「うん、 でもそれは現実世界の話。俺が言うのは両方の世界の話」
両方、と言うのはカイらしいなと思う。 なんかストイックでカッコいい。
「荷が重いライフワークではあるけどね」
「カイもそう思ってたんだね、ライフワークって。始めた時のような絶望とか消去法とかでやってるわけじゃないね」
「そうだね あの時は流行っているから YouTube でも始めるかって感じだったね」
「でも始めたら意外と大変だった。 でも好きだったんだよね。 きっと」
そこまで話したところで、もう時間も遅いし寝ようか、と俺が言った時、カイは 泣きそうな顔で、
…あのう、チューは...?
そうだった。
俺はすまなさで一瞬 凍りつき、
ごめん、と...
カイの頭を引き寄せて、彼の頭に唇をつけた...
…今の俺にはこれが精一杯だった。
「…」
唇が 離れると、 お互い何だか驚いて、照れてしまって、うつむいてしまった。
しかし、その後も、カイにはつらそうに尋ねられたのだ。
「...華ちゃん...」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます