四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
12月15日の「夕暮れシノギング」の様子
シノギングイベント恒例となった12月の夕暮れシノギング。集合時間は13:00ということで、早朝に出た場合この時間には凌ぎ終えていることもあるのでなんだか調子がくるってしまう。下山したハイカーを乗せたバスが次々と到着するなか、我々は小仏行きのバスに乗車。朝のような混雑はなくゆっくり座って目的のバス停で下車。凌ぎ始めポイントの広場までふらりふらり歩く。
いつものように出発前のご挨拶とルートの説明。今日は景信山から東に派生する尾根を辿る。つまり景信山に向かってだいたい西に尾根を辿るわけである。それを意識してもらうために地形図とコンパスで現在地を追いながら歩いてもらう。道標のないルートなのでこれがとても大事。
そしてシノギングには欠かせないツユハラヒとクナイをお貸出し。パンツ一枚ではひんやりするときにツユハラヒは冷たい空気を遮断してほど良い暖かさを提供してくれる。そしてクナイは枯れた藪を抜けるときなどに足元がすっきりして歩きやすく異物の侵入を防いでくれる。
準備は整った。いざシノギング!うぉー!
尾根への取り付きはいきなり急な斜面。初めての人はええ?ここ行くの?とやや固まる。
しかし、覚悟を決めて突入していただく。
急斜面ではあるが植林作業のための道が切ってあるのでとても歩きやすい。ツヅラヲリに斜面を上へ上へ。
植林エリアを抜けると南側に展望が得られる。この下の谷を中央自動車道が走っている。
漠然と尾根を辿っているわけではない。設定したポイントに来たかどうかチェックしながら辿っている。GPSを使うのではなく地形の変化と方角でチェックする。
尾根は次第にはっきりと追いやすくなる。しばらく凌ぐとローカルのベテランさんたちが作ったであろうお休み処。
団子もお茶も出てこないが、すっかり葉の落ちた日当たりのいい斜面はとても気持ちいい。
誰にも会わない、気持ち良すぎる尾根。
ここってチェックポイント?・・・ざわつきはじめるシノラー達。
低山小道具研究家の森勝氏からはいろいろな小道具の使い方の紹介。森勝氏ならではの視点が面白い。そのグローブも気になるな。
露払い役を命じられた二人は慎重にこの先のルートを予習する。シノギングイベントでは、誰にも教えてもらいないような山歩きの基本をこうやって少しずつ覚えてもらっている。
西日に包まれて尾根を辿る。夕暮れシノギングならではの光景だ。
ハイキングコースに合流。ここでもチェックを忘れないように。
多くのハイカーが昇り降りするコースは木の根が露出して痛々しい。
ほぼほぼ予定通りの時間に景信山に到着。大山~蛭が岳までの丹沢とその手前に石老山の尾根が横たわる。
ここで、ヨヒヤミ、アグラスカート、ノヤマのお貸出し。日が暮れるまでの寒さを凌いでいただく。
どれも真冬の低山の停滞時に着ることを考えて作られている。
日が沈んで夜景に変わるまで一時間ほどの休憩。
いかにも寒そうな薄暮れの景色。
気温はすでに零度。鉢に溜まった水も氷りついている。
生徒が帰った教室の様な誰もいない山頂。
辺りは徐々に暗くなりはじめ。
富士山の脇にすーっと日が落ちた。高尾エリアでのダイヤモンド富士の見ごろは来週末。
冬枯れた木立の上に弓張り月。
八王子から新宿やスカイツリーまで、少しずつあかりが灯って町が浮かび上がる。
右から左に広がる夜景を満喫する。
茜色の屏風。
凌提灯に火を灯す。
ヘッドライトを灯して下山開始。
足元が暗くなりがちなのでゆっくり歩く。
凌提灯実践投入で江戸時代にタイムスリップ。意外に実践でも使えるのか?
暗い夜道を安全に下山して凌ぎ終了。
高尾駅までゆっくり座ってバスに揺られた。
そしていつもの決して笑ってはいけないヤツ。
今年最後の笑ってはいけないヤツ。
平成最後の笑ってはいけないヤツ。
ありがとう、笑ってはいけないヤツ。
参加者の皆さんありがとうございました!
年内のシノギングイベントはこれで終了です。
新年第一弾のシノギングイベントは一月末を予定しております。
来年もまた一緒に凌ぎましょう。
それではまた。

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