「中国人とうまくつきあう実践テクニック」 プライベートブログ

中国人理解/異文化理解、「本」やコラム、公式ブログには書ききれなかったホンネを綴る

「うまくいった交渉とは・・・」

2012-08-02 02:07:15 | ■中国人の面子(メンツ)
「うまくいった交渉とは・・・」

 例えば、あるビジネス折衝で交渉に臨むとき、その交渉期間を「1週間」とします。仮に交渉開始後3日目でその交渉がまとまったとしましょう。そのとき日本人は「交渉がうまくまとまった」、「今回の交渉はスムースにいってよかった」と考えるのではないでしょうか。「予定より早く終わってよかった」、「いい交渉ができた」と考えるのが普通でしょう。皆さんもそうではないでしょうか?もめないほうがいいことなのです。スムースに進んでよかったと考えます。

 一方、中国人は違います。もめたほうがいいというわけではありませんが、彼らは目標を勝ち取るために徹底的に、最後の最後まで粘って話し合いを続けます。仮に、3日目でまとまりそうになったとしても、ここで決着させません。「合意点」に近づきつつあるそのポイントから、さらにもう一歩踏み込んだ要求を出してくるのです。3日目では決着させずに、4日目、5日目と別の交渉カードを使って、さまざまな要求を突きつけてくるのが中国的交渉の特徴です。

 そんな中国人を見ると、日本人は「したたか」と感じます。「自分のことしか考えない」と感じるのでしょう。「話が違う」とか、「話がころころ変わる」とか、「朝令暮改」とか、これもマイナスイメージの言葉を並べて、時にはそんな態度を批難します。繰り返しになりますが、中国人にとって交渉とは、最終的に自分たちとってより多くの有利な結果を勝ち取ることが中国人にとっての交渉なのです。

 「ずるい」「したたか」「手強い」「苦手」「わけがわからない」「だから中国人はいやだ」と考えずに、日本側も「結果を勝ち取るための交渉」を意識して、「闘い」に臨むべきではないかと思います。ビジネスはボランティアで万民の幸せ(?)のために慈善事業をやっているのではなく、会社は利益を出さなければ成り立たないのです。「私欲を貪る」ではありません。仕事を通じて社会に貢献するためには企業体として会社が成り立っていることが前提のはずですから・・・。(続く・・・)