カイの方は言いづらそうに、
「もう、解消されてることなんだよ
今はオミが〈礼霊ず〉を、異色のイケメン看板としてチャンネルを盛り上げてくれてさ。 本当に感謝してる」
「…それで 俺の嫌なところ 怒らないから教えて 」
だんだん 俺は不安になってきた。
そんなにまずいことなのだろうか 。
俺たちのこれからの関係を壊してしまうかのような…
「じゃあ 絶対に俺のこと嫌いにならないって約束して… 」
「うん 」
と言う他はないだろう。
俺はちょっと笑って
「あ 分かった どんなに重い内容でも教えてくれたらお礼に 俺からチューするよ 」
「え 、本当? 」
はにかみながらのカイの笑顔は可愛らしかったが、
すぐに、しまった 罠にかかってしまったなんて言ってた。
「だからカイ、教えて…」
お互い ドキドキしている。
しかし、意を決したらしいカイは、
「その、ね 、ダイキに俺はオミのことを恨んでるって言ったんだ。
バンドの時、オミがボーカルを引き受けてくれていたら、俺たちはプロのミュージシャンになれていたんじゃないか って思いが今でも消えないって…」
「だから俺はずっとそばで お前の行く末を見届けたいとか、地獄の果てまでついていく、とか刺し違えても構わないとか。半分は本当で半分は嘘だよ」
「その半分半分っていう意味は何? 」
「やっぱり、恨んでる、の部分 かな 」
「無理しなくていいよ。俺は恨まないから 」
すると カイは笑い、
「他のバンドになくて、自分たちのバンドにあるものはルックスの良さとかオーラみたいなものと思っていたから、 演奏が若干下手でも曲がいまいちでも、なんか目立てれば変わっていける気がした。
オミは声が出たし 」
「まずはそこから、と思ったのに、 オミの家まで、行っでも頑なに ボーカルを引き受けないんだもん。 困ったよ 」
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