先日、テレビで「日本人が愛する洋楽アーティストベスト50」なる企画のランキング番組が放送された。
翌日睡眠不足になるのを覚悟のうえ、結局最後まで見てしまった。
ランキング結果は以下の通り。
順位 アーティスト名
50、 ドゥービーブラザーズ
49、 ビヨンセ
48、 AC/DC
47、 ワム
46、 エルトン・ジョン
45、 エマーソン、レイク&パーマー(EL&P)
44、 コールド・プレイ
43、 ボブ・ディラン
42、 デュラン・デュラン
41、 ビージーズ
40、 プリンス
39、 ビーチボーイズ
38、 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
37、 ガンズ・アンド・ローゼズ
36、 ホイットニー・ヒューストン
35、 キング・クリムゾン
34、 ジェフ・ベック
33、 ザ・フー
32、 ニルヴァーナ
31、 マドンナ
30、 キッス
29、 シカゴ
28、 イエス
27、 U2
26、 シンディ・ローパー
25、 ホール&オーツ
24、 TOTO
23、 ピンク・フロイド
22、 ヴァン・ヘイレン
21、 レディ・ガガ
20、 ジャーニー
19、 ディープ・パープル
18、 デビッド・ボウイ
17、 ポリス
16、 アース・ウィンド&ファイヤー
15、 オアシス
14、 エアロスミス
13、 ボン・ジョヴィ
12、 アバ
11、 スティービー・ワンダー
10、 ローリング・ストーンズ
9、 イーグルス
8、 エリック・クラプトン
7、 ビリー・ジョエル
6、 サイモン&ガーファンクル
5、 カーペンターズ
4、 レッド・ツェッペリン
3、 ビートルズ
2、 マイケル・ジャクソン
1、 クイーン
ランキングを見てると、これはあくまでも「日本人が好きな洋楽アーティスト」という条件で見ないと納得できない結果な部分が個人的には・・ある。
いきなり50位でドゥービーがランクインし、かろうじてベスト50入りした感じだが、70年代当時は当時のアメリカを代表するバンドで、イーグルスと人気を2分したウエストコースト系ロックバンドであったことを考えると、少し寂しい結果。やはり日本では、イーグルスには「ホテルカリフォルニア」「ならずもの」といった日本人好みの曲があることが大きかったのだろう。ドゥービーは個人的にはイーグルスと双璧なくらい好きなバンドだった。
エルトンは、70年代はアメリカでビートルズの記録を塗り替える売れ方をした人物だったが、日本では思ったよりも低い評価に思える結果。
個人的に大ショックだったのがボブ・ディラン。まさかの43位・・。おいおい、本当かよ・・と嘆きたいぐらい。歌詞が重要なシンガーだが、日本人はまずはメロディから曲に接するわけだから、その点がハンディになったかも。ネームバリューはビートルズ級なのだが。
しかも、よりによって、名前の類似性がまぎらわしい(?)デュラン・デュランと連番という順位・・。
ビーチボーイズも、思わぬ低ランク。やはり、初期のサーフィン系のイメージが強く、長く現役バンドであるにもかかわらず、懐メロバンド系にとらえてる人は多いのかもしれない。残念な結果・・。
ジェフ・ベックは世界3大ロックギタリストの1人とみなされてたギタリストなのだが、34位ではあるがしっかりランクインしてくれていたので、個人的に嬉しかった。さすがにジミヘンのランクインは難しかったか・・。
サ・フーは、イギリスではビートルズ、ストーンズ、キンクスと共に4大バンドと言われるほどの存在なのだが、日本では本国ほどの評価は受けていない印象は否めない。キンクスに至ってはランクインすらしていない。
ピンクフロイドは、ランクインしたプログレバンドの中では、やはり日本では一番順位が高かった。でも、20位以内には入ると思ったが・・。
ジャーニーは、ランクインはすると思ったが、私の予想以上の順位だった。
ディープパープルも確実に入ってくると思ったが、パープルが入るならグランドファンクも入るかなと思ったが、グランドファンクはランクインならず。
ビックリなのはストーンズ。てっきり5位以内に入ると思っていたが、まさかの10位。
イーグルスは見事10位以内にランクイン。ドゥービーとは随分日本では差がついてしまったなあ。
クラプトンが9位にランクイン。グループではなく、単独のギタリスト部門という見方で見れば、ギタリストとしては実質上の1位。彼は日本びいきだし、納得できる順位。
ビリー・ジョエルが8位にランクインというのは、少し驚いた。当然ランクインするとは思ったが、8位に入るとは・・。ストーンズよりも上の順位だものね。
6位から1位までは、当然入ってくるだろうと思ったアーティストが順当にランクイン。
ただ、ビートルズが3位というのは少し意外。ビートルズが1位になるということを予想した人は多いんじゃないかな。
クイーンが出てきたころのことを私はリアルタイムで体験している。当時、ミュージックライフという雑誌で、クイーンは大々的にプッシュされていた。当時クイーンは、ミュージックライフ誌ではバッドカンパニーというバンドと共に2大有望バンドとして扱われていた。バッドカンパニーもそれなりに人気はあったが、少し渋めのバンドだった。その点クイーンは華であふれていた気がする。
バッドカンパニーは、結局ランクインすらできず。また、その後の活躍ぶりもクイーンには大きく水をあけられていた感はあった。だが、バッドカンパニーのボーカリストであるポール・ロジャースが、フレディ死後のクイーンの再結成活動でメインボーカルとしてクイーンに迎えられていたのは、なにがしかの縁は感じるなあ。
クイーンは世界のどこよりも日本で最初にブレイクした。当時のクイーンは、各国で「君らは日本で人気あるらしいね」とミュージシャンたちから声をかけられていた。日本でブレイクしたということが彼らのその後の活動の大きな起爆剤になった。
また、クイーンのメンバーは、どの国よりも早く自分らの良さを気付いてくれた日本のファンには感謝していたらしく、「Teo Torriatte (手をとりあって)」という日本語歌詞が入る曲まで作っている。
日本のファンにとっては、世界のトップバンドになったクイーンに対して、自分らが最初にクイーンを見出したのだ・・という自負はあったと思う。クイーンがその後世界のトップクラスのバンドになった時、ミュージックライフ誌では、「クイーンを見出した、我々の目は確かだった」と誇らしげに書いてあったのが印象的だった。
そのへんも、いまだに日本で愛されて、このランキング結果に繋がっている理由のような気はする。ビートルズを超えるとはね。
このランキング結果を見て、意外でもあり、驚きもし、また残念でもあったのは、・・・まさかブルース・スプリングスティーンが入っていないとは!・・ということだった。ブルースは、少なくても20位以内には入る逸材だと思っていただけに、なおさら。ちょっと不思議。
日本人が好きな・・・という意味では、年配の方からのエルビス・プレスリー票や、ベンチャーズ票なんかもけっこう入りそうな気はしたのだが、そういうアーティストを支持する世代は、PCをやらない人が多いのかな・・・と思ったりもした。PCをあまりやらない世代もアンケートに参加してれば、エルビスやベンチャーズもランクインしたかもしれない。
個人的にはマイク・オールドフィールドやパブロ・クルーズなんかも入って欲しかったが、ランクインは無理そうな気もしていた。だから、当初から圏外の覚悟はあったから、仕方ない・・。
その他、私が考える「主なランクイン漏れ」としては・・・オールマン・ブラザーズ、ザ・バンド、T・レックス、セックス・ピストルズ、オリビア・ニュートンジョン、リンダ・ロンシュタット、サンタナ、CSN&Y、PP&M、カーズ、マライヤ・キャリー、他・・・・。
あくまでもこのランキングは「日本人が好きな洋楽アーティスト」。アンケートに答えたのは日本人だろう。
もし、このアンケートを、世界各国の人を対象に実施したら、もっと違った結果が出ていただろうとは思う。
また、人それぞれ好みも違うし、お気に入りのアーティストも違う。
お気に入りのアーティストのこのランキングの順位に納得いかない人や、ランキングに入っていなかったりしたら、色々不満もある方もいるだろうし、逆に満足な人もいるに違いない。
さて、貴方にとってこのランキングは、納得?それとも不満?
ちなみに、この番組を見る前に私が予想した「日本人が好きな洋楽アーティストベスト10」は・・・
10、 イーグルス
9、 アバ
8、 カーペンターズ
7、 レッド・ツェッペリン
6、 クイーン
5、 サイモン&ガーファンクル
4、 ローリング・ストーンズ
3、 エルビス・プレスリー
2、 マイケル・ジャクソン
1、 ビートルズ
↑ これは私の好みではなく、あくまでも私が予想したものである。・・・くすん、けっこう外れてしまった・・。
なお、写真はベスト50にランクインしなかったのが不思議な、ブルース・スプリングスティーンのアルバム「ザ・リバー」。 心なしか、ブルースの表情が、寂しそうにも見える。泣くな、ブルース。