小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

心霊YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報などはブログ1P目又はツイッター(X)にて🌹

小説「オミとカイ」43.痛々しいカイ

2024-10-25 23:00:00 | 小説

「華ちゃん ?」


「その...」


 カイの言いたいことが分かって切なくなった。

 まだそんなに俺と華ちゃんはあやしく見えるのか。


「大丈夫 。アルバムの制作期間だから、明日の朝には帰るみたいだし。今日だってカイの見張りを ダイキが頼んでくれただけだし。 何よりダイキがそばにいるから安心じゃん」


と俺はカイの手を握った。


 カイはほっとした表情を浮かべた。 痛々しい気がした。


 そこで俺たちは思い出した。


 今日撮影してきたラブホの写真のことだ。


「ちょっとでも充電できてればいいんだけど...」



 そう言いながら カイが電源ボタンを押してみると、スマホはちゃんと起動した。


「包帯の他に何かヤバそうなもの写ってる?」


「いや... 動画にも別に何も写ってない...バスルームも。音も入ってないし」


 オミも確認してみて、と言われてスマホを受け取り、俺も写真や動画に目をやったが、カイの言う通り何も入ってはいなかった。


 音も、声も。


「あとは パソコンで確認だな」


「そうだね...するとこのラブホは、オミはホラーアワードの撮影の候補地ではないと思う

? 」


「いや、あれだけ現象があったからもったいないな...」


 とは言うものの、 今日一日いろんなことがありすぎた。


 カイも疲れた顔をしている。俺ももうぐったりだ。


 情けないけど今日はもう終わり。

 ホテル撮影の許可申請も明日以降にする。


それではおやすみなさい...



コメントを投稿