普段なら車の中で休ませるのだが、交通量は普通にある道路ではあるし、カイは退院したばかりだし…
すると、カイの頭越しに茶色のタイル張りの外装のビルが見えた。
そこに喫茶店でもあれば…と首を伸ばして見ると、〈ご休憩〉とか〈女子会男子会もOK〉とかいう文字…
「ラブホか…何だか古くさい建物だけど休ませてもらうか…」
カイに声をかけると、俺はホテルの駐車場に車を進めた…
案の定、中も古くさかったが、カーペットの色がやや抜けているくらいで、そう汚れているわけでもなかったので良しとしよう。
まあ無意識のうちに、いつもの撮影の廃ホテルと比べてしまっているのかもしれないけれど…
どうにか部屋に入って、とにかくカイを優しく寝かせた。
「オミ、ごめん… 」
「ううん… 」
そして俺もベッドに潜り込んだ。
すると寝る気はなかったのに、凄い睡魔が…
「…爆睡しちゃった…」
次に目覚めた時、俺は真っ青になった。
しかし、隣りには目を覚ましていたカイがいたのでほっとした。
だが、カイの表情はけわしかった。
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