先日、ゴルバチョフ元大統領が亡くなられた。
残念だし、惜しい人をなくしたと思う。
ゴルバチョフさんは、本国ロシア以外の国では非常にイメージが良かったと思う。その一方て、本国ロシアでは「国を崩壊させた人物」とみなしてる人が多いらしい。
中には「ゴルバチョフは西側の人間だ」とまで言うロシア人もいるようだ。
本国と、それ以外の国で、どうも評価が正反対のようだ。
思えば、ゴルバチョフさん以前のロシア…というか当時のソ連は、私にとっては心の距離があったし、近寄り難いイメージの国だった。
だが、ゴルバチョフさんがロシアのトップになってからは、ロシアのイメージが私の中で変わった気がした。
多分、少なくても西側の人たちの中には、そんな人が多かったと思う。
ゴルバチョフさんがロシアのトップになって初めてアメリカを訪問した時のことは、よく覚えている。
彼は、彼を見に来た多くのアメリカ国民の群集の中に自ら混ざってゆき、多くの不特定の一般アメリカ人と握手などをしていたし、私は「ソ連のトップで、これまでにこんな人はいただろうか」とも思い、型破りなソ連のトップだと思った。
その様子を報道した、当時のアメリカのメディアは、「ソ連という国は油断ならない国だが、ゴルバチョフという人間は好感を持たざるを得ない人物だ」と伝えていたのが印象的だった。
その後、欧米とソ連の関係改善は進み、やがて当時のアメリカ大統領ブッシュさんとの交渉で、冷戦が終わったことが宣言され、私は大きな安堵感を持った。
そんな中、日本でもゴルバチョフさんは人気がでて、なんと!当時の日本ではゴルバチョフさんをキャラクター商品にしたゴルビー人形が発売され、かなり話題になった。人気もあったと思う。
ロシア(ソ連)の政治家のキャラクター商品が日本で発売される日がくるとは…と思うと、感慨深いものがあった。
私はゴルビー人形を買った覚えはないが、私のこのブログを読んで下さってる方の中には、当時ゴルビー人形を買った人はいらっしゃるかもしれない。
この人形、なんでも体の中には笛が入ってたらしくて、体を押すと声のような音が出たらしい。新品当時、いくらくらいしたのか、どんな感触の人形だったかは、わからない。
ああいう時代もあったのに…。
ゴルバチョフさんの訃報を知った時、私はそう思った。そういう意味でも、ゴルバチョフさんの他界には残念さを感じずにはいられなかった。
ゴルビー人形を懐かしく思うと共に。
今となっては、あの時代は懐かしい時代でしかないのだろうか。
懐かしいものというものは、一定のサイクルの後に復活したり、復刻されたり、かえって新鮮に思える場合がある。
時代そのものも、そういう風にならないものだろうか。
ゴルビー人形が日本で人気あった時代は、日本にとっては「対ロシア」という意味では、今より良い時代だった。
世界情勢は、今はよくない方に傾いていっている…そう思うのは私だけではないだろう。
ああいう政治家、また出てきてくれないだろうか。
願わくば、本国でも人気があってほしい。
でも、本国の利益と、他国の利益は相反することは多いから、中々一筋縄ではいかないから、困ったものではある。
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