バレエスタジオ ティアラ

バレエを楽しむ人を増やしたい!バレエに関するエトセトラとその魅力をお伝えするブログです。

アルレキナーダの豆知識 その4

2013-07-31 14:17:54 | バレエ豆知識

続きです~~~。予告通り、書籍からの抜粋です。

 

オックスフォードバレエ用語辞典には、あまり記述がなかったので、今日は

 

『バレエ音楽百科』音楽之友社刊 小倉 重夫著

 

から引用してお届けします

 

「百万長者のハーレキン」

前2幕 振付プティパ、音楽ドリゴ、美術アレグリ、衣装ポノマロフ、初演サンクトペテルブルク・エルミタージュ宮殿劇場 (1900年2月10日。主演クシェシンスカ)。善良な妖精を味方に付けたハーレキンは大金持ちになり、コロンビーヌとめでたく結ばれる。この作品の1曲に、後日「ドリゴのセレナーデ」として有名になる音楽が含まれている。

 

「ハーレキナード」

1. 1900年に振付プティパ、音楽ドリゴ、初演サンクトペテルブルク帝室マリンスキー劇場で上演された(スタッフCの注: ここの部分、ちょっと上と違うので?なのですが・・・)全2幕の「百万長者のハーレキン」を、1933年に振付師のロブホフが作曲者のドリゴに生前了承を得たうえ、レニングラードのマールイ・バレエで新演出したのがこの作品で、表題もあらためられた。19世紀半ばのパリを舞台にアルルカン、ピエロ、コロンビーヌの衣装の若者たちの活躍のもと、金持ちの父親が言い包められた末、娘と貧乏学生との結婚を承諾させられるまでの顛末が、洒落たタッチで描かれる。

2. このロブホブ版は人気が高く、その後幾つかの新演出が生まれた。その中では1965年2月4日にバランシンがニューヨーク・シティ・バレエで行ったものが評価が高い。コメディア・デラルテ風タッチで、アルルカン、コロンビーヌ、ピエロの3人に、さらにピエレット、妖精たちをくわえ、奇術あり、早変わりあり、ロマンスあり、露骨なコメディありと、楽しいバレエに構成されている。

 

ピエレットは女性のピエロのこと、大抵はピエロの恋人ですね

コメディア・デラルテは、もう以前にちょっと触れたと思いますが、

イタリアの喜劇の一様式、でしたね~~~

こちらの書籍、入手にはちょっと苦労しました

というのも、書店で聞くと、絶版ではないが、再販未定で在庫もなし、というとても宙ぶらりんな状態で、

ヤフオクやブックオフで探した末、ブックオフオンラインで購入しました。

著者の方のバレエ書籍も多く、調べたりしているのですが、情報があまりありません。

ご存知の方いらっしゃったら、ぜひ教えてください

 

さて、実はちょっと前まで、このマールイ・バレエ版と思わしき映像がYou Tubeにあったのですが、

削除されてしまったようです…

 

コンクールで踊られるバリエーションこそ入ってなかったものの、

50分くらいの楽しいバレエで、時々観て楽しんでいたのですが、

もう観られなくなってしまいとても残念です!!!

 

DVDが国内で入手可能ならそれもいたしかたないと思いますが、

販売しているものを観たことはありません。

どなたかお持ちでしたらご一報を!!!

 

次回も違う書籍から抜粋を考えております。

スタッフCが以前愛読書としてご紹介した本から!

(引っ張るなぁ~~~)

 

 

 


アルレキナーダの豆知識 その3

2013-07-25 15:56:25 | バレエ豆知識

アルレキナーダの続きです

 

 

前回、Wikipedia に断り書きが出ていた、Les Millions d'Arlequin のページはこちら

http://en.wikipedia.org/wiki/Les_Millions_d%27Arlequin

 

開いてみました?

 

そう!これもマリウス・プティパさんの作品なのですね~~~

 

最初の1~2行だけ訳してみますと

 

Les millions d'Arlequin (別名 Harlequinade) は、2幕もののバレエで、台本、振付はマリウス・プティパ、音楽はリチャード・ドリゴによる。

 

で、飛びまして途中訳しますと

 

後に、(ボリショイ・バレエの) バレエ・マスターであるフォードロフ・ルボコフが、レニングラード(現サンクトペテルブルク)のマールイ劇場で1幕ものバレエ 「アルレキナーダ」として再演 (1933年6月13日にプレミア)。ロシア外の観客にとって親しみがあるものは、ジョージ・バランシンのリバイバル上演であろう - ニューヨーク ステート シアターにて、「アルレキナーダ」として1965年2月4日にプレミア。

 

あ、プレミアってシーズン初日のことですからね!(知ってるって?失礼しました)

 

さて、アルレキナーダなのか、アルレキナーダなのか、はたまたハレルキナーダなのか、という質問が挙がったりするみたいですが、ま、どれも間違いではないって感じですかね

 

だって、RとLが続くスペルですから、日本人には、ル なんだか レ なんだか紛らわしい~~~感じの発音ですよね~~~。また、フランス風に読むと H は黙字(中学校の英語で出ますよね~~~knifeはナイフ!K は読まない字=黙字)になるので、ハではなく、アルレキナーダですね。

 

次回は他の書籍から抜粋して、アルレキナーダに関する豆知識…(しつこいかしら)続く

 

 


アルレキナーダ その2

2013-07-22 15:59:14 | バレエ豆知識

さて、国をまたがった人気者であるがゆえに、様々な名前を持つことになったアルレキナーダのお話の続き

 

今日もWikipediaの記事のURLを張りますが、こちら英文記事です

http://en.wikipedia.org/wiki/Harlequinade

 

Wikipedia の記事の最初の記事にあるように、アルレキナーダはそもそもが「the English theatrical genre」、イギリス演劇の1ジャンルなのですね。バレエのアルレキナーダに関しては、Les Millions d'Arlequin. を参照のこと、とあります。

 

引っ張り好きのスタッフCですから、今日はこのイギリス演劇の話から行きますよ!だって、これについて少し説明しないと話が進めづらいんですもの・・

 

Wikipedia からの抜粋ですが、アルレキナーダとは、コメディア・デラルテ (イタリアの喜劇の一種) に起源をもち、イギリスで発展したドタバタ喜劇で、アルレキナーダが主役の、一連のシリーズのことなのです。

 

たとえてみれば、吉本新喜劇!みたいな!(あれ~、バレエから離れますねぇ~~~)

といってもアルレキナーダは声を出さない、パントマイムで話が進んでいく劇、とのことですが。

 

でも、ストーリーの構成とかも吉本新喜劇を考えると理解しやすいように思うんです。吉本新喜劇って、登場人物は毎回ほぼ同じ、じゃないでしょうか?

 

アルレキナーダも同じです!5人の主要人物とそれぞれの人間関係は決まっているんだけど、劇自体は毎回独立したストーリーで、途中の1回だけしか見なくても、話の意味はわかる。

 

だけど、お決まりのギャグが必ず入っていたりして、ファンはそこがたまらなかったりしますよね

 

漫画でも、似たもの、ありますよね。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」とか(あ、例えが古い?)

 

さて、アルレキナーダの主要人物、5人ですが、

 

Harlequin ハーレクイン、別名ご存じ、アルレキナーダ

Columbine コロンビーヌ、アルレキナーダの恋人

Pantaloon パンタロン、コロンビーヌの父親でちょっと欲張り。もしや、パンタロンというズボンはこの人がルーツ?

Clown クラウン、アルレキナーダの敵役として、たいていパンタロンと手を組んで、アルレキナーダとコロンビーヌの仲をじゃましようとします

Pierrot ピエロ、クラウンの召使。いつも警官に追いかけられる羽目になるかわいそうな役どころ。

 

こうしてみると、アルレキナーダとピエロとクラウンとが、現代ではごっちゃになっている感もありますね…衣装を含め。ま、喜劇のメイン・キャラクターということでひとまとめになってるんですかね~

 

ま、ごっちゃになっている部分はあれど、西洋の文化の一部として定着しているキャラクターたちと思われます。だから西洋の人だったら、あ~~、あれあれ、みたいな?

 

違いをあえて言うなら、アルレキナーダは頭の回転が速く、とんちでピンチを(お、語呂がいいですね)切り抜ける、クラウンはちょっと大柄で敵役として登場、ポパイのライバル、ブルートみたいな位置づけ、ピエロは白のぶかぶかの衣装で、いつも損な役まわりって感じかと思います。

 

ではまた次回に続きまーす


アルレキナーダについて その1

2013-07-19 15:37:14 | バレエ豆知識

さて、前回予告していました、アルレキナーダについての豆知識シリーズその1です。

 

その1とつけましたが、例によって長くなりそうです

 

まず、つづり、確認してみましょうか

 

Harlequinade

あるいは

Arlequinade

などと書かれています。

国によってなのか、単純に書いた人の間違いなのか定かではない部分がありますが、両方の綴りを目にします。

さらに末尾の e がついてないものもあったような気がします…

 

 

ちなみに、こちらのサイト見てください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%8E

イタリア語でアルレッキーノ、フランス語でアルルカン、英語でハーレクイン(大人の女性向け、ハーレクイン文庫、なんていうのもありますが)と呼ばれるこの方、画像を見ると…。

そう!前回のバリシニコフの衣装にそっくりですね!というか、彼が踊っている役こそ、このアルルカン、別名アルレキナーダと思われます!

 

つまり、アルレキナーダというのは、タイトルロール(演目に名前を使われているキャラクターのこと)である、この方の名前なんですね。

 

Wikipedia では、このアルレッキーノのページと、アルレキナーダのページが分かれちゃってるけど、それぞれのリンクをたどっていくと、あれ~~~、やっぱり同じものの話みたいよ~~~って感じ(ちょっとあいまいなスタッフC

(こういうのは、Wikipedia に報告するものなんでしょうかね)

 

次回に続きます

 

 


マリー・タリオーニさんの話

2010-10-02 21:00:00 | バレエ豆知識
今日はマリー・タリオーニさんのお話

彼女は「ラ・シルフィード」の初演を踊ったダンサーとして、
また初めてトウで立って踊ったダンサーとして、
バレエの歴史に深く名前を刻んでいるダンサーなのです

彼女が「ラ・シルフィード」でトウシューズで踊る以前から
大道芸のような形でトウで踊ってみせるダンサー(というか大道芸人ですかね~)は
いたようですが、
タリオーニさんが初めてそれをバレエの舞台で
芸術的なものとして観客に見せたわけですね

さて「ラ・シルフィード」は彼女のお父様のフィリッポ・タリオーニが
彼女のために振りつけたもの。
お父様自身もダンサーで、そもそもこちらのご家庭、
ダンサー一族だったようです。

マリー・タリオーニはお父様などの師事で
なかなか高度なテクニックをお持ちだったようですが
ちょっと猫背だったとか。

あとなんだか感情に乏しいところがあったとかで、
それを逆手にとって「妖精」を踊らせよう、と思ったのが
「ラ・シルフィード」誕生につながったとか・・・

シルフィードのちょっと前かがみのポーズも、
彼女の猫背をうまくカバーしようとして作られたそうですが、
なんといっても大昔のことですし、
どの辺まで信頼できる記録によるものかは
わからないですね~~~

ただ、感情に乏しいところがあったというのがうなずけるのは後日談
彼女は「ラ・シルフィード」の成功で一大スターになったのですが、
お父様が散財したりとかで結局経済的にはあまり恵まれなかったらしいです。

でもそういうことも淡々と受け止めて
舞台にカムバックしたり、バレエ講師をやったりしても
そんなに文句をおっしゃる方ではなかったらしいです
まあ、しょうがないわね、といった感じで

だから感情的に乏しいというよりは
もしかして大物だったのかもしれませんよね

マリー・タリオーニさんのWikipediaはこちら