華島さんのバンドは地元ということで、自分達のライブだけではなく、札幌でのロックイベントには必ず来ていた。
そのうち俺はもう、華島さんのことしか考えられなくなっていた。
ガチ恋っていうやつだ。
同じように熱烈に華島さんのことが好きなお姉さんたちに用心棒みたいなことを頼まれて重宝され、 まだ追っかけの中に男は目立つから一緒に立っててほしいと言われ、確かに華島さんの視線をキャッチすることができたのだ。
お姉さんたちと俺は手を取り合って大喜びした。
それで仲間にしてもらえて、他のファンにほ知られないようにしている、華島さんのお気に入りの、怪しいバーにも連れていってもらえるようになった。
バーの内装は少しワイルドな感じでお洒落だったが、俺のような16才、見るからに未成年の男でも平気で酒を出してくれるような店だった。
そのうち1時を回った頃、三次会を抜け出してきたらしい、女連れの華島さんが本当にやってきて…
とにかく綺麗で色っぽいロックスターだったのだ。オーラが全然違う。
これから伸びていく人だなあと 俺は確信した。
…でも…あんなことになるなんて。
そして、華島さんの行方がわからなくなるなんて…
…その夜眠れない俺はずっと、いろんな心霊YouTuberのチャンネルを見ていた。
でも礼霊ずを見る気にはなれなかった。
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