)結論(ア1)(ア2)(A)=収賄罪の間接正犯(ア3)(A)=収賄罪の従犯(ア1)(B)=一方的支配関係(ア2)(C)=収賄罪の間接正犯(ア3)(B)=収賄罪の従犯、(ア1)(C)=協力様態の場合(ア2)(ア3)(C)=収賄罪の共同正犯
刑法(20)19/01/30(ア1)(ア2)(D)=収賄罪の教唆犯(ア3)(D)=収賄罪の従犯(イ)根拠(イ)(A)=身分犯に於ける法規範は身分者に対して向けられているから日身分者を利用する行為は規範的障害を欠くものの利用である。(イ)(B)(C)=①身分者が非身分者を一方的に支配する関係にある場合には間接正犯の成立を認める。②異なる場合に利用者に教唆犯の成立を認めるのは正犯無き共犯を認めることになり利用者、被利用者共に共同正犯で処罰すべき。(イ)(D)=利用者は賄賂罪に関する事情を十分に知っている以上”道具”とはいえない。(ウ)(A)=(A)に於いては刑法65条Ⅰの共犯に共同正犯は含まれないとする立場を出発点とすっる見解が多い。(ウ)(B)(C)=非身分者には実行行為を観念し得ない以上、共同正犯の成立は認められない共犯に含まれないとする批判が在る。(ウ)(D)=正犯無き共犯を認める事は妥当でないとの批判が在る。(ア)-(ウ)、(A)-(D)の体系図。
司法書士刑法 学科Ⅲ 罪状の合否
刑法総論(1)19/10/13一事不再理の原則は在る事件の判決確定の場合同一事件については再び公訴提起を許さない原則を言う。憲法39条:何人も実行時違法であった行為または概ねに無罪とされた行為については刑事上の責任を問われない同一犯罪は重ねて刑事上責任を問わない。罪刑法定主義は犯罪と刑罰は予め成文の法律より明確に規定されていることを要する原則である。罪刑法定主義から派生原理は慣習刑法排除、刑罰法寄付遡及、類推解釈の禁止絶対的不確定刑の禁止刑罰法規適正の原則が導かれる。(判1)犯罪と刑罰は法律の形式に依って明文で規定されなければ成らない。慣習や条理を法源とすることを禁じる。刑罰法規解釈や違法性の判断に関し慣習条理を考慮することは許される。(判2)刑罰法規は施行時以降犯罪にのみ適用され施行前の行為を遡らない(判3)異なる二つの事柄の間に共通するする要素を「見出し一つの事柄に当てはまるこ事は他の事柄にも当てはまると推論し解釈を禁ずる。(判4)刑の内容ないし期間を全く定めない刑罰の禁止(判5)形式内容が適正で明確性、内容の適正がある明確性の原則は刑罰法規の内容は具体的且つ明確に規定される。内容適正の原則とは法規に定められる犯罪刑罰は当該行為を犯罪とする合理的理由のあり犯罪に均衡した適正でなければ成らない。
刑法総論(2)19/10/13刑法4条:①看守等に因る逃走援助と未遂②偽造文書作成③公務職権濫用、特別公務員暴行稜虐④収賄受託、事前、第三者共賄加重、斡旋収賄、特別公務員職職権濫用等致死傷。(判1)外国公務員に賄賂を贈っても日本国公務は害されない保護主義に基づく。(判2)日本船舶または日本航空機内で行われた犯罪は主体が何人であれ日本国刑法が適用される。刑法1条Ⅰ:日本国内の罪を犯したものⅡ:国外日本船舶日本航空機で罪を犯したものも刑法1条Ⅰ。属地主義、旗国主義が在る。(判3)日本国民が刑法3条に①~⑰に規定する外国領地で重要な犯罪を日本国外で犯した時は日本国刑法が適用される属人主義殺人罪を以ってしても属人する。(判4)自国または自国民の法益を侵害する犯罪に対し国籍犯罪地を問わず全てに日本国刑法が適用され保護主義刑法3条する。紙幣偽造等は148条、刑法2条④にて外国人に適用する。刑法2条④全ての国外犯:148条の罪および未遂罪。(判5)日本国外に於き日本国民に対して殺人等の生命身体に対する重大な罪を犯した日本国民以外の者に日本国刑法を適用する消極的属人主義。国民以外の国外犯刑法3条-2②:殺人罪および未遂罪。
刑法総論(3)19/10/13(判1)処罰阻却時由とは例えば親族間の犯罪に対する特性の刑法244条Ⅰ窃盗、不動産侵奪の免除のように一定の時由が存在するために刑罰権の発生が妨げられる場合を言う。犯罪成立前提に刑罰を科さないとし犯罪成立と関係ない。(判2)構成要件該当性は在る行為が刑法各本条その他刑罰法規に規定される犯罪構成要件に該当することを言う。刑法199条の構成要件は人を殺した事であるから甲が殺意の意思をもって乙にナイフで切りかかれば殺人罪の構成要件該当性が認められる。(判3)違法性は行為が法律に違反すること。刑法は違法行為を類型化したものであり構成要件に該当する行為がされれば当該行為の違法性が推定されるので刑法は例外的に正当行為刑法35条、正当防衛36条Ⅰ、緊急避難37Ⅰなどの阻却時由を規定する。(判4)責任は構成要件に該当する違法行為に付き行為者を非難することを言う。構成要件に該当する違法行為してもその行為者を非難することが出来なければ、犯罪として刑罰を科す事ができない。責任無ければ刑罰無しという責任主義の原則を根本原理とする。故意、過失、期待可能性などがあり、刑法は責任が阻却される時由として責任阻却時油は心神喪失者刑法39Ⅰ、刑事未成年者41条を規定している。
刑法総論(4)19/10/13(判1)真正不作為犯は始めから不作為の形式で構成要件が規定されている犯罪を言う。多衆不解散罪刑法107条や不退去罪130条等が在る。(判2)不真正不作為犯が成立するには構成要件該当作為と法的に同価値の作為義務違反が必要。(判3)他人犯罪行為認識しかがら法律上義務違反して放置しその犯行を容易にした者は不作為に依る幇助犯が成立する。デパート警備員甲が商品を盗んでいる男を発見したが友人乙である為見逃した場合甲には窃盗罪の幇助罪刑法62条Ⅰ、235条が成立する。(判4)不真正不作為犯の作為義務は行為者結果発生防止すべき法律上行為義務で無ければ成らない。法律上の作為義務は法令、契約・事務管理、慣習・条理等が在る。(判5)不真正不作為犯が成立する為には作為が可能であり容易である事が必用であり作為可能であっても容易であると言えない場合は不真正不作為犯は成立しない。法は人に不可能を強いるものではないから母親甲は川で溺れている自分の子供乙を発見したが泳げなかった為助ける事子が出来なかったその結果乙が溺死して甲には保護者責任者遺棄致死罪刑法219条は成立しない。
刑法総論(5)19/10/13(判1)家族外出中に甲の排他的支配は過失により出火し先行行為火災を発見した時点では容易に消火できる状況でなかったことから甲は作為の可能性、容易性の消火活動が無いので甲には不作為に依る現住建築物放火罪の刑法108条は成立しない。(判2)他人の犯罪行為を認識しながら法律上の義務に違反して是を放置しその犯行を容易にしたものは不作為に依る幇助犯が成立する。然し丙近所の子供というだけでは甲には法的義務は生じないので不作為依る傷害罪の幇助犯刑法204条、62Ⅰは成立しない。(判3)母親甲には自分の乳児乙に対する法規の規定に基づく監護義務の民法820条が在るにも拘らず乙に授乳しないで餓死させた事は作為に因る殺人と同価値といえるので甲には不作為に依る殺人罪刑法199条が成立する。(判4)売主甲は買主乙に対し土地に抵当権設定がされている事実を告知すべき法律上である信義側上の義務が在るから事実告知をせず、無担保の土地と誤信している乙に売却した場合甲に不作為に依る詐欺罪の刑法246条が成立する。(判5)医師甲は患者乙との間の契約により作為義務を負うから殺意を以って必要な医療措置を施さないまま放置させて乙を死亡させたので甲は不作為に依る殺人罪刑法199条が成立する。
刑法総論(6)19/10/13(判1)利用者が被利用者の行為を利用する時、その行為が一定構成要件を欠く時は間接正反と成りうる通過偽造罪刑法148条は行使の目的で貨幣等を偽造することによって成立し学校教材に使用する者と誤信して通貨を偽造した乙には行使目的が欠け乙に成立する(判2)殺人罪刑法199条は殺意の故意を以って人を死亡させた時に成立する。従って毒入りウイスキーである事を知らない郵便局員丙には殺人の故意に欠けるから丙を利用して乙を殺害した甲は間接正犯が成立する。(判3)収賄罪の刑法197条は公務員が賄賂を収受等することによって成立し非公務員である妻には公務員としての身分が欠けるからその様な妻乙を使用して賄賂を収受させた甲には収賄罪が成立する。(判4)被利用者の精神状態が未成熟無いし精神障害の為犯罪に対する規範意識を持ち得ない者を利用する時、間接正犯が成立する。高度精神病者で是非弁別能力を欠く乙を利用して盗みをさせた甲には刑法235条窃盗罪の間接正犯が成立する。(判5)(判4)に対し事理弁識能力が十分でない10歳の乙であっても自己行為が悪いものであると認識を持つ事は可能である。乙を利用して盗みをさせた甲には窃盗罪の間接正犯は成立しない。乙が窃盗罪の正犯となり甲はその教唆罪刑法61条Ⅰとなる。
刑法総論(7)19/10/13(判1)甲が自動小銃誤射により乙被害者に瀕死重傷を負わせた行為者が被害者が苦しんでいるのを見て哀れに思い射殺した場合殺人と因果関係が関係ない。甲には業務上過失死傷罪は認められず其れの併合罪刑法45条の殺人罪、業務上過失致死罪の両方が成立する(判2)行為者の加えた暴行から逃げ出した被害者が誤って転倒し負傷した場合暴行と傷害結果の因果関係が認められる。甲に傷害罪刑法204条が成立する。(判3)行為者甲の暴行によって被害者乙死因と成った傷害が形成されその後第三者によって加えられた暴行により被害者乙の死期が早められた場合行為者暴行と死亡結果との間に因果関係が認められる。甲には傷害致死罪刑法204条が認められる。(判4)行為者甲は乗用車のトランク内に被害者乙を入れ監禁し道路上に停車したところ後方から自動車を衝突した事によりトランク内に居た被害者乙が死亡した場合、監禁行為と死亡結果の因果関係が認められる。甲には逮捕等致死罪刑法221条が成立する。(判5)行為者甲が行為の当時被害者乙の脳梅毒により高度の病的変化という特殊の事情を知らず、予測も出来なかったとしても暴行行為が特殊事情と相俟って致死の結果を生じさせた場合その間には因果関係が認められる。甲は傷害致死罪刑法205条が成立する。
刑法総論(8)19/10/13(判1)必然の故意は結果発生自体不確実で発生するかもしれない事を表象容認する。甲が乙の側に居る野鳥を捉える目的であり乙に銃弾が当たって死亡しても構わないとして発砲した場合認識過失は過失に犯罪意識に表象容認を欠いている。甲が狩猟の腕前に自身を持っていたので野鳥側に居る乙に当たる事は無いと思って野鳥に発砲したところ乙に当たり死亡させた場合必然の故意として具体例として掲げられているのは認識の在る過失の具体例であり正しくない。(判2)確定的故意とは犯罪実現の結果発生を確定的なものとして表象容認する事を言う。甲が乙を殺害する目的で乙に向かって発砲した場合である。概括的故意とは結果発生は確実で在るが客体の固体および客体化を不確実に表象容認する事を言う。甲が群集に向かって発砲した場合である。択一故意とは数個の客体のどれか一つに結果発生確実で在るがどの客体に発生するか不確実に表象容認する事を言う。甲が乙、丙のどちらかに命中させる為に両者に向けて発砲した場合である
刑法総論(9)19/10/13事実錯誤は行為者認識事実を現実発生した事実が一致し無い事を言う。行為者認識事実と現実発生した事実の結果とが一致しない場合発生事実に故意が認められるかどうか行為者の認識事実と現実に発生した事実が同一要件範囲内符合していれば故意を阻却しない。(判1)異なる構成要件間の錯誤の内の方法の錯誤の問題で在る。殺人罪刑法199条と器物損壊罪261条は構成要件重なりが認められず過失に因る器物損壊罪は成立しないので甲には器物損壊罪は成立しない。甲は乙に殺害する意思で発砲して飼い犬にあたる。(判2)同一構成要件錯誤内に客体の錯誤の問題であり、客体の錯誤の場合は故意を阻却しないので甲は丙に対する殺人罪が成立する。(判3)同一構成要件錯誤内法錯誤問題であり方法の錯誤の場合は故意を阻却しないので甲は丙に対する殺人罪が成立する。(判4)甲は乙を溺死させる為に橋から突き落とし橋げたに当たり死亡した。後逸構成要件の錯誤内の因果関係の錯誤の問題であり、方法の錯誤の場合は故意を阻却しないので乙に対する殺人罪が成立する。(判5)異なる構成要件間錯誤内客体錯誤の問題であり、異なる構成要件間の場合は原則故意を阻却するが構成要件の重なりが認められる場合はその重なりの限度で故意を阻却しない。窃盗罪刑法235条と遺失物横領罪254条は甲は遺失物横領罪が成立する。
刑法総論(10)19/10/13(判1)業務上過失致傷罪は注意怠り傷害させたことに成立する刑法211条甲の行為はその構成要件に該当するが甲は後方から来る車両運転手が交通規則を守り速度を落とし自車の右折を待って進行する等安全速度方法進行を信頼し運転で業務上過失致傷罪不成立。(判2)暴行罪は暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかった時により成立する刑法208条暴行罪は故意犯であり過失によっては成立しない。甲が不注意で乙に暴行を加えた場合。(判3)過失傷害罪は過失により甲を傷害したことにより成立する刑法209条Ⅰ甲には過失傷害罪が成立する。甲が乙を不注意で怪我させた場合。(判4)過失致死罪は過失により人を死亡させたことにより成立する刑法210条甲に過失致死罪が成立する。甲が不注意で乙たを死亡させた場合。(判5)失火罪は失火により現住建物等放火に規定する物等焼損したことに依って成立する刑法116Ⅰ。失火とは過失により出火させる事を言う甲には失火罪が成立する。甲が不注意で乙宅を焼損した場合。
刑法総論(11)19/10/16(判1)期待可能性は甲維持存在具体事情下において行為者適法行為を期待しうる事を言う。期待可能性が無い場合は犯罪の事実の認識が在り違法性の認識が在っても責任が阻却される。(判2)法令に因る行為は罰しない刑法35条法令自体に依って認められる行為であり違法性阻却し適法とする。(判3)急迫不正侵害に自己または他人の権利を保護する為止む得ずした行為は罰しない刑法36条Ⅰ正当防衛は侵害に防衛行為であり違法性阻却。(判4)自己または他人の生命身体自由または財産に現在の危難を避ける為に止む得ずした行為は避けようとした害の程度を超えない限り罰しない刑法37条Ⅰ緊急避難が不可罰とされる根拠は明らかに違法性阻却時由と言えないのではない。(判5)被害者の承諾とは法益の主体である被害者がその法益の侵害に承諾または同意を与える事を言う被害者承諾により構成要件該当性が阻却される場合住居侵入罪や窃盗罪など違法性が阻却される場合傷害罪暴行罪がある明らかに違法阻却と言えない。
刑法総論(12)19/10/16(判1)被害者の承諾は甲維持に存在していることが必要であり事後にされた承諾は犯罪の成否に影響を及ぼさない。(判2)被害者の承諾とは法益の主体である被害者がその法益に対する侵害に承諾または同意を得る事を言い処分可能な個人的法益に関する承諾である事を要する。(判3)承諾権を有する被害者自身に因る承諾である事を要する。他人は被害者の法益に対する侵害に承諾または同意を与える事ができないからである。(判4)承諾能力を有する者の真意に基づく承諾である事を擁する。承諾が真意であれば承諾を与えてた動機が不法であっても必ずしも承諾に基づく好意が犯罪性を阻却しないわけではない。(判5)承諾がある事を認識して行われた事を要する。主観的正当化要素の行為者の主観的認識存在により適法化される要素として必要とされる。
刑法総論(13)19/10/16(判1)住居侵入刑法130条は住居平隠ないし住居権保護法益とし被害者の承諾により住居侵入罪の構成要件該当性が阻却される。窃盗罪刑法135条は他人の財産を保護法益とし被害者承諾により窃盗罪の構成要件は阻却される。(判2)傷害罪刑法204条の保護法駅は人の身体安全であり被害者の承諾があっても構成要件該当性は阻却されず違法性が阻却されるに過ぎない。横領罪刑法252条は個人の財産を保護法益とするので被害者承諾を以って横領罪構成要件該当性が阻却される。(判3)殺人の場合は被害者の承諾が在っても犯罪性が阻却されない殺人罪継法199条より刑の軽い同意殺人刑法202条が成立する堕胎罪の場合も被害者の承諾が在っても犯罪は阻却されず不同意堕胎刑法215条により刑の軽い同意堕胎罪刑法213条が成立。(判4)13歳未満の女子の姦淫(かんいん)について承諾能力が無いので同女の承諾を得て姦淫しても強姦罪刑法177条が成立する虚偽告訴罪刑法172条は一時的に国家刑事司法作用の適正運営保護法益とし被害者の承諾を得虚偽告訴しても虚偽告訴罪が成立。
刑法総論(14)19/10/16(判1)正当防衛刑法36条Ⅰは急迫の不正侵害に自己または他人権利を防衛する事により成立し防衛する為とは防衛行為が客観的に侵害行為に向けられた者で在るだけでは不十分であり被害者主観的に防衛意思を持つ必要。(判2)正当防衛刑法36条Ⅰの急迫とは法益侵害の危険が目前に迫っている事を言う。過去の侵害に対しては正当防衛は成立し得ない。(判3)正当防衛刑法36条Ⅰの不正とは違法性の意味で在る。この不正とは人の違法行為に限るから自然現象や動物による侵害に対しては正当防衛は成立しない。(判4)正当防衛刑法36条Ⅰの止む得ずにした行為とは防衛行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有する事を言い防衛行為が侵害を排除する為の唯一の方法である事を要しない。(判5)正当防衛刑法36条Ⅰは急迫の不正の侵害に対して自己または他人の権利を防衛する為に行われた場合に成立する正当防衛は自己の権利を保護する場合だけでなく他人の権利を保護する為であっても成立する。
刑法総論(15)19/10/16(判1)正当防衛刑法36条Ⅰは過去の侵害に対して成立せず被害が事実上経過した後に行う法益の回復行為は正当防衛とならず自救行為の問題となる(判2)正当防衛刑法36条Ⅰは急迫不正侵害に自己または他人の権利を防衛する為に行われた場合に認められる。(判3)正当防衛刑法36条Ⅰの不正とは違法の意味であり不正とは人の違法南行為に限られる。自然現象や動物に因る侵害は不正と言えない。甲が自己の身体を守る為に乙の飼い犬を殺害しても正当防衛は成立しない。甲は緊急避難刑法37条Ⅰが成立する。買主乙の故意や過失により乙の飼い犬が襲ってきた場合は乙に依る不正の侵害といえるので是を殺害するれば甲に正当防衛が成立する。(判4)正当防衛刑法36条Ⅰの止む得ずにした行為とは防衛行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有する事を言い。防衛行為が侵害を排除する為の唯一の方法である事を要しない。甲は逃げる事が出来ても乙を突き飛ばして怪我を負わせた時は正当防衛成立。(判5)正当防衛刑法36条Ⅰにいう防衛行為は防衛の意思を以って成される事が必用で在るが相手の加害行為にたいし憤激または逆上して反撃を加えても防衛の意志は欠かない。緊急状態の下では冷静判断基づく要求が酷だからである。
刑法総論(16)19/10/16(判1)緊急避難刑法37条Ⅰは自己または他人の生命身体自由または財産に対する現在の危難を避ける為に認める。緊急避難は自己法益だけでなく三者法益を保護する場合にも認める。(判2)緊急避難刑法37条の危難の発生原因の如何を問わないから緊急避難は人の行為に依るものの他自然現象動物動作に因るものでも成立する。(判3)緊急避難刑法37条Ⅰは自己または他人の生命身体自由または財産に対する現在の危難が在る場合に認められる緊急避難の被侵害法益の対象を個別的に列挙しそれ以外名誉や貞操などの個人的法益も含まれる。(判4)緊急避難の刑法37条Ⅰの止む得ずした行為と避難行為がその危難を避けるための”唯一の方法”であって他に採るべき方法が無い事を言う。第三者法益を侵害せず他に避難の方法が在った場合は緊急避難は許されない。(判5)緊急避難刑法37条Ⅰが成立するには非難行為により生じた害が避けようとした害の程度を超え無い事を要する価値の小さい法益を救う為に価値の大きい法益を侵害する場合には認められない。
刑法総論(17)19/10/16(判1)緊急避難警報37条Ⅰの危難は発生原因を問わない。人の行為に因るものの他自然現象動物動作であっても成立し甲が豪雨の危難から自己所有の稲苗を保護する為に乙の板堰破壊する事は止む得ずした行為といえ甲に緊急避難成立する。(判2)緊急避難刑法37条Ⅰは自己または他人の生命身体自由または財産に対する現在の期間が在る場合に認め甲は監禁と言う身体の自由に対する現在の危機を避ける為に丙所有の別荘の窓ガラスを壊したから甲は緊急避難成立する。(判3)緊急避難刑法37条Ⅰの成立は止む得ずした行為で無ければ成らない。吊橋の腐朽が甚だしく落下危険状態に在ったとしてもその棄権を防止する為に通行制限教科か適当な手段方法が在り得た以上爆薬破壊は緊急避難は成立しない。(判4)緊急避難刑法37条Ⅰが成立するには非難行為により生じた害が避けようとした害の程度を超えない事を要し甲は自己身体に対する傷害の危険を避けるため其れよりも法益の大きな生命を侵害しては緊急避難は不成立。(判5)緊急避難刑法37条Ⅰが成立する為には止む得ずした行為でなければ成らない。甲は救急要請とかタクシー呼ぶなど対処し子供を病院へ連れて行くことが出来たのであり他にとるべき方法が在るから甲は止む得ずした行為といえず緊急避難不成立。
刑法総論(18)19/10/16(論文)窃盗罪とは現金の入っている箪笥に近づいた時点で犯罪性が成立する。実行の着手とは犯罪の実行行為を開始することを言いその有無は原則として不可罰な予備罪と可罰的な未遂罪を区別する機能をもち一般的には犯罪構成要件結果の法益侵害が発生する危険性の存ずる行為開始したおtきに実行の着手があるとしている。具体的に言えば当該犯罪の構成要件行為の性格客体特徴など個別的かつ具体的な事情を総合的に考慮して判断する事になる。窃盗罪刑法235条は他人の占有する財物を窃取する事で成立する犯罪窃盗罪に於ける実効着手時期について他人の財物に対する事実上の支配を犯すに付き密接な行為をした時に初めて認められ占有侵害行為を開始した事は必要ないとしている。住居侵入窃盗の場合窃盗目的で住居侵入しただけでは現金に対する事実上支配侵害危険行為と言えず窃盗罪の実行着手は認められない。箪笥の中に在る現金を窃取する為に近づいた時にはその危険性が在るので実行着手が認める事が出来る。占有を取得した時点で概遂となるとしている。
刑法総論(19)19/10/16(判1)中止犯刑法43条は犯罪を中止した事を要件とし中止行為結果不発生との間に因果関係を必要とする。中止犯は予備罪が認められない。(判2)中止犯刑法43条は広義の未遂犯罪の一種なので中止行為によって現実に結果発生を防止できた事が必要であって中止行為を行ったにも拘らず結果が発生してしまった場合は中止犯は認められない。(判3)中止行為は必ずしも犯人が単独で行う必要ないが他人の助力を受けたときは少なくとも犯人自身が防止に当たった場合に同視するに足りる程度の努力を払って結果の発生を防止する必要が在る。(判4)中止犯刑法43条の自己の意思により中止の任意性は外部的な障害に因らず中止の決意が自発的なものである事を言う。悔悟による場合任意肯定され恐怖驚愕に因る場合否定される。(判5)中止犯刑法43条は犯罪を中止した事を要件としており中止行為と結果不発生の間に因果関係を必要とする。
刑法総論(20)19/10/16(判1)中止犯刑法43条の自己の意思により中止の任意性では外部的な障害に因らず中止の決意が自発的なものである事を言う。そして悔悟によって犯罪を中止する場合は中止任意肯定される。甲が乙を殺そうとして中止した刑法199条殺人罪中止犯成立する。(判2)中止犯刑法43条は広義の未遂犯の一種なので犯罪の実行に着手している事が必要であり実効に着手する前の段階の予備には中止犯は認められない。甲は強盗に刃物を持ち捨て引き返した。強盗予備罪刑法237条は認められない。(判3)中止行為は必ずしも犯人が単独で行う必要ないが他人の助力を受けたときは犯人自身が其の防止に在った場合と同視出来る程度の努力を払い結果の発生を防止する必要があり放火者は消火活動しないので現住建造物等放火罪刑法108条の中止犯不成立、(判4)中止犯刑法43条は広義の未遂犯の一種なので中止行為によって現実結果発生を防止できたか必要であり中止行為を行ったが結果発生した場合中止犯は認められない。窃盗者が財布を自己のポケットに入れた時に窃盗罪刑法235条は概遂となり成立しない。(判5)中止犯刑法43条は中止行為と結果不発生との間に因果関係を必要とし甲が乙に飲ませた酒の中に毒が致死量に程遠く生命の危険は無く甲の中止行為と乙の死亡の不発生との間に因果関係が認められない。甲は殺人罪継法199条の中止犯は成立しない。
刑法総論(21)19/10/18(判1)片面的共同正犯は二人以上の者に共同実行事実が認められ意思が一方にのみ存在し他方の共同者に存在し無い事を言う。成立する為には二人以上の者が共同して犯罪を実行する意思の共同実行意思、共同実行事実が必要である。(判2)共謀共同正犯は二人以上の者が犯罪を共謀して其の内一部の者が共謀に基づき犯罪を実行の場合その実行に加わらなかった他の共謀者も共同正犯となる事を言う。(判3)過失犯の共同正犯は二人以上の者が共に過失により犯罪を実現する行為を言って過失犯の共同正犯の成立を認める。(判4)予備罪の共同正犯は二人以上の者が意思の連絡の下に予備行為を共同して行う事を言って予備罪の共同正犯を認める。(判5)不作為の共同正犯とは二人以上の者が不作為に依る実行行為を共同して行う事を言って不作為に依る共同正犯の成立を認める。
刑法総論(22)19/10/18(判1)共同行為者の一方に共同実行の意思が在るに過ぎない時は共同正犯は成立しない甲および乙に強姦罪共同正犯刑法177条、60条は成立しない。幇助犯が成立する刑法177条、62条Ⅰ。(判2)予備行為も実行行為と言えるので予備行為共同実行意思の下に共同で行った場合予備罪の共同正犯が成立する。毒物用意して殺人しなかった。甲および乙に殺人予備罪共同正犯刑法201条、60条が成立する。(判3)共謀に基づき犯行現場で見張りしただけでも共同正犯となる。甲見張り、乙の丙に自動二輪を盗む。甲、乙に共謀共同正犯が成立する刑法235条、60条。(判4)不作為犯は作為義務違反に不作為が実行行為となり共犯者が共同実行意思の下に相互に利用補充し合って実現する時は共同正犯となる。作為義務無き者も作為義務を有す者と共同して作為義務違反の不作為実現可能。乳児を餓死。不作為殺人罪共同正犯成立。(判5)過失共同正犯は二人以上の者が共に過失により犯罪を実現する事によって成立。共同注意義務が課される甲と乙が不注意で腐敗食べ物出し丙を食中毒で病院入院させた場合は甲と乙に業務上過失致傷罪の共同正犯刑法211条、60条が成立する。
刑法総論(23)19/10/18(判1)教唆判刑法61条Ⅰは被教唆者の正犯に特定犯罪実行決意させそれに基づいて犯罪実行させる犯罪であり、被教唆者が実行行為に出なければ教唆犯は成立しない。(判2)教唆行為は日時場所方法の具体性細部にわたる指示は必要ではない。しかし犯罪しろ、窃盗しろと言うように漠然と一般を唆するだけでは教唆犯は成立しない。(判3)教唆は犯罪実行意思の無いものに対して特定犯罪実行を決意させる事を言うので被教唆者の正犯犯罪の決意は教唆行為によって生じた事が必要。(判4)教唆行為と被教唆者の正犯の実行行為との間には因果関係が必要で在るので被教唆者が実行行為に出てもそれが教唆行為とは無関係の場合教唆判刑法61条Ⅰは成立しない。(判5)教唆者を教唆する事を間接教唆と言って間接教唆を行った者にも教唆犯が成立する刑法61条Ⅱ。
刑法総論(24)19/10/18(判1)教唆者を教唆する事を間接教唆と言い間接教唆実行者も教唆犯が成立する刑法61条Ⅱ、甲は乙に丁殺害教唆したが乙が実行せず丙が実行した。甲には殺人罪の教唆犯刑法199条、61条Ⅱが成立する。(判2)教唆犯刑法61条Ⅰは被教唆者の正犯に特定犯罪実行を決意させそれに基づいて犯罪を実行させる犯罪で在るので教唆者が実行行為に出なければ教唆犯は成立しない。甲は乙に丙自宅で窃盗教唆し乙は丙の防犯厳重で断念。甲に窃盗犯教唆罪成立しない。(判3)教唆犯刑法61条Ⅰの教唆は犯罪を実行する意思の無いものに対して特定犯罪実行を決意させる事を言い既に特定の犯罪実行を決意している者に対してそれを知らずに犯罪を実行するように働きかけた場合は成立しない。この場合殺人罪の幇助犯が成立。(判4)教唆犯が成立するには教唆行為と被教唆者の正犯実行行為との間に因果関係が必要であり、甲が乙に丙自宅で強盗教唆し乙は丙自宅に赴き家に入ることが出来ず断念し新しい日に丙自宅に強盗した。甲との間に因果関係が認められず甲は強盗罪教唆は不成立。(判5)教唆行為は日時場所具体的方法等細部指示は必要ではない。犯罪しろ、窃盗しろと言う様に漠然と犯罪一般を唆するだけでは教唆犯は成立しない。甲が乙に問題犯罪を教唆したところ乙は電車を爆撃した。甲は汽車転覆等致死罪刑法126条Ⅲ教唆は不成立。
刑法総論(25)19/10/18(判1)幇助故意は正犯実行行為認識幇助意思があれば足り幇助者と正犯者の間に相互的な意思連絡は必ずしも必要ではない。幇助行為は実行行為以外行為により正犯実行項をを容易にする事を言い幇助者一方的意思によってもする事が出来る。物理的幇助。(判2)正犯が犯罪を実行しなければ幇助は成立しない。刑法62条は正犯を幇助したと規定され正犯の存在は少なくとも正犯が事項を言うをしている事を必用としているからである。共犯従属性説、(判3)幇助は正犯実行行為を容易ならしめる事を言い幇助行為時期は正犯の実行行為終了前で無ければ成らず正犯終了後は幇助は成立しない。事後従犯。(判4)幇助犯を更に幇助する事を間接幇助と言う。間接幇助は明文規定が無く正犯間接幇助により正犯の実行行為容易にしたと言える場合は幇助犯が成立する。(犯5)幇助犯が成立するには幇助行為と正犯実行行為の間に因果関係が必要である幇助行為によって正犯実行行為が物理的心理的に容易になったと言う関係が認められれば足りる。
刑法総論(26)19/10/18(判1)幇助犯が成立するには幇助行為と正犯実行行為の因果関係を必用とし幇助によって正犯の実行行為が物理的心理的に容易になったという関係が認められれば足りる。甲が銀行見取り渡しても乙は知らず強盗した。甲の幇助行為によって乙が容易に成立しない。(判2)幇助行為時期は正犯の実行行為の終了前で無ければ成らず正犯の終了後に於いて幇助犯は成立しない事後従犯。甲は乙が窃盗を終了した後に関与している。甲には窃盗罪の幇助犯刑法235条、62条Ⅰは成立せず、甲は犯人隠避罪刑法103条が成立する。(判3)幇助の故意が認められるには正犯実行行為認識し是を幇助する意思が在れば足り幇助者と正犯者との間に相互的な意思連絡は必ずしも必要ではない片面的幇助。甲は住居侵入窃盗罪の幇助犯刑法130条、235条、62条Ⅰが成立する。(判4)正犯を間接に幇助する事により正犯実行行為を容易したと言える場合には幇助犯は成立する。甲は乙に拳銃を渡す事により丙の丁殺害実効行為を容易にしたといえる。甲に殺人罪の幇助犯が成立する。(判5)幇助犯刑法62Ⅰが成立するには幇助者が正犯を幇助する意思で幇助行為を行いそれに基づき正犯が犯罪を実行する必要が在るが正犯は処罰認否は問わない。乙が刑事未成年の為に処罰されない時でも刑法41条、甲に強盗罪刑法23条j6の幇助犯刑。
刑法総論(27)19/10/18(判1)暴行罪刑法308条は暴行を加えた人が傷害するに至らなかった事によって成立する。暴行とは人の身体に対する物理力の行使を言うがこの物理力は身体に直接接触する必要は無い。人を驚かす目的でその数歩手前を狙って投石する事や刀剣を振り回す行為。(判2)傷害罪刑法204条は人の身体を傷害する事によって成立する。補との生理的機能障害与える事を言う。(判3)傷害罪刑法204条の傷害方法は有形的行為の暴行の他無形的方法の脅迫などに因るものを含む。(判4)傷害の故意で暴行を行ったところ暴行の結果に留まった場合は傷害罪には未遂罪の規定が無い為に暴行の規定によって処罰される事に成る。(判5)暴行罪刑法208条の暴行とは他人の身体に対する整理力の行使を言い其の性質上傷害を生じさせることを必要としない。人に対してタンやツバを吐きかける行為は暴行となる。
刑法総論(28)19/10/18(判1)傷害罪刑法204条は人の身体に傷害をする事によって成立する。本罪の傷害は人の生理機能に障害を与える事を言う。甲がバリカンを使って乙の頭髪を丸刈りにする事は生理的に障害を与えたと言えず傷害罪は成立しないこの場合は甲に暴行罪が成立する。(判2)傷害罪の故意で暴行を行ったところ暴行と結果に留まった場合は傷害罪には未遂処罰規定が無い為暴行罪の規定によって処罰される。甲は乙に石を投げた。甲には暴行罪が成立する。(判3)暴行罪刑法208条は暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかった事によって成立する。暴行とは人の身体に物理力の行使。物理力の行使は殴る蹴る引っ張る等の行為の他音、光などの行使も含まれる甲が乙の耳元で拡声器を使って叫ぶ事は暴行になる。(判4)暴行罪刑法308条の暴行は身体に直接加えられなくても傷害の結果を発生させえる具体的危険を生じさせる行為であれば足りる。甲が乙を脅かす為に足元の近くに石を投げる事は暴行に当たり暴行罪208条が成立する。(判5)傷害罪刑法204条の傷害とは人の生理的機能に障害を与える事を言う。そして傷害の方法には有形的方法でも無形的方法でも良い甲が嫌がらせ電話を続けるという無形的方法によって乙をノイローゼに陥らせた場合甲には傷害罪が成立する。
刑法総論(29)19/10/18(判1)不法退去罪刑法130条は住居等に適法にまたは過失により立ち入った者が其の後住居権者から退去の要求を受けたにも拘らず其の場所から退去しない事によって成立する。住居侵入罪が成立した以上は別個に不退去罪は成立しない。(判2)住居侵入罪刑法130条の住居は日常生活に使用する為に人が占有する場所を言い必ずしも法律上の権限に基づいて占有している事を必用ではない。(判3)住居侵入罪刑法130条の建造物は住宅邸宅以外の家屋および塀等で囲われた附属地帯を言う。官公署、学校、事務所、神社、寺院、工場が建造物に当たる。(判4)刑法130条は正当な理由が無いのに人の住居や人の看守する邸宅建造物若しくは艦船に進入する事により成立する。保護法益に事実上の住居の平穏であるとする見解と住居に誰を立ち入らせ誰の滞留を許すかを決定する自由だとする見解新住居説がある。(判5)住居等侵入罪等罪刑法130常の人の住居とは、他人の住居を言い共同生活から離脱した場合共同生活していた住居は他人の住居に当たる。
刑法総論(30)19/10/18(判1)不退去罪刑法130条は住居等に適法または過失に依り立ち入った者がそのあと退去の要求を受けたにも拘らずその場所から退去しない事によって成立する。甲は住居侵入罪が成立した以上別に不退去罪は成立しない。(判2)住居等侵入罪刑法130条は正当な理由が無いのに人の住居若しくは人の看取する邸宅、建造物、船舶に侵入することにより成立する。違法目的で他人住居に立ち入った場合同意が済みでも錯誤に基づく者であり真意の同意を言えず進入に当たる。(判3)住居侵入等罪刑法130常の人の住居とは他人の住居を言い。共同生活から離脱した場合共同生活していた住居は他人の住居に当たるので家出中の息子甲は住居侵入罪が成立する。(判4)住居進入等罪刑法130条の建造物とは住居邸宅以外の家屋および塀等で囲われた附属地帯を言う。甲が外部から見る事のできない敷地内の様子を確認する目的で塀の上部に登った場合甲には住居侵入罪が成立する。(判5)住居進入等罪刑法130条の住居とは人の日常生活に使用される場所を言い。必ずしも居住者が法律上正当な権利を以って住居している必要は無い。家主甲が賃貸契約終了後に賃借人乙の意思に反して賃家にに立ち入った場合甲に住居侵入罪が成立する。
刑法リーガルルール
刑法(1)19/01/23(1)犯罪論:各犯罪類型に共通する一般の成立要件を体系化して何が刑罰を処するに値する行為であるか明らかにする理論総体。(2)構成要件:刑罰法規に定められた犯罪類型を言う。犯罪の主体(1)身分犯:行為者に一定の身分が在ることが必要とされている犯罪(ア)真正身分犯:身分が在ること因って犯罪を構成する。具体例:背任罪(刑法247条)収賄罪(刑法197条)(イ)不真正身分犯:身分が在る事で刑罰の増減在る。具体例:常習賭博(刑法186条)、保護者責任遺棄罪(刑法218条)。(A)行為の客体:行為が向けられる対象としての人や物を言う。業務妨害罪(刑法233条後段)、信用毀損罪(刑法233条前段)名誉毀損罪(刑法233条Ⅰ)など刑法各側に規定された行為客体には法人を含むものが在る。(B)行為の客体と当該刑罰法規の保護の客体に当たる法益と必ずしも一致しない。公務執行妨害罪(刑法95条Ⅰ)は客体が公務員であり、公務自体を保護する。(C)行為の状況:構成要件に定められる行いが成立する一定の状況を言う火災の際に消火妨害罪(刑法114条)。(D)行為:構成要件に規定する構成的要件を言う。(E)結果:構成要件は一定結果発生を規定している、発生する一定結果を構成要件的結果という。
刑法(2)19/01/23(1)検挙犯:構成要件行為としての人の外部的態度があれば足り結果の発生を必要としない。具体例:犯罪偽証罪(刑法169条)住居侵入罪(刑法130条前段)(2)結果犯:構成要件的行為のみではなく一定の結果の発生を必要とする犯罪。具体例:殺人罪(刑法199条)、窃盗犯(刑法235条)、その他の全て。(1)形式犯:一定の法律に形式的に違反しただけで成立し法益侵害の抽象的危険の発生さえも必要の無い犯罪。食品衛生法に於ける不衛生食品貯蔵、陳列罪。(2)実質犯(ア)一定の法益の侵害と危険内容の犯罪(A)侵害犯:法益が現実に侵害される事を必要とする犯罪、殺人罪(刑法199条)、窃盗罪(刑法235条)(B)危険犯:単に法益侵害の危険存在だけで足りる犯罪。(B1)抽象的危険犯:一定的の定型的に危険な行為そのものが処罰されている犯罪、現住物放火罪(刑法108条)、名誉毀損罪(刑法230条Ⅰ)
刑法(3)19/01/23(B2)具体的危険犯:法益侵害の具体的に現実的危険発生を要する犯罪、従来危険犯(刑法125条)、自己所有非現住建造物放火罪(刑法109条Ⅱ)。(1)即成犯:一定の法益侵害や危険発生によって犯罪が直ちに完成終了する。殺人罪(刑法199条)、放火罪(刑法108条)。(2)状態犯:一定の法益侵害の発生によって犯罪は終了してその後の法益侵害状態の存続は犯罪事実と看做されない、窃盗犯(刑法235条)、横領罪(刑法252条)(3)継続犯:一定の法益侵害が継続している間に犯罪継続が認めれるもの、正等防衛(刑法36条)、共犯の成立が可能。具体例:逮捕監禁罪(刑法220条)、保護者責任者不保護罪(刑法218条)。(ア)結果的加重犯:基本となる構成要件実現後、さらに一定の結果が発生した場合について加重処罰する。傷害致死罪(刑法205条)、保護者責任者遺棄致死傷(刑法219条)。
刑法(4)19/01/23(1)因果関係:結果犯では行為と結果との間の因果関係の構成要素となる。(ア)一般的主観的構成要素(A1)故意:犯罪にあたる構成要素の事実認識表象をいう(A2)過失:不注意によ因って犯罪構成要件の事実認識表象を欠く事を言う。(イ)特殊的主管要素、要否に付き争い(A1)目的犯に於ける目的:偽造罪に於ける行使の目的(刑法148条)、営利目的拐取罪における営利の目的(刑法225条)(A2)傾向犯に於ける主観的傾向:強制猥褻罪(刑法176条)行為者の心情、内心傾向を構成要。(A3)表現犯に於ける心理的課程:偽証罪(刑法169条)行為の要素として、心理的課程、内心状態の表現を必要等する。(2)記述的構成要件要素と規範的構成要件要素(B1)記述的要素:構成要件要素の存否の設定に付き価値の判断のいれずに裁判官の解釈ないし認識的活動によって確定できる者。具体例:人を殺した(刑法199条)と言う場合に於ける人及び殺すと言う行為。(B2)規範的要素:構成要件要素の存否の認定について裁判官の規範的評価的な価値判断を要すもの。具体例:法的評価判断を必要とする(刑法235条)他人の財物、認識上評価を必要とする(刑法246Ⅰ)人を欺く。文化的判断(刑法174、175、176条)
刑法(5)19/01/24(1)法人の犯罪能力:刑法法典は、行為の主体として自然人である個人を前提にしてきたが企業、法人自体の責任を問うことが出来ないかその前提として犯罪行為能力が問題となる。(ア)犯罪能力否定説の根拠:①法人は思想及び肉体を有しない擬制的存在で在る存在であるから評価の対象となるべき行為能力は無い。犯罪の能力肯定説:①法人も機関の意思に基づいて行動するから、行為能力を有する。否定説根拠②責任は行為者人格に対する非難であるから倫理的実践の主体ではない法人は責任を負担する能力は無い。肯定説根拠:法人の思想に基づく行為が認められる以上は法人を非難することも可能である。否定説根拠:③自由刑を中心とする現行の刑罰制度は法人の処罰に適合しない。肯定説根拠:③法人に適した財産刑が存在している他、現行行政処分と成っている法人の解散、営業停止など制裁を加え、法人の違法行為の責任を追及し防止するに有効な刑罰が可能。否定説根拠:④法人の機関を担当する自然人を罰しれば足りる。肯定説根拠:④法人に於いては機関の意思は集団的に決定されていて結果は法人帰属するので在るから個人の行為者が処罰されるのであれば犠牲にしながらなんら痛痒も感じず違法行為を抑止できない。
刑法(6)19/01/24(2)両罰規定の根拠:両罰規定は従業者の違反に行為について従業者の行為者が本人を処罰すると共に事業主である法人、自然人も併せて処罰する規定である。刑法は個人責任の原則を採用しており、他人の行為に責任を負わせるのは責任主義に反し問題となる。※両罰規定の根拠についての準用:A=過失犠牲、B=過失推定、C=準過失、(A+B+C)=事業主の従業員に対する選任監督上の過失を根拠とする。D=内容、E=批判、F=注釈。無過失責任(D):行政取締り目的から従業員の責任が無過失的に法人に転嫁される。過失責任(D):(A)事業主は過失の不存在を立証されても免責されない(B)事業主は過失の不存在を立証して初めて免責される(E)事業主は過失の存在が立証され処罰される。無過失責任(E):故意、過失限り処罰されないという責任主義に反する。無過失責任(E):(A)無過失責任と変らない(B)過失不存在立証責任を負わせるならば過失が認められなくても被告処罰され責任主義に反する(C)選任監督過失立証困難性で取締り目的を無視。無過失責任(F):法人の犯罪能力を否定し、両罰規定は受刑能力を肯定するものとする見解から主張される。過失責任(F):法人の犯罪能力を肯定する見解に馴染む。
刑法(7)19/01/26事業主を処罰する為には行為者を処罰しなくても、事業主だけ処罰しても差し支えないとする。従業者が死亡していたと場合は事業主が罰せられる。三罰規定とは従業違反につき本人、事業者(法人)、自然人、代表、中間管理職を罰する。(3)結果的加重犯の構造:被疑者が、被害者に傷害を負わせる意図で暴行を加えたところ被害者が死亡した。被疑者に傷害致死罪(刑法205条)が成立するには加重犯被害者の志望について過失が必要であるか責任主権と関連して問題となる。①基本犯たる傷害罪(刑法204条)と加重結果被害者の死亡との間に因果関係必要であれば足りる。(過失不要説)。(A)基本犯について故意が認められる以上は責任主義の要請は満たされ、因果関係の問題に過ぎない。(B)処罰範囲の限定は十分である。②基本犯たる傷害罪と加重犯被害者の死亡との間に因果関係と共に重い結果に結果発生に付き被疑者の行為者の過失が必要である(過失必要説)。基本犯じと重い結果に結合した特殊な犯罪種類型であるから関係で責任主義に足りず徹底の見地から主観的責任の必要。
刑法(8)19/01/26故意犯の構造:基本構成要件、実行行為:(1)行為論(A)意義:犯罪は人の行為で無ければならないという点で行為は犯罪概念の基底としての意義を有する。(B)行為概念の機能:(A)基本要素:共通基盤行為、限界要素:反射運動や内心の意図意思を外に置く。(C)結合要素:犯罪体系の各段階、構成要件、違法、責任を相互に結合する機能。(2)実行行為(ア)意義: 基本的構成要件に該当する行為。(イ)機能:(A)類型化:刑法上保護すべき法益が侵害された場合でも処罰の範囲を明確にする。侵害容態に罰する。(B)未遂犯の限界:実行の着手の実行行為の開始が認められれば、未遂犯として処罰が可能となる(刑法43条)。(C)正犯性の基準:実行行為の正犯、行わない者が共犯とする見解から、正犯は実行行為を分担しなければ成らない。①未遂論について、未遂犯を既遂の結果を生じさせる危険を要件とする結果犯の理解が台頭し未遂犯は実行行為で肯定されない。②共犯論に於いていは実行行為を分担しない共謀共同正犯を認めるのが一般と成る。
刑法(9)19/01/26不作為犯:(1)意義:不作為によって犯罪を実現する場合。(ア)真正不作為犯:構成要件自体が不作為を形式を採用する。保護者責任者不保護(刑法218条後段)、不退去罪(刑法130条後段)(イ)不真正不作為犯:作為の形式で規定された通常の構成要件が不作為に因って実現される場合。母親が殺意を以って嬰児(えいじ)に授乳せず餓死させた場合に殺人罪(刑法199条)を成立させる場合。(2)不真正不作為犯と罪刑法定主義(ア)類推解釈の禁止との関係:不真正不作為犯は法文の上では作為による実行行為を予定しているかに見える刑罰法規が不作為に適用される場合。予定しない行為を処罰する類推解釈であることから罪刑法定主義原則に反する。行為を処罰すを原則とする刑罰放棄であっても、禁止規範ばかりでもなく命令規範を含みうるので罪刑法定主義に反しない。(2)明確性の原則との関係:どの様な不作為が処罰の対象とされているのか条文上有る程度明確に成って居ないと罪刑法定主義違反となる。解釈によって不真正不作為犯の構成要件を可能な限り明確化することで明確性原則との抵触を回避出来る。
刑法(10)19/01/26(3)不真正不作為犯の成立要件:(ア)実行行為性:一般的に①作為義務②作為の可能性容易性③作為との構成要件論価値性が要件である。(C1)作為義務:一般的に犯罪的結果発生の危険のある状態にしておき防止する特別の法的作為義務を有する保証人の不作為のみが不真正不作為犯実行行為になりうるとされる保証人説。作為義務の発生根拠:一般的に①法令に基づく場合②契約事務管理に基づく場合③慣習に基づく場合④条理先行行為に基づく場合がある。作為義務根拠を事実的要素に見出し判断の明確性を確保する先行行為説がある。不作為者が自己の先行行為によって因果設定が必要見解で在るが対しては多くの故意犯、過失犯を全ての故意の不作為犯に転化し得る事になるとの批判。作為義務を厳格に捉える為事実上の引受け、病人を病院に移送することを引受けたり、支配領域性、自動車で引いた被害者を車内に入れて他人が救助の手の出せない状況に置くことを発生根拠要件とする立場がある。
刑法(11)19/01/26(C2)作為の可能性、容易性: Ⅰ:作為義務存在であっても刑法は一般人に対して不可能を強いるものではないから事実上の結果回避可能でなければ不作為実行行為性を認めない。不作為犯実行行為性要件とし作為可能性が存在する事が必要となる。母親が河岸にいて溺れる子を助けなかた場合救助が不可能であれば成立しない。Ⅱ:不作為犯成立に作為容易性の必要。飛び込んで助けることが出来た可能性で自ら溺れる可能性は作為容易性が無く不作為犯は成立し得ない。(C3)作為構成要件的同価値性:作為義務違反の不作為構成要件に該当する実行行為と認められるにはそれが法的に構成要件に該当する作為同価値と評価されることを要する。不作為にも作為同様犯罪実現する現実的危険性が含まれる必要。(2)因果関係:期待行為されれば結果は生じず関係を認め因果関係とする。被害者が被告人に注射された覚醒剤にて錯乱状態に陥り被告人が救急医療を要請すれば十中八九究明可能であり救命は合理的疑いを超える程度確実だった刑法上の因果関係と認める。期待行為がされたらという仮定的判断が入り込むので因果関係判断は曖昧となる。(C3)主観的事情限定:従来曖昧不作為犯処罰範囲を主観的事情限定が試みられた。放火罪(刑法108条)に於ける既発の火力を利用する意思。悪質理由は重処罰になる限定否定。
刑法(12)19/01/26作為義務の錯誤:作為義務が在るのに無いと誤認して事態を放置した者が不真正不作為犯としての刑罰に問うことができるか。作為義務の体系的位置づけと関連し問題となる。母親が溺れている子供を発見したとき救助せずに子供が溺死した。①母親が子供を自分の子ではないと思ったとき。②母親が子供を自分の子と誤認したが救助義務が無いと思ったとき。作為義務の体系的位置づけと作為義務の錯誤の処理:次の体系図は、次の定義を当てはめる。学説(ア)=保証人説、統一説(イ)=区別説、(A)=内容、(B)=根拠、(C1)=Ex.1、(C2)=Ex.2、(D)=批判(A)(ア)保証人的義務と地位を区別せず両者を一体として構成要件段階で考慮すべきである。(A)(イ)保証人的義務とそれを生じさせる前提となる地位と区別して、保証人的地位を構成要件要素、保証人的義務を違法要素と考えるべきである。(B)(ア)①両者は社会観念上一体として捉えられており両者を区別する困難が在る。②構成要件が本来持つ違法推定機能を十分認める。(B)(イ)保証人的義務は個別具体的実質判断を要し要件レベルで判断するのは類型的形式判断は要件に過当な重荷を負う。
刑法(13)19/01/28(C1)(C2)(ア)事実の誤認、(C1)(イ)事実の錯誤(C2)(イ)法律の錯誤。(D)(ア)不作為者が錯誤により義務を認識していない場合全ての故意が阻却される事になりかねない。(D)(イ)不作為犯中心が違法正論に置かれ、領域のみで論じ、以前の立場と異ならない。作為義務基礎付けする事実と作為義務そのものを区別するのは難しい。<作為義務の体系位置づけと作為義務の錯誤の処理手順>作為義務を構成要素段階で論ずるか はい→(1)作為義務を保証人的地位と義務に区別するか→はい(ア)区別説:→保証人的地位の錯誤、事実の錯誤、構成要件的故意否定、→保証人的義務の錯誤、法律の錯誤、構成要件的故意肯定。(1)作為義務を保証人的地位と義務に区別するか→いいえ(イ)統一説、規範的構成要件要素の錯誤、①意味の認識在るか→はい、構成要件的故意肯定①いいえ→構成要件的故意否定。作為義務を構成要素段階で論ずるか。いいえ→(2)違法性説、法律の錯誤、構成要件的故意肯定。
刑法(14)19/01/28間接正犯(1)意義:間接正犯は他人を道具として利用することによって犯罪を実現する場合。医師が殺意を持って有毒な薬物の入った注射器を知らない看護士に渡し患者に注射することを命令し結果患者を死亡させるなど。(2)倫理的根拠(ア)沿革:従来は自ら構成要件該当行為を違法有責に実行した場合にのみ此れに対する教唆犯、従犯の成立を認める立場をいう。(イ)正犯性からのアプローチ:共犯で無いものは正犯である理由により間接正犯を肯定し正犯性に積極的理由付け。道具理論:被利用者はピストル等と同様利用者の道具んじ過ぎないから利用者に正犯性をみとめるとが出来る。行為支配説:利用者は被利用者の行為を支配し犯罪実現に主たる役割を演じた支配者で在るので正犯性を認めることが出来る。実行行為説:間接正犯は直接正犯と同じように構成要件実現の現実的危険性を有する行為を行っているゆえに正犯となる。利用者の行為に主観的には実行の意思、客観的には利用者の行為を法益侵害に至らせる現実的な危険性が含まれている点に正犯性を認める。規範的障害説:被利用者は規範的障害が欠如しているので、利用者に正犯を認めることが出来る。(ウ)自手犯:行為者自身の直接の実行が必要で関節正犯の形態では犯すことが出来ない犯罪類型を言う。道路交通法の無免許運転など。
刑法(15)19/01/28(2)間接正犯の成立要件:①故意の他に他人を道具として利用しながらも特定の犯罪を自己の犯罪として実現する意思を持っている事など主観的要件。②行為者が被利用者の行為を道具のように一方的に支配利用し構成要件実現危険性を生じさせる事等客観的要件。(3)間接正犯の諸類型:(ア)=刑法j上行為といえないものを利用(イ)=被利用者が一定の構成要件を欠く場合(イ1)=その犯罪の故意を欠くものの利用(イ2)=その犯罪の故意のあるものの利用(ウ)=適法行為の利用(エ)=被害者行為の利用。(A)=行為でない他人の身体活動を利用する場合(B)=是非弁別能力を欠く者を利用する場合(C)=強度の強制下において構成要件を実現した場合(D)=被利用者の無過失失行為を利用する場合(E)=被利用者の過失行為を利用する場合。(F)=他の犯罪の故意ある被利用者を利用する場合(G)=目的犯の目的の無いものを利用する場合(H)=身分犯に於ける非身分者を利用する場合(I)=故意在る幇助行為の利用。(ア)(A):反射運動、睡眠中の動作の利用;。(ア)(B):幼児や高度精神病者の利用(ア)(C):手を押さえて文書に記入させた場合
刑法(16)19/01/28(ア)(C)物理強制、在る者が日ごろ逆らえば暴行を加え自己の意思のままに従えて12歳の養女に窃盗を命じ、行なわせた心理的強制。在る者にあたるものが刑法235条窃盗罪の間接正犯が成立、制限従属性説を採っても結論を導きゆる。(イ)(イ1)(D):事情を知らない他人に毒入りウイスキーを届けさせて人を殺す場合。(イ)(イ1)(E):医師が情を知らない看護師の不注意を利用して毒を注射させ患者を殺す場合。(イ)(イ1)(F):在る者が屏風の背後にいる別の者を殺す目的でそれを知らない第三者に屏風を撃つ事を命じ別の者を死亡させた場合。(イ)(イ2)(G):在る者が行使の目的を隠して 別の者に教材として偽札を作らせた場合(イ)(イ2)(G)は在る者は通過偽造罪刑法148条の間接正犯が成立する。(イ)(イ2)(H):公務員が妻に賄賂を受け取らせた場合(イ)(イ2)(I)在る者が覚醒剤販売者と直接顔を合わせたくないので第三者に販売者に売ってもらう場合。(イ)(イ2)(I):第三者は直接正犯であり、在る者は教唆犯であるとする 立場。(ウ)在る者が別の者を騙して 第三者に攻撃を加えさせ正当防衛を利用して 別の者が第三者を殺させる場合、刑法36条正当防衛
刑法(17)19/01/28(エ)在る者が追死する意思が無いにも拘らず、別の者に追死するものと誤信させ自殺させた場合。(1)単なる責任無能力者に過ぎない場合、取分け刑事未成年者に過ぎない者との利用は一般に一方的利用関係は認めにくいので教唆犯(刑法61条Ⅰ)とするべき。在る者が当時12歳10ヶ月の長男の別の者に第三者から金品を奪う事を指示命令した事案に於いて別の者は是非弁別の能力があり在るものの指示命令は別の者の意思を抑制するに足る程度でなく別の者が意思で臨機応変に犯行を完遂した在る者の間接正犯を否定。さらに在る者が自ら犯行を計画して別の者に犯行方法を教示し道具を与えるなどした上、金品を全て領得したと共に在る者は教唆犯でなく、共同正犯の成立を認めた。(是非弁別を欠くものを利用)(2)被利用者の在る者は過失犯を犯している以上規範的障害があるので別の者に間接製版は成立しない。(過失行為を利用)(3)飽くまでも正犯性を厳格に解し間接正犯を否定する立場は、別の者が通過偽造罪の教唆と在る者を同罪の幇助とする。(目的犯)(4)被告人が、被害者をして、被告人の命令に応じ車ごと海中に飛び込む以外の選択肢が無い精神状態に陥らせて車ごと海中に飛び込ませ自らを死亡させる現実的危険性の高い行為に及ばせた行為は殺人罪(刑法199条)の実行行為にあたるとして成立を認めた。
刑法(18)19/01/30(1)他の犯罪の故意あるものを利用す売る場合:利用者が実現しようとした構成要件につき被利用者に故意が無くそれ以外の構成要件が在る場合利用者に間接正犯は成立するか他の犯罪の故意の在る利用者に道具といえないものと思える問題がる。在る者が屏風の背後にいる第三者をを殺す目的で別の者に屏風を撃つことを命じ第三者を死亡させた場合、その在る者に殺人罪(刑法199条)の間接正犯は成立しうるか。他の犯罪の故意のある者を利用する場合。(A)=行為支配説(B)=実行行為説(C)=規範的障害説(ア)=間接正犯の成否(イ)=根拠(ウ)=その在る者の罪責。(ア)(C)②規範障害が認められた場合にのみ(ア)の間接正犯は認められない。此の場合在る者は教唆犯を認め間接正犯は成立しない。(イ)(A):利用者は被利用者の不知を利用して結果の実現を支配していたといえ間接正犯は成立する。(イ)(B):犯罪と知っている者も利用する場合でも直接性犯性の高い結果発生の確率のある状態を作り出しうるよって間接正犯は成立する。(イ)(C)①:被利用者には他の犯罪の限度で規範的障害があるに過ぎないよって間接正犯は成立しうる。(ウ)間接正犯が成立しない場合にのみ殺人罪の教唆犯となる。(イ)(A)(B)(C)①は殺人罪の間接正犯となる。
刑法(19)19/01/30実行行為説に対しては行為支配説の立場から利用者の行為が結果を発生させる事実的可能性ないし結果にそのまま繋がっていく確率的蓋然性は利用者の故意の在る犯罪を教唆した時以上のものにありえず、行為危険性基準に限り利用者正犯性を理由付け出来ない。日頃から暴行を加えて自己の意のままに従わせていた12歳の養女に窃盗を行わせたものは自己の日頃の暴言に畏怖して意思を抑圧されている同女を利用して窃盗を行なったと認mr、同女が善悪の判断力を有する者であっても窃盗罪刑法235条の間接正犯の成立。(2)身分の無いものの利用(身分なき故意在る道具):身分犯において身分の無いものの故意行為を身分者が利用した場合、利用者に間接正犯が成立するか。利用者は事情を十分と知っており間接正犯と成りえないとも思える問題。公務員の在る者が、別の者の妻に賄賂を受け取らせた場合、在る者に収賄罪(刑法197条~)の間接正犯が成立するか、妻の別の者は公務員と言う身分のかけている以上別の者の妻はの行為は収賄罪の構成要件に該当しない。(ア)結論(ア1)(ア2)(A)=収賄罪の間接正犯(ア3)(A)=収賄罪の従犯(ア1)(B)=一方的支配関係(ア2)(C)=収賄罪の間接正犯(ア3)(B)=収賄罪の従犯、(ア1)(C)=協力様態の場合(ア2)(ア3)(C)=収賄罪の共同正犯
刑法(20)19/01/30(ア1)(ア2)(D)=収賄罪の教唆犯(ア3)(D)=収賄罪の従犯(イ)根拠(イ)(A)=身分犯に於ける法規範は身分者に対して向けられているから日身分者を利用する行為は規範的障害を欠くものの利用である。(イ)(B)(C)=①身分者が非身分者を一方的に支配する関係にある場合には間接正犯の成立を認める。②異なる場合に利用者に教唆犯の成立を認めるのは正犯無き共犯を認めることになり利用者、被利用者共に共同正犯で処罰すべき。(イ)(D)=利用者は賄賂罪に関する事情を十分に知っている以上”道具”とはいえない。(ウ)(A)=(A)に於いては刑法65条Ⅰの共犯に共同正犯は含まれないとする立場を出発点とすっる見解が多い。(ウ)(B)(C)=非身分者には実行行為を観念し得ない以上、共同正犯の成立は認められない共犯に含まれないとする批判が在る。(ウ)(D)=正犯無き共犯を認める事は妥当でないとの批判が在る。(ア)-(ウ)、(A)-(D)の体系図。
司法書士刑法 学科Ⅲ 罪状の合否
刑法総論(1)19/10/13一事不再理の原則は在る事件の判決確定の場合同一事件については再び公訴提起を許さない原則を言う。憲法39条:何人も実行時違法であった行為または概ねに無罪とされた行為については刑事上の責任を問われない同一犯罪は重ねて刑事上責任を問わない。罪刑法定主義は犯罪と刑罰は予め成文の法律より明確に規定されていることを要する原則である。罪刑法定主義から派生原理は慣習刑法排除、刑罰法寄付遡及、類推解釈の禁止絶対的不確定刑の禁止刑罰法規適正の原則が導かれる。(判1)犯罪と刑罰は法律の形式に依って明文で規定されなければ成らない。慣習や条理を法源とすることを禁じる。刑罰法規解釈や違法性の判断に関し慣習条理を考慮することは許される。(判2)刑罰法規は施行時以降犯罪にのみ適用され施行前の行為を遡らない(判3)異なる二つの事柄の間に共通するする要素を「見出し一つの事柄に当てはまるこ事は他の事柄にも当てはまると推論し解釈を禁ずる。(判4)刑の内容ないし期間を全く定めない刑罰の禁止(判5)形式内容が適正で明確性、内容の適正がある明確性の原則は刑罰法規の内容は具体的且つ明確に規定される。内容適正の原則とは法規に定められる犯罪刑罰は当該行為を犯罪とする合理的理由のあり犯罪に均衡した適正でなければ成らない。
刑法総論(2)19/10/13刑法4条:①看守等に因る逃走援助と未遂②偽造文書作成③公務職権濫用、特別公務員暴行稜虐④収賄受託、事前、第三者共賄加重、斡旋収賄、特別公務員職職権濫用等致死傷。(判1)外国公務員に賄賂を贈っても日本国公務は害されない保護主義に基づく。(判2)日本船舶または日本航空機内で行われた犯罪は主体が何人であれ日本国刑法が適用される。刑法1条Ⅰ:日本国内の罪を犯したものⅡ:国外日本船舶日本航空機で罪を犯したものも刑法1条Ⅰ。属地主義、旗国主義が在る。(判3)日本国民が刑法3条に①~⑰に規定する外国領地で重要な犯罪を日本国外で犯した時は日本国刑法が適用される属人主義殺人罪を以ってしても属人する。(判4)自国または自国民の法益を侵害する犯罪に対し国籍犯罪地を問わず全てに日本国刑法が適用され保護主義刑法3条する。紙幣偽造等は148条、刑法2条④にて外国人に適用する。刑法2条④全ての国外犯:148条の罪および未遂罪。(判5)日本国外に於き日本国民に対して殺人等の生命身体に対する重大な罪を犯した日本国民以外の者に日本国刑法を適用する消極的属人主義。国民以外の国外犯刑法3条-2②:殺人罪および未遂罪。
刑法総論(3)19/10/13(判1)処罰阻却時由とは例えば親族間の犯罪に対する特性の刑法244条Ⅰ窃盗、不動産侵奪の免除のように一定の時由が存在するために刑罰権の発生が妨げられる場合を言う。犯罪成立前提に刑罰を科さないとし犯罪成立と関係ない。(判2)構成要件該当性は在る行為が刑法各本条その他刑罰法規に規定される犯罪構成要件に該当することを言う。刑法199条の構成要件は人を殺した事であるから甲が殺意の意思をもって乙にナイフで切りかかれば殺人罪の構成要件該当性が認められる。(判3)違法性は行為が法律に違反すること。刑法は違法行為を類型化したものであり構成要件に該当する行為がされれば当該行為の違法性が推定されるので刑法は例外的に正当行為刑法35条、正当防衛36条Ⅰ、緊急避難37Ⅰなどの阻却時由を規定する。(判4)責任は構成要件に該当する違法行為に付き行為者を非難することを言う。構成要件に該当する違法行為してもその行為者を非難することが出来なければ、犯罪として刑罰を科す事ができない。責任無ければ刑罰無しという責任主義の原則を根本原理とする。故意、過失、期待可能性などがあり、刑法は責任が阻却される時由として責任阻却時油は心神喪失者刑法39Ⅰ、刑事未成年者41条を規定している。
刑法総論(4)19/10/13(判1)真正不作為犯は始めから不作為の形式で構成要件が規定されている犯罪を言う。多衆不解散罪刑法107条や不退去罪130条等が在る。(判2)不真正不作為犯が成立するには構成要件該当作為と法的に同価値の作為義務違反が必要。(判3)他人犯罪行為認識しかがら法律上義務違反して放置しその犯行を容易にした者は不作為に依る幇助犯が成立する。デパート警備員甲が商品を盗んでいる男を発見したが友人乙である為見逃した場合甲には窃盗罪の幇助罪刑法62条Ⅰ、235条が成立する。(判4)不真正不作為犯の作為義務は行為者結果発生防止すべき法律上行為義務で無ければ成らない。法律上の作為義務は法令、契約・事務管理、慣習・条理等が在る。(判5)不真正不作為犯が成立する為には作為が可能であり容易である事が必用であり作為可能であっても容易であると言えない場合は不真正不作為犯は成立しない。法は人に不可能を強いるものではないから母親甲は川で溺れている自分の子供乙を発見したが泳げなかった為助ける事子が出来なかったその結果乙が溺死して甲には保護者責任者遺棄致死罪刑法219条は成立しない。
刑法総論(5)19/10/13(判1)家族外出中に甲の排他的支配は過失により出火し先行行為火災を発見した時点では容易に消火できる状況でなかったことから甲は作為の可能性、容易性の消火活動が無いので甲には不作為に依る現住建築物放火罪の刑法108条は成立しない。(判2)他人の犯罪行為を認識しながら法律上の義務に違反して是を放置しその犯行を容易にしたものは不作為に依る幇助犯が成立する。然し丙近所の子供というだけでは甲には法的義務は生じないので不作為依る傷害罪の幇助犯刑法204条、62Ⅰは成立しない。(判3)母親甲には自分の乳児乙に対する法規の規定に基づく監護義務の民法820条が在るにも拘らず乙に授乳しないで餓死させた事は作為に因る殺人と同価値といえるので甲には不作為に依る殺人罪刑法199条が成立する。(判4)売主甲は買主乙に対し土地に抵当権設定がされている事実を告知すべき法律上である信義側上の義務が在るから事実告知をせず、無担保の土地と誤信している乙に売却した場合甲に不作為に依る詐欺罪の刑法246条が成立する。(判5)医師甲は患者乙との間の契約により作為義務を負うから殺意を以って必要な医療措置を施さないまま放置させて乙を死亡させたので甲は不作為に依る殺人罪刑法199条が成立する。
刑法総論(6)19/10/13(判1)利用者が被利用者の行為を利用する時、その行為が一定構成要件を欠く時は間接正反と成りうる通過偽造罪刑法148条は行使の目的で貨幣等を偽造することによって成立し学校教材に使用する者と誤信して通貨を偽造した乙には行使目的が欠け乙に成立する(判2)殺人罪刑法199条は殺意の故意を以って人を死亡させた時に成立する。従って毒入りウイスキーである事を知らない郵便局員丙には殺人の故意に欠けるから丙を利用して乙を殺害した甲は間接正犯が成立する。(判3)収賄罪の刑法197条は公務員が賄賂を収受等することによって成立し非公務員である妻には公務員としての身分が欠けるからその様な妻乙を使用して賄賂を収受させた甲には収賄罪が成立する。(判4)被利用者の精神状態が未成熟無いし精神障害の為犯罪に対する規範意識を持ち得ない者を利用する時、間接正犯が成立する。高度精神病者で是非弁別能力を欠く乙を利用して盗みをさせた甲には刑法235条窃盗罪の間接正犯が成立する。(判5)(判4)に対し事理弁識能力が十分でない10歳の乙であっても自己行為が悪いものであると認識を持つ事は可能である。乙を利用して盗みをさせた甲には窃盗罪の間接正犯は成立しない。乙が窃盗罪の正犯となり甲はその教唆罪刑法61条Ⅰとなる。
刑法総論(7)19/10/13(判1)甲が自動小銃誤射により乙被害者に瀕死重傷を負わせた行為者が被害者が苦しんでいるのを見て哀れに思い射殺した場合殺人と因果関係が関係ない。甲には業務上過失死傷罪は認められず其れの併合罪刑法45条の殺人罪、業務上過失致死罪の両方が成立する(判2)行為者の加えた暴行から逃げ出した被害者が誤って転倒し負傷した場合暴行と傷害結果の因果関係が認められる。甲に傷害罪刑法204条が成立する。(判3)行為者甲の暴行によって被害者乙死因と成った傷害が形成されその後第三者によって加えられた暴行により被害者乙の死期が早められた場合行為者暴行と死亡結果との間に因果関係が認められる。甲には傷害致死罪刑法204条が認められる。(判4)行為者甲は乗用車のトランク内に被害者乙を入れ監禁し道路上に停車したところ後方から自動車を衝突した事によりトランク内に居た被害者乙が死亡した場合、監禁行為と死亡結果の因果関係が認められる。甲には逮捕等致死罪刑法221条が成立する。(判5)行為者甲が行為の当時被害者乙の脳梅毒により高度の病的変化という特殊の事情を知らず、予測も出来なかったとしても暴行行為が特殊事情と相俟って致死の結果を生じさせた場合その間には因果関係が認められる。甲は傷害致死罪刑法205条が成立する。
刑法総論(8)19/10/13(判1)必然の故意は結果発生自体不確実で発生するかもしれない事を表象容認する。甲が乙の側に居る野鳥を捉える目的であり乙に銃弾が当たって死亡しても構わないとして発砲した場合認識過失は過失に犯罪意識に表象容認を欠いている。甲が狩猟の腕前に自身を持っていたので野鳥側に居る乙に当たる事は無いと思って野鳥に発砲したところ乙に当たり死亡させた場合必然の故意として具体例として掲げられているのは認識の在る過失の具体例であり正しくない。(判2)確定的故意とは犯罪実現の結果発生を確定的なものとして表象容認する事を言う。甲が乙を殺害する目的で乙に向かって発砲した場合である。概括的故意とは結果発生は確実で在るが客体の固体および客体化を不確実に表象容認する事を言う。甲が群集に向かって発砲した場合である。択一故意とは数個の客体のどれか一つに結果発生確実で在るがどの客体に発生するか不確実に表象容認する事を言う。甲が乙、丙のどちらかに命中させる為に両者に向けて発砲した場合である
刑法総論(9)19/10/13事実錯誤は行為者認識事実を現実発生した事実が一致し無い事を言う。行為者認識事実と現実発生した事実の結果とが一致しない場合発生事実に故意が認められるかどうか行為者の認識事実と現実に発生した事実が同一要件範囲内符合していれば故意を阻却しない。(判1)異なる構成要件間の錯誤の内の方法の錯誤の問題で在る。殺人罪刑法199条と器物損壊罪261条は構成要件重なりが認められず過失に因る器物損壊罪は成立しないので甲には器物損壊罪は成立しない。甲は乙に殺害する意思で発砲して飼い犬にあたる。(判2)同一構成要件錯誤内に客体の錯誤の問題であり、客体の錯誤の場合は故意を阻却しないので甲は丙に対する殺人罪が成立する。(判3)同一構成要件錯誤内法錯誤問題であり方法の錯誤の場合は故意を阻却しないので甲は丙に対する殺人罪が成立する。(判4)甲は乙を溺死させる為に橋から突き落とし橋げたに当たり死亡した。後逸構成要件の錯誤内の因果関係の錯誤の問題であり、方法の錯誤の場合は故意を阻却しないので乙に対する殺人罪が成立する。(判5)異なる構成要件間錯誤内客体錯誤の問題であり、異なる構成要件間の場合は原則故意を阻却するが構成要件の重なりが認められる場合はその重なりの限度で故意を阻却しない。窃盗罪刑法235条と遺失物横領罪254条は甲は遺失物横領罪が成立する。
刑法総論(10)19/10/13(判1)業務上過失致傷罪は注意怠り傷害させたことに成立する刑法211条甲の行為はその構成要件に該当するが甲は後方から来る車両運転手が交通規則を守り速度を落とし自車の右折を待って進行する等安全速度方法進行を信頼し運転で業務上過失致傷罪不成立。(判2)暴行罪は暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかった時により成立する刑法208条暴行罪は故意犯であり過失によっては成立しない。甲が不注意で乙に暴行を加えた場合。(判3)過失傷害罪は過失により甲を傷害したことにより成立する刑法209条Ⅰ甲には過失傷害罪が成立する。甲が乙を不注意で怪我させた場合。(判4)過失致死罪は過失により人を死亡させたことにより成立する刑法210条甲に過失致死罪が成立する。甲が不注意で乙たを死亡させた場合。(判5)失火罪は失火により現住建物等放火に規定する物等焼損したことに依って成立する刑法116Ⅰ。失火とは過失により出火させる事を言う甲には失火罪が成立する。甲が不注意で乙宅を焼損した場合。
刑法総論(11)19/10/16(判1)期待可能性は甲維持存在具体事情下において行為者適法行為を期待しうる事を言う。期待可能性が無い場合は犯罪の事実の認識が在り違法性の認識が在っても責任が阻却される。(判2)法令に因る行為は罰しない刑法35条法令自体に依って認められる行為であり違法性阻却し適法とする。(判3)急迫不正侵害に自己または他人の権利を保護する為止む得ずした行為は罰しない刑法36条Ⅰ正当防衛は侵害に防衛行為であり違法性阻却。(判4)自己または他人の生命身体自由または財産に現在の危難を避ける為に止む得ずした行為は避けようとした害の程度を超えない限り罰しない刑法37条Ⅰ緊急避難が不可罰とされる根拠は明らかに違法性阻却時由と言えないのではない。(判5)被害者の承諾とは法益の主体である被害者がその法益の侵害に承諾または同意を与える事を言う被害者承諾により構成要件該当性が阻却される場合住居侵入罪や窃盗罪など違法性が阻却される場合傷害罪暴行罪がある明らかに違法阻却と言えない。
刑法総論(12)19/10/16(判1)被害者の承諾は甲維持に存在していることが必要であり事後にされた承諾は犯罪の成否に影響を及ぼさない。(判2)被害者の承諾とは法益の主体である被害者がその法益に対する侵害に承諾または同意を得る事を言い処分可能な個人的法益に関する承諾である事を要する。(判3)承諾権を有する被害者自身に因る承諾である事を要する。他人は被害者の法益に対する侵害に承諾または同意を与える事ができないからである。(判4)承諾能力を有する者の真意に基づく承諾である事を擁する。承諾が真意であれば承諾を与えてた動機が不法であっても必ずしも承諾に基づく好意が犯罪性を阻却しないわけではない。(判5)承諾がある事を認識して行われた事を要する。主観的正当化要素の行為者の主観的認識存在により適法化される要素として必要とされる。
刑法総論(13)19/10/16(判1)住居侵入刑法130条は住居平隠ないし住居権保護法益とし被害者の承諾により住居侵入罪の構成要件該当性が阻却される。窃盗罪刑法135条は他人の財産を保護法益とし被害者承諾により窃盗罪の構成要件は阻却される。(判2)傷害罪刑法204条の保護法駅は人の身体安全であり被害者の承諾があっても構成要件該当性は阻却されず違法性が阻却されるに過ぎない。横領罪刑法252条は個人の財産を保護法益とするので被害者承諾を以って横領罪構成要件該当性が阻却される。(判3)殺人の場合は被害者の承諾が在っても犯罪性が阻却されない殺人罪継法199条より刑の軽い同意殺人刑法202条が成立する堕胎罪の場合も被害者の承諾が在っても犯罪は阻却されず不同意堕胎刑法215条により刑の軽い同意堕胎罪刑法213条が成立。(判4)13歳未満の女子の姦淫(かんいん)について承諾能力が無いので同女の承諾を得て姦淫しても強姦罪刑法177条が成立する虚偽告訴罪刑法172条は一時的に国家刑事司法作用の適正運営保護法益とし被害者の承諾を得虚偽告訴しても虚偽告訴罪が成立。
刑法総論(14)19/10/16(判1)正当防衛刑法36条Ⅰは急迫の不正侵害に自己または他人権利を防衛する事により成立し防衛する為とは防衛行為が客観的に侵害行為に向けられた者で在るだけでは不十分であり被害者主観的に防衛意思を持つ必要。(判2)正当防衛刑法36条Ⅰの急迫とは法益侵害の危険が目前に迫っている事を言う。過去の侵害に対しては正当防衛は成立し得ない。(判3)正当防衛刑法36条Ⅰの不正とは違法性の意味で在る。この不正とは人の違法行為に限るから自然現象や動物による侵害に対しては正当防衛は成立しない。(判4)正当防衛刑法36条Ⅰの止む得ずにした行為とは防衛行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有する事を言い防衛行為が侵害を排除する為の唯一の方法である事を要しない。(判5)正当防衛刑法36条Ⅰは急迫の不正の侵害に対して自己または他人の権利を防衛する為に行われた場合に成立する正当防衛は自己の権利を保護する場合だけでなく他人の権利を保護する為であっても成立する。
刑法総論(15)19/10/16(判1)正当防衛刑法36条Ⅰは過去の侵害に対して成立せず被害が事実上経過した後に行う法益の回復行為は正当防衛とならず自救行為の問題となる(判2)正当防衛刑法36条Ⅰは急迫不正侵害に自己または他人の権利を防衛する為に行われた場合に認められる。(判3)正当防衛刑法36条Ⅰの不正とは違法の意味であり不正とは人の違法南行為に限られる。自然現象や動物に因る侵害は不正と言えない。甲が自己の身体を守る為に乙の飼い犬を殺害しても正当防衛は成立しない。甲は緊急避難刑法37条Ⅰが成立する。買主乙の故意や過失により乙の飼い犬が襲ってきた場合は乙に依る不正の侵害といえるので是を殺害するれば甲に正当防衛が成立する。(判4)正当防衛刑法36条Ⅰの止む得ずにした行為とは防衛行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有する事を言い。防衛行為が侵害を排除する為の唯一の方法である事を要しない。甲は逃げる事が出来ても乙を突き飛ばして怪我を負わせた時は正当防衛成立。(判5)正当防衛刑法36条Ⅰにいう防衛行為は防衛の意思を以って成される事が必用で在るが相手の加害行為にたいし憤激または逆上して反撃を加えても防衛の意志は欠かない。緊急状態の下では冷静判断基づく要求が酷だからである。
刑法総論(16)19/10/16(判1)緊急避難刑法37条Ⅰは自己または他人の生命身体自由または財産に対する現在の危難を避ける為に認める。緊急避難は自己法益だけでなく三者法益を保護する場合にも認める。(判2)緊急避難刑法37条の危難の発生原因の如何を問わないから緊急避難は人の行為に依るものの他自然現象動物動作に因るものでも成立する。(判3)緊急避難刑法37条Ⅰは自己または他人の生命身体自由または財産に対する現在の危難が在る場合に認められる緊急避難の被侵害法益の対象を個別的に列挙しそれ以外名誉や貞操などの個人的法益も含まれる。(判4)緊急避難の刑法37条Ⅰの止む得ずした行為と避難行為がその危難を避けるための”唯一の方法”であって他に採るべき方法が無い事を言う。第三者法益を侵害せず他に避難の方法が在った場合は緊急避難は許されない。(判5)緊急避難刑法37条Ⅰが成立するには非難行為により生じた害が避けようとした害の程度を超え無い事を要する価値の小さい法益を救う為に価値の大きい法益を侵害する場合には認められない。
刑法総論(17)19/10/16(判1)緊急避難警報37条Ⅰの危難は発生原因を問わない。人の行為に因るものの他自然現象動物動作であっても成立し甲が豪雨の危難から自己所有の稲苗を保護する為に乙の板堰破壊する事は止む得ずした行為といえ甲に緊急避難成立する。(判2)緊急避難刑法37条Ⅰは自己または他人の生命身体自由または財産に対する現在の期間が在る場合に認め甲は監禁と言う身体の自由に対する現在の危機を避ける為に丙所有の別荘の窓ガラスを壊したから甲は緊急避難成立する。(判3)緊急避難刑法37条Ⅰの成立は止む得ずした行為で無ければ成らない。吊橋の腐朽が甚だしく落下危険状態に在ったとしてもその棄権を防止する為に通行制限教科か適当な手段方法が在り得た以上爆薬破壊は緊急避難は成立しない。(判4)緊急避難刑法37条Ⅰが成立するには非難行為により生じた害が避けようとした害の程度を超えない事を要し甲は自己身体に対する傷害の危険を避けるため其れよりも法益の大きな生命を侵害しては緊急避難は不成立。(判5)緊急避難刑法37条Ⅰが成立する為には止む得ずした行為でなければ成らない。甲は救急要請とかタクシー呼ぶなど対処し子供を病院へ連れて行くことが出来たのであり他にとるべき方法が在るから甲は止む得ずした行為といえず緊急避難不成立。
刑法総論(18)19/10/16(論文)窃盗罪とは現金の入っている箪笥に近づいた時点で犯罪性が成立する。実行の着手とは犯罪の実行行為を開始することを言いその有無は原則として不可罰な予備罪と可罰的な未遂罪を区別する機能をもち一般的には犯罪構成要件結果の法益侵害が発生する危険性の存ずる行為開始したおtきに実行の着手があるとしている。具体的に言えば当該犯罪の構成要件行為の性格客体特徴など個別的かつ具体的な事情を総合的に考慮して判断する事になる。窃盗罪刑法235条は他人の占有する財物を窃取する事で成立する犯罪窃盗罪に於ける実効着手時期について他人の財物に対する事実上の支配を犯すに付き密接な行為をした時に初めて認められ占有侵害行為を開始した事は必要ないとしている。住居侵入窃盗の場合窃盗目的で住居侵入しただけでは現金に対する事実上支配侵害危険行為と言えず窃盗罪の実行着手は認められない。箪笥の中に在る現金を窃取する為に近づいた時にはその危険性が在るので実行着手が認める事が出来る。占有を取得した時点で概遂となるとしている。
刑法総論(19)19/10/16(判1)中止犯刑法43条は犯罪を中止した事を要件とし中止行為結果不発生との間に因果関係を必要とする。中止犯は予備罪が認められない。(判2)中止犯刑法43条は広義の未遂犯罪の一種なので中止行為によって現実に結果発生を防止できた事が必要であって中止行為を行ったにも拘らず結果が発生してしまった場合は中止犯は認められない。(判3)中止行為は必ずしも犯人が単独で行う必要ないが他人の助力を受けたときは少なくとも犯人自身が防止に当たった場合に同視するに足りる程度の努力を払って結果の発生を防止する必要が在る。(判4)中止犯刑法43条の自己の意思により中止の任意性は外部的な障害に因らず中止の決意が自発的なものである事を言う。悔悟による場合任意肯定され恐怖驚愕に因る場合否定される。(判5)中止犯刑法43条は犯罪を中止した事を要件としており中止行為と結果不発生の間に因果関係を必要とする。
刑法総論(20)19/10/16(判1)中止犯刑法43条の自己の意思により中止の任意性では外部的な障害に因らず中止の決意が自発的なものである事を言う。そして悔悟によって犯罪を中止する場合は中止任意肯定される。甲が乙を殺そうとして中止した刑法199条殺人罪中止犯成立する。(判2)中止犯刑法43条は広義の未遂犯の一種なので犯罪の実行に着手している事が必要であり実効に着手する前の段階の予備には中止犯は認められない。甲は強盗に刃物を持ち捨て引き返した。強盗予備罪刑法237条は認められない。(判3)中止行為は必ずしも犯人が単独で行う必要ないが他人の助力を受けたときは犯人自身が其の防止に在った場合と同視出来る程度の努力を払い結果の発生を防止する必要があり放火者は消火活動しないので現住建造物等放火罪刑法108条の中止犯不成立、(判4)中止犯刑法43条は広義の未遂犯の一種なので中止行為によって現実結果発生を防止できたか必要であり中止行為を行ったが結果発生した場合中止犯は認められない。窃盗者が財布を自己のポケットに入れた時に窃盗罪刑法235条は概遂となり成立しない。(判5)中止犯刑法43条は中止行為と結果不発生との間に因果関係を必要とし甲が乙に飲ませた酒の中に毒が致死量に程遠く生命の危険は無く甲の中止行為と乙の死亡の不発生との間に因果関係が認められない。甲は殺人罪継法199条の中止犯は成立しない。
刑法総論(21)19/10/18(判1)片面的共同正犯は二人以上の者に共同実行事実が認められ意思が一方にのみ存在し他方の共同者に存在し無い事を言う。成立する為には二人以上の者が共同して犯罪を実行する意思の共同実行意思、共同実行事実が必要である。(判2)共謀共同正犯は二人以上の者が犯罪を共謀して其の内一部の者が共謀に基づき犯罪を実行の場合その実行に加わらなかった他の共謀者も共同正犯となる事を言う。(判3)過失犯の共同正犯は二人以上の者が共に過失により犯罪を実現する行為を言って過失犯の共同正犯の成立を認める。(判4)予備罪の共同正犯は二人以上の者が意思の連絡の下に予備行為を共同して行う事を言って予備罪の共同正犯を認める。(判5)不作為の共同正犯とは二人以上の者が不作為に依る実行行為を共同して行う事を言って不作為に依る共同正犯の成立を認める。
刑法総論(22)19/10/18(判1)共同行為者の一方に共同実行の意思が在るに過ぎない時は共同正犯は成立しない甲および乙に強姦罪共同正犯刑法177条、60条は成立しない。幇助犯が成立する刑法177条、62条Ⅰ。(判2)予備行為も実行行為と言えるので予備行為共同実行意思の下に共同で行った場合予備罪の共同正犯が成立する。毒物用意して殺人しなかった。甲および乙に殺人予備罪共同正犯刑法201条、60条が成立する。(判3)共謀に基づき犯行現場で見張りしただけでも共同正犯となる。甲見張り、乙の丙に自動二輪を盗む。甲、乙に共謀共同正犯が成立する刑法235条、60条。(判4)不作為犯は作為義務違反に不作為が実行行為となり共犯者が共同実行意思の下に相互に利用補充し合って実現する時は共同正犯となる。作為義務無き者も作為義務を有す者と共同して作為義務違反の不作為実現可能。乳児を餓死。不作為殺人罪共同正犯成立。(判5)過失共同正犯は二人以上の者が共に過失により犯罪を実現する事によって成立。共同注意義務が課される甲と乙が不注意で腐敗食べ物出し丙を食中毒で病院入院させた場合は甲と乙に業務上過失致傷罪の共同正犯刑法211条、60条が成立する。
刑法総論(23)19/10/18(判1)教唆判刑法61条Ⅰは被教唆者の正犯に特定犯罪実行決意させそれに基づいて犯罪実行させる犯罪であり、被教唆者が実行行為に出なければ教唆犯は成立しない。(判2)教唆行為は日時場所方法の具体性細部にわたる指示は必要ではない。しかし犯罪しろ、窃盗しろと言うように漠然と一般を唆するだけでは教唆犯は成立しない。(判3)教唆は犯罪実行意思の無いものに対して特定犯罪実行を決意させる事を言うので被教唆者の正犯犯罪の決意は教唆行為によって生じた事が必要。(判4)教唆行為と被教唆者の正犯の実行行為との間には因果関係が必要で在るので被教唆者が実行行為に出てもそれが教唆行為とは無関係の場合教唆判刑法61条Ⅰは成立しない。(判5)教唆者を教唆する事を間接教唆と言って間接教唆を行った者にも教唆犯が成立する刑法61条Ⅱ。
刑法総論(24)19/10/18(判1)教唆者を教唆する事を間接教唆と言い間接教唆実行者も教唆犯が成立する刑法61条Ⅱ、甲は乙に丁殺害教唆したが乙が実行せず丙が実行した。甲には殺人罪の教唆犯刑法199条、61条Ⅱが成立する。(判2)教唆犯刑法61条Ⅰは被教唆者の正犯に特定犯罪実行を決意させそれに基づいて犯罪を実行させる犯罪で在るので教唆者が実行行為に出なければ教唆犯は成立しない。甲は乙に丙自宅で窃盗教唆し乙は丙の防犯厳重で断念。甲に窃盗犯教唆罪成立しない。(判3)教唆犯刑法61条Ⅰの教唆は犯罪を実行する意思の無いものに対して特定犯罪実行を決意させる事を言い既に特定の犯罪実行を決意している者に対してそれを知らずに犯罪を実行するように働きかけた場合は成立しない。この場合殺人罪の幇助犯が成立。(判4)教唆犯が成立するには教唆行為と被教唆者の正犯実行行為との間に因果関係が必要であり、甲が乙に丙自宅で強盗教唆し乙は丙自宅に赴き家に入ることが出来ず断念し新しい日に丙自宅に強盗した。甲との間に因果関係が認められず甲は強盗罪教唆は不成立。(判5)教唆行為は日時場所具体的方法等細部指示は必要ではない。犯罪しろ、窃盗しろと言う様に漠然と犯罪一般を唆するだけでは教唆犯は成立しない。甲が乙に問題犯罪を教唆したところ乙は電車を爆撃した。甲は汽車転覆等致死罪刑法126条Ⅲ教唆は不成立。
刑法総論(25)19/10/18(判1)幇助故意は正犯実行行為認識幇助意思があれば足り幇助者と正犯者の間に相互的な意思連絡は必ずしも必要ではない。幇助行為は実行行為以外行為により正犯実行項をを容易にする事を言い幇助者一方的意思によってもする事が出来る。物理的幇助。(判2)正犯が犯罪を実行しなければ幇助は成立しない。刑法62条は正犯を幇助したと規定され正犯の存在は少なくとも正犯が事項を言うをしている事を必用としているからである。共犯従属性説、(判3)幇助は正犯実行行為を容易ならしめる事を言い幇助行為時期は正犯の実行行為終了前で無ければ成らず正犯終了後は幇助は成立しない。事後従犯。(判4)幇助犯を更に幇助する事を間接幇助と言う。間接幇助は明文規定が無く正犯間接幇助により正犯の実行行為容易にしたと言える場合は幇助犯が成立する。(犯5)幇助犯が成立するには幇助行為と正犯実行行為の間に因果関係が必要である幇助行為によって正犯実行行為が物理的心理的に容易になったと言う関係が認められれば足りる。
刑法総論(26)19/10/18(判1)幇助犯が成立するには幇助行為と正犯実行行為の因果関係を必用とし幇助によって正犯の実行行為が物理的心理的に容易になったという関係が認められれば足りる。甲が銀行見取り渡しても乙は知らず強盗した。甲の幇助行為によって乙が容易に成立しない。(判2)幇助行為時期は正犯の実行行為の終了前で無ければ成らず正犯の終了後に於いて幇助犯は成立しない事後従犯。甲は乙が窃盗を終了した後に関与している。甲には窃盗罪の幇助犯刑法235条、62条Ⅰは成立せず、甲は犯人隠避罪刑法103条が成立する。(判3)幇助の故意が認められるには正犯実行行為認識し是を幇助する意思が在れば足り幇助者と正犯者との間に相互的な意思連絡は必ずしも必要ではない片面的幇助。甲は住居侵入窃盗罪の幇助犯刑法130条、235条、62条Ⅰが成立する。(判4)正犯を間接に幇助する事により正犯実行行為を容易したと言える場合には幇助犯は成立する。甲は乙に拳銃を渡す事により丙の丁殺害実効行為を容易にしたといえる。甲に殺人罪の幇助犯が成立する。(判5)幇助犯刑法62Ⅰが成立するには幇助者が正犯を幇助する意思で幇助行為を行いそれに基づき正犯が犯罪を実行する必要が在るが正犯は処罰認否は問わない。乙が刑事未成年の為に処罰されない時でも刑法41条、甲に強盗罪刑法23条j6の幇助犯刑。
刑法総論(27)19/10/18(判1)暴行罪刑法308条は暴行を加えた人が傷害するに至らなかった事によって成立する。暴行とは人の身体に対する物理力の行使を言うがこの物理力は身体に直接接触する必要は無い。人を驚かす目的でその数歩手前を狙って投石する事や刀剣を振り回す行為。(判2)傷害罪刑法204条は人の身体を傷害する事によって成立する。補との生理的機能障害与える事を言う。(判3)傷害罪刑法204条の傷害方法は有形的行為の暴行の他無形的方法の脅迫などに因るものを含む。(判4)傷害の故意で暴行を行ったところ暴行の結果に留まった場合は傷害罪には未遂罪の規定が無い為に暴行の規定によって処罰される事に成る。(判5)暴行罪刑法208条の暴行とは他人の身体に対する整理力の行使を言い其の性質上傷害を生じさせることを必要としない。人に対してタンやツバを吐きかける行為は暴行となる。
刑法総論(28)19/10/18(判1)傷害罪刑法204条は人の身体に傷害をする事によって成立する。本罪の傷害は人の生理機能に障害を与える事を言う。甲がバリカンを使って乙の頭髪を丸刈りにする事は生理的に障害を与えたと言えず傷害罪は成立しないこの場合は甲に暴行罪が成立する。(判2)傷害罪の故意で暴行を行ったところ暴行と結果に留まった場合は傷害罪には未遂処罰規定が無い為暴行罪の規定によって処罰される。甲は乙に石を投げた。甲には暴行罪が成立する。(判3)暴行罪刑法208条は暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかった事によって成立する。暴行とは人の身体に物理力の行使。物理力の行使は殴る蹴る引っ張る等の行為の他音、光などの行使も含まれる甲が乙の耳元で拡声器を使って叫ぶ事は暴行になる。(判4)暴行罪刑法308条の暴行は身体に直接加えられなくても傷害の結果を発生させえる具体的危険を生じさせる行為であれば足りる。甲が乙を脅かす為に足元の近くに石を投げる事は暴行に当たり暴行罪208条が成立する。(判5)傷害罪刑法204条の傷害とは人の生理的機能に障害を与える事を言う。そして傷害の方法には有形的方法でも無形的方法でも良い甲が嫌がらせ電話を続けるという無形的方法によって乙をノイローゼに陥らせた場合甲には傷害罪が成立する。
刑法総論(29)19/10/18(判1)不法退去罪刑法130条は住居等に適法にまたは過失により立ち入った者が其の後住居権者から退去の要求を受けたにも拘らず其の場所から退去しない事によって成立する。住居侵入罪が成立した以上は別個に不退去罪は成立しない。(判2)住居侵入罪刑法130条の住居は日常生活に使用する為に人が占有する場所を言い必ずしも法律上の権限に基づいて占有している事を必用ではない。(判3)住居侵入罪刑法130条の建造物は住宅邸宅以外の家屋および塀等で囲われた附属地帯を言う。官公署、学校、事務所、神社、寺院、工場が建造物に当たる。(判4)刑法130条は正当な理由が無いのに人の住居や人の看守する邸宅建造物若しくは艦船に進入する事により成立する。保護法益に事実上の住居の平穏であるとする見解と住居に誰を立ち入らせ誰の滞留を許すかを決定する自由だとする見解新住居説がある。(判5)住居等侵入罪等罪刑法130常の人の住居とは、他人の住居を言い共同生活から離脱した場合共同生活していた住居は他人の住居に当たる。
刑法総論(30)19/10/18(判1)不退去罪刑法130条は住居等に適法または過失に依り立ち入った者がそのあと退去の要求を受けたにも拘らずその場所から退去しない事によって成立する。甲は住居侵入罪が成立した以上別に不退去罪は成立しない。(判2)住居等侵入罪刑法130条は正当な理由が無いのに人の住居若しくは人の看取する邸宅、建造物、船舶に侵入することにより成立する。違法目的で他人住居に立ち入った場合同意が済みでも錯誤に基づく者であり真意の同意を言えず進入に当たる。(判3)住居侵入等罪刑法130常の人の住居とは他人の住居を言い。共同生活から離脱した場合共同生活していた住居は他人の住居に当たるので家出中の息子甲は住居侵入罪が成立する。(判4)住居進入等罪刑法130条の建造物とは住居邸宅以外の家屋および塀等で囲われた附属地帯を言う。甲が外部から見る事のできない敷地内の様子を確認する目的で塀の上部に登った場合甲には住居侵入罪が成立する。(判5)住居進入等罪刑法130条の住居とは人の日常生活に使用される場所を言い。必ずしも居住者が法律上正当な権利を以って住居している必要は無い。家主甲が賃貸契約終了後に賃借人乙の意思に反して賃家にに立ち入った場合甲に住居侵入罪が成立する。
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