小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

心霊YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報などはブログ1P目又はツイッター(X)にて🌹

小説「オミとカイ」40.あの頃…

2024-10-22 22:19:00 | 小説

 カイの方は言いづらそうに、


「もう、解消されてることなんだよ


今はオミが〈礼霊ず〉を、異色のイケメン看板としてチャンネルを盛り上げてくれてさ。 本当に感謝してる」


「…それで 俺の嫌なところ 怒らないから教えて 」


 だんだん 俺は不安になってきた。

  そんなにまずいことなのだろうか 。

 俺たちのこれからの関係を壊してしまうかのような…


「じゃあ 絶対に俺のこと嫌いにならないって約束して… 」


「うん 」


と言う他はないだろう。

 俺はちょっと笑って


「あ 分かった どんなに重い内容でも教えてくれたらお礼に 俺からチューするよ 」


「え 、本当? 」



 はにかみながらのカイの笑顔は可愛らしかったが、


すぐに、しまった 罠にかかってしまったなんて言ってた。


「だからカイ、教えて…」


お互い ドキドキしている。


しかし、意を決したらしいカイは、


「その、ね 、ダイキに俺はオミのことを恨んでるって言ったんだ。


バンドの時、オミがボーカルを引き受けてくれていたら、俺たちはプロのミュージシャンになれていたんじゃないか って思いが今でも消えないって…」


「だから俺はずっとそばで お前の行く末を見届けたいとか、地獄の果てまでついていく、とか刺し違えても構わないとか。半分は本当で半分は嘘だよ」


「その半分半分っていう意味は何? 」


「やっぱり、恨んでる、の部分 かな 」


「無理しなくていいよ。俺は恨まないから 」



すると カイは笑い、


「他のバンドになくて、自分たちのバンドにあるものはルックスの良さとかオーラみたいなものと思っていたから、 演奏が若干下手でも曲がいまいちでも、なんか目立てれば変わっていける気がした。

オミは声が出たし 」


「まずはそこから、と思ったのに、 オミの家まで、行っでも頑なに ボーカルを引き受けないんだもん。 困ったよ 」



コメントを投稿