白雪姫は国いちばんのべっぴんでな、そのうえ優しいさけ、動物からも人間からも愛されとったんよ。
でも白雪の本当のお母さんは病気で亡くなってしもて、かわりに継母ができたんやけど、これがものごっつい性格がわるぅて、自分の美貌にしか興味なかったんや。そんな継母の日課は毎朝鏡に尋ねることやった。
「なあ、鏡、この世でいちばんのべっぴんは誰や? いや、そんなん私にきまってんねんけどな、一応念のために聞いときたいんや。ほら、私も歳やから」
そんなら鏡はこう応える。
「そんな心配いらんがな。あんたに決まっとる。間違いない」
「ほんまか!よかったわ~。私が美貌うしのうたら、なんの取り柄もないもんなあ。あの人がもろてくれたんも、結局は美貌やろうし。…なんかこんな話ししてたら寂しなってきた」
こうやって毎日、おいつめられそうな自分を慰めとったんやな。
一方、白雪は今が恋の真っ盛りや。噂を聞いてはあの人がいい、あの人と付き合えたらって。でも、心がおとなになっていくと、体もおとなになっていくもんで、肉付きもようなってくる。白雪はお姫様や。紅やら白粉やらには苦労せえへんかったけど、そのぶん、自分の容貌はきになっとったんや。
それで白雪は継母にいつでも聞いとった。
「ねえ、お母様、私はきれいなんでしょうか。最近、着る服がきつく感じて、太ったのではないかと」
「心配いらないって、何回言ったら気がすむねん。それはおとなになった証拠。私なんか見てみ?二の腕もこんなにたるんできて」
おどけてみせる継母に白雪はきゃっきゃと笑った。
あ~あ、白雪姫は自分の態度にお義母さんがどんどん傷ついとることに気づかへんかったんやな。
で、とうとうお義母さんも切れてもた。
狩人に白雪を殺すよう命じた。
でも、狩人にとっては、かわいい娘や。殺されへん。それでこっそり逃がして、かわりにイノシシの心臓をもちかえったんや。
その頃、継母はちょっとやりすぎたと後悔しとったんやけどな、帰ってきた狩人は白雪姫の心臓を差し出してくるし、はっきり言って後の祭りや。継母は供養のつもりで、白雪姫の心臓を食べたんや。
「なによ、あの子、塩分摂り過ぎじゃないの?こんな辛いのたべられへんわ」
ゆうてな。
でも白雪の本当のお母さんは病気で亡くなってしもて、かわりに継母ができたんやけど、これがものごっつい性格がわるぅて、自分の美貌にしか興味なかったんや。そんな継母の日課は毎朝鏡に尋ねることやった。
「なあ、鏡、この世でいちばんのべっぴんは誰や? いや、そんなん私にきまってんねんけどな、一応念のために聞いときたいんや。ほら、私も歳やから」
そんなら鏡はこう応える。
「そんな心配いらんがな。あんたに決まっとる。間違いない」
「ほんまか!よかったわ~。私が美貌うしのうたら、なんの取り柄もないもんなあ。あの人がもろてくれたんも、結局は美貌やろうし。…なんかこんな話ししてたら寂しなってきた」
こうやって毎日、おいつめられそうな自分を慰めとったんやな。
一方、白雪は今が恋の真っ盛りや。噂を聞いてはあの人がいい、あの人と付き合えたらって。でも、心がおとなになっていくと、体もおとなになっていくもんで、肉付きもようなってくる。白雪はお姫様や。紅やら白粉やらには苦労せえへんかったけど、そのぶん、自分の容貌はきになっとったんや。
それで白雪は継母にいつでも聞いとった。
「ねえ、お母様、私はきれいなんでしょうか。最近、着る服がきつく感じて、太ったのではないかと」
「心配いらないって、何回言ったら気がすむねん。それはおとなになった証拠。私なんか見てみ?二の腕もこんなにたるんできて」
おどけてみせる継母に白雪はきゃっきゃと笑った。
あ~あ、白雪姫は自分の態度にお義母さんがどんどん傷ついとることに気づかへんかったんやな。
で、とうとうお義母さんも切れてもた。
狩人に白雪を殺すよう命じた。
でも、狩人にとっては、かわいい娘や。殺されへん。それでこっそり逃がして、かわりにイノシシの心臓をもちかえったんや。
その頃、継母はちょっとやりすぎたと後悔しとったんやけどな、帰ってきた狩人は白雪姫の心臓を差し出してくるし、はっきり言って後の祭りや。継母は供養のつもりで、白雪姫の心臓を食べたんや。
「なによ、あの子、塩分摂り過ぎじゃないの?こんな辛いのたべられへんわ」
ゆうてな。