新宿のつづきです。
そもそもその日は、
前日にレコーディングが終了した記念に、
新宿までの往復約25キロ・ジョグに挑んだのでした。
何かの区切りに、
区切りらしいことをやろうとするのは、
僕のいつもの習慣だと、
自分でもだいたい分かってきました。
今回はロングランに挑戦して、
身体をいぢめることで、
毎日の時の流れにひとつ句読点を打とうと思いました。
ところが、新宿にたどり着いた時点で、
なんだかとっても疲れてしまいまして、
帰りはあっさり電車に乗ってしまいました。
90分もかけて行ったのに10分ちょいで帰って来れました。
なんだか句読点を打ちそびれて駅につくと、
大きな銭湯のようなやつの看板が
目にバコ~ンと飛び込んで来ました。
これだ、、、。
本日の区切り作戦の路線を180度変更して、
大きなお風呂にゆっくり浸かって、
身体をいたわることで
毎日の時の流れにひとつ句読点を打つことにしました。
大きなお風呂に入り、サウナに入り、
露天風呂に入り、薬草のお湯につかり、、
よもぎミストを吸い込み(謎)、
いい気持ちです。がしかし、
もうひとつ区切り的なインパクトがありません。
その時にガキ~ンと目に飛び込んで来たのが、
同じ施設内にある「韓国式アカスリ」のポスターでした。
これだ、、、。
即座に決断して、受け付けに予約に走りました。
希望の45分コース(オイルマッサージ付き)はダメでしたが、
20分のAコースを1時から予約できました。
僕は韓国式アカスリをしたことがありません。
ドキドキしながら湯船につかり、その時を待ちます。
ややあって、時間になりました。
アカスリ・コーナーみたいなところに行くと、
おばちゃんがいました。
「1時の人?」
おばちゃんがいいました。
そうですそうです。僕が「1時の人」です。
「はいこっち」
二台並んだ診察台のようなベットの、
奥の方の台に呼ばれました。
すみやかに近づいて行くと、
おばちゃんが言いました。
「はい。タオルこっち」
え、、、、、。
ここはお風呂なので、
この小さな一枚のタオルが僕の人としての尊厳を
守ってくれる最後の砦です。
いきなりそれを、、取り上げる、、、。
急に言われても心の準備が、、。
がしかし、望んで来たのは僕です。
僕が好き好んでお金を払ってまで、
希望してここに来て「1時の人」になりました。
郷に入れば郷に従え、です。
アカスリ・ルールは絶対です(知らないけど)。
言われるがままに、
タオルをおばちゃんに渡しました。
でもそうです。どっちみちここはお風呂です。
ハダカでいいんです。
「はい。じゃここ寝て」
はい。
「最初仰向け」
いきなり仰向け!
でも、僕はもう決めていました。
おばちゃんの思うようにすればいい。
おばちゃんが全部決めていい。
そう思い、目を閉じました。
その時です!!!
つづく。
うそです。すぐ書きます。
まず右足から、作業が始まったようです。
はっきり言って、超気持ちいいです!!
おばちゃんが手を包むようにして持っている、
ちょっと固めの布地の感触が心地よいです。
あ~気持ちいい。
そう思いながら目を閉じました。
ところが、3分後くらいでしょうか、、
おばちゃんの作業が僕の太腿あたりに来たときです。
痛、、、。痛いよ~。
全然だめです。
モモなどの肌の弱い敏感な部分が刺激に耐えられません。
これでは全然だめです。
がしかし、なんというか、
それをなかなかおばちゃんに切り出せません。
でも、このままの強さでゴシゴシやられたら、
お腹とか、脇とか、背中とか、
痛くて真っ赤に腫れ上がってしまいかねません。
どうしようかと思案しながらも、
ゴシゴシは続き、痛みに表情が歪みます。
すると、僕の表情に気づいたおばちゃんが、
「大丈夫?」
大丈夫じゃないので素直に、
「すみません。やや痛いです。初めてなもので、、、、」
と打ち明けました。するとおばちゃんが、
「はじめて?」
と少し驚いたような表情を見せて、
謎の笑顔で、そこからはやや優しく作業してくれました。
それからはちょうどいい感じで
おばちゃんに心身ともにゆだねつつ、
壁の時計に目をやると1時25分でした。
僕は1時からの20分コースをお願いしているので、
すでに5分オーバーなのですが、
しかし、作業は終わる兆しがありません。
「まあ、なんでもいいや」
と、おばちゃんとのひとときに集中しました。
お金ならいくらかかってもいい、、
時間?時間ってなあに?、、、、、
僕はばかになって、
ただおばちゃんの手の動きに心を寄せていました。
やがて、おばちゃんの手がとまり、
「はいじゃこっち」と促され、
ベットから下りると、おばちゃんがお湯で
身体を流してくれました。
「はい、おしまい、、」
おばちゃんの声に振り向くと、
おばちゃんは汗びっしょりでした。
こんなに汗をかいて一生懸命にやってくれたのか、、、。
「おばたん、、、、、、」
時計は1時35分になっていました。
どうやら、僕が初めてといったので、
サービスしてくれたようです(たぶん)。
20分コースが35分ですから、、、
しかも45分コースは20分コースの
倍以上の金額設定となっていることを考えると、
やや度を超したサービスと言って良いでしょう。
おばちゃん、、、、、、、
僕は、言葉にならない言葉をしぼり、そして言いました。
おばちゃん、、、タオル返して、、、。
無事にタオルを返してもらい、
おばちゃんとの麗しいひとときに別れを告げて、
再び湯船向かい、僕は歩き出しました。
振り向いちゃいけない、、、。
振り向いちゃいけない、、、。
そう思いながらも、
おばたんの汗びっしょりの笑顔が浮かびます。
だめだ、、こらえきれずに振り向くと、
おばちゃんはもう、、、
違う男にお湯かけてました!!残念。
しかし、ほんとうに気持ちよかったですl
心からさっぱりしました。
すっかり満足した僕はお湯からあがり着替えて、
上のフロアーにビールを飲みに行きました。
とそのときです!!
僕の目に「中国式足つぼマッサージ」の看板が、
バキ~ンと目に飛び込んで来ました。
これも、、、なんだな、、、。そうなんだな。
あきらめるように、何かを認めるように、
何かを受け入れるかのように、
僕は受付を済ませていました。
この際、、、、もっとキレイになりたい、、、。
これまで女の人がエステに散財するのを、
正直ばかかと思っていました。はっはっはっ、、(失礼)。
エステなんて、、、。
でも今は違います。
お金じゃない、、カラダのキレイもココロのキレイに。
時間になり、足つぼコーナーに行くと、
足つぼお姉さんが待っていました。
そこは、足つぼお姉さんと、足つぼお兄さんの
おふたりで予約を回しているようでしたが、
僕には足つぼお姉さんが割り振られました。
アタリ、、、と、言って良いでしょうか、、、。
どうでしょうか、、、。
「はい、じゃ座ってください」
「足をこちらに」
正直、フットケアみたいなのは経験があります。
今回は僕にも心の余裕があります。
服も着ていますし。
ただ、これもアカスリ同様、痛かったです、、、、、。
途中、あまりにも痛いポインツがあったので、
「痛いです、、、、」といい、
ソフト路線に変更していただきました。
僕は優しいのがいいみたいです(そんなの知るかよ)。
もう書くのが大変になってきましたので、
はしょりますが、これも大変気持ちよく、
ほんとうにリフレッシュしました。
たくさん走って疲れていた足が、
とっても軽くなりました。
と、その時です!!!
僕の目に「タイ古式療法」コーナーの看板が
キュド~~ンと飛び込んで来ました。
いろいろあるんですね。
これも、、なのだろうか、、、、。
一瞬、ややまよいました。
どんなものかと中を覗き込みましたら、
やや薄暗い部屋がいくつかの布地で仕切られ、
そこでタイ風の衣装を身にまとったギャルの方々が、
割とハードな姿勢で、マッサージのようなものをしています。
されているお客の方々も女性が多いようです。
時折、吐き出す息の音や、服の衣擦れのような音が聞こえるだけで、
静寂に包まれた、、、
女たちの秘密空間、、、
という感じです。
どんな空間なんだろ~。
かなり惹かれたのですが、
けっこう疲れましたので、
またのお楽しみにしました。
その後も、休憩所での、
レディーズ・コミックとの出会い、、、など、
いろいろ興味深い出来事がありました。
OLさんをテーマにした、
怖い怖いマンガがたくさん載ってました!
ものすごく怖かった!!
この日、僕のカラダはいろんな目にあい、
とてもリフレッシュしました。
ありがとう、男湯。
そしては、僕はふたたび走って家路につきました。
めでたしめでたし。
では、この辺で。
この項、もうつづきません。