
何のドラマだったか忘れたが、そのドラマに出てきた妙なフレーズが、昔の子供たちの間で流行った。
そういうフレーズはいくつかあったように思うが、その中の一つを今回取りあげてみる。
そのフレーズとは・・・相手を侮辱するようなフレーズであった。
片手の指を相手に向かって立てて、相手を指さし、フレーズにあわせて時には1本、時には2本・・・などと増やしたり減らしたりしながら言う。
フレーズ的にはこんな感じだ。
「あんた~ ちょっと~ 見かけに よらない ニッポンイチの くるくるパー」
である。
このフレーズを言いながら、言葉に合わせて指を相手に向かって突き立てるのだが、指を何本突き立てるかは、言葉の最初の「響き」に合わせてやるのだ。
上記のフレーズの場合、まず
「あんた~」 では、指1本(人差し指)を立てて、言う相手を指さす。
「ちょっと~」 では、指2本(人指し指と中指を突き立て、相手を指さす。じゃんけんの「チョキ」と同じフォーム。「ちょっと」の「ちょ」が、「チョキ」の「チョ」と「かけことば」みたいになっている。
「見かけに」 では指3本(人差し指+中指+薬指)を相手に向かって突き立てる。「見かけに」の「み」が、指3本の「3」のかけ言葉になっている。「3」は「みっつ」とも言うことにちなんで。
「よらない」 では、指4本(人指し指+中指+薬指+小指)を相手に突き立てる。「よらない」の「よ」が、「指4本」の「4(よん)」にひっかけた言葉になっている。
と、ここまでは、突き立てる指を1本ずつ増やすだけだったが、この後は今での「指を1本づつ増やす」パターンから離れる。
「ニッポン」 では、指2本。前述の「チョキ」と同じフォーム。
「イチの」 では、指1本。人差し指だけ。
とまあ、この箇所で変化が出る。さらにこの後は更にひねりが加わる。
「くるくる」 では人差し指1本を突き立てた状態で、トンボの目を回すような要領で、その指をくるくる回す。
「パー」 では、親指をくわえた状態で、5本の指を開いて相手に手の平を向ける。じゃんけんで言う「パー」のフォーム。
この要領だ。
もう一度簡潔に書くと//
「あんた~」 人差し指1本
「ちょっと」 指2本。チョキのフォーム。
「見かけに」 指3本。
「よらない」 指4本。
「ニッポン」 指2本。「チョキ」のフォーム。
「イチの」 指1本。
「くるくる」 指1本で、くるくる回す。
「パー」 指5本。パーのフォーム。
ということになる。
当時、私のまわりではけっこう流行っていた覚えがある。
もっとも、相手にとってはあまり愉快な囃子言葉ではなかったのは言うまでもない。
このフレーズ、私はテレビで見たぐらいだから、全国的にもけっこう広まっていたのだろうか。そう思い、少し調べてみた。
すると、この囃子言葉には、いくつもの種類があったことが分かった。
しかも、私の覚えている前述のパターンよりも、さらに完成度(?)が高いバージョンがいくつもあったこともわかった。
前述のパターンだと、指は4本まで順番に増えていくが、後半は2本指に戻ったりする、不規則なパターンだ。
だが、4本以後も順番にだんだん増えてゆくパターンもあったようだ。
・ あんた~ ちょっと~ みかけによらない
ゴリラの息子の 7代め
はっきり言えば くるくるパー
とか、
・ あんた~ ちょっと みかけによらずに
ごうじょうっぱりの ろくでなし
しちめんちょうに はったおされて
くやしくないのか とんまやろう
などのパターンもあったようだ!
便宜上上記の2パターン、それぞれ「ゴリラバージョン」と「ごうじょうバージョン」と便宜上ここでは名づけるが、「ゴリラバージョン」は指は9本目まで順番に増えてゆく。
さらに「ごうじょうバージョン」に至っては、その順番は見事に(?)10までたどり着いている!
私の知っていたバージョンよりも完成度が高い!
「あんた ちょっと みかけによらない(よらずに)」までは一緒だが、その先が違う。
ゴリラバージョンは・・
・ ゴリラの (指5本。ゴリラの「ゴ」にひっかけて)
・ 息子の (指6本。「6」を「むっつ」と読めることと、「むすこ」の「む」。)
・ 7代目 (指7本。)
・ はっきりいえば (指8本。「8」の「はち」と、「はっきり」の「は」。)
・ くるくる (指9本。「9」の「く」と、「くるくる」の「く」。)
・ パー (ジャンケンの「パー」。)
と、9まで進む。
さらに「ごうじょうバージョン」は
・ごうじょうぱりの (指5本)
・ろくでなし (指6本)
・しちめんちょうに (指7本)
・はったおされて (指8本)
・くやしくないのか (指9本)
・とんまやろう (指10本)
・・・ということになるのだろう、きっと。これなど見事に(?)指10本まで、順番に1本づつ増えていくパターン。
「ゴリラバージョン」も「ごうじょうバージョン」も、両手を使ってやるのだろうか。それとも片手ですますのかな?
それは分からない。ただ、私の知っていたバージョンより長く、完成度も高い(笑)。
とはいえ・・・私の知ってるバージョンにも良い点はある。それは、文章が短いので手短に出来るし、なんといっても確実に片手でできる(笑)。
「あんた~ちょっと~」にいくつものバージョンがあったのだとしたら、私の知ってるバージョンはエコタイプで、より手軽にできるバージョンだったことになる。
それにしても、ちょっと調べただけで数種類のバージョンが見つかった・・ということは、全国規模では、もっとたくさんのバージョンもあったのかもしれない。
もしかしたら、各地の特色を活かしたバージョンなどもあったとしてもおかしくない気はする。
ひとしきり流行ったこの囃子言葉ではあったが、やがていつのまにか廃れていった。
それは・・・このフレーズが相手を侮辱するフレーズだったから、PTAからクレームがついたか、あるいは先生が生徒にやめるようにさとしたかしたのかもしれない。
実際にやっていた子供としては、親や先生のいいつけでやめた・・というより、飽きたか、あるいは相手を侮辱するなら、わざわざ「あんた~ちょっと~」とフリつきで言うよりも、単純に「バカ!」と言い放つほうが手早かったから・・そんな気もする。
「あんた~ちょっと~」をフルでやると、たとえそれがエコバージョンだったとしても、けっこう手間もかかるし、時間もかかるから。
そんなめんどくさいことしなくても、一言「バカ!」で済ましたほうが手っ取り早かったからね(笑)。
私自身も、そのフレーズが流行っていた頃、2~3回くらいはやったことがある・・・と思うが、「なんだか面倒くさいや」などと思って、すぐにやらなくなった。
結局このフレーズ、何が言いたいのかと言うと、最後のフレーズだけだったと思うし、だったらそんな長い「手続き踏まなくても」、最後のフレーズだけを言えばいいやと思ったから。
ちなみに、相手にこのフレーズをやられたこともあるが、「落ち」が分かってる「侮辱言葉」を、長い時間かけて手続き踏んで言われることになるので、相手がその長いフレーズを言い終わらないうちに、その場を離れたと思う(笑)。
相手が長い時間をかけて「クルクルパー」に辿り着くのを、なにもご丁寧に待ってあげる必要もないのだ(笑)。
相手が「クルクルパー」の言葉に辿り着く前に、その場からいなくなればいいだけのこと(笑)。
ちなみに、今の子供はこの囃子言葉は知らないらしい。
まあ、こんな、相手を侮辱するフレーズ、流行らないにこしたことはないのだ。
さて・・・あなたの子供時代、このフレーズはありましたか?
あったとしたら、どんなバージョンでしたか?
なお・・下らないネタで、スイマセン・・・。
小学生のころ、
「あんた~ちょっと~見かけによらず、ゴリラの娘の7代目。
はっきり言って~クルクルパ~」
というのが流行りました。
今でもあるんですね~
少しづつ変わっているとはいえ、引き継がれてるんですね~
時間の外に、ようこそ。
私の学校では、
「ゴリラの息子の七代目」バージョンではなく、「ニッポン1のクルクルパー」のバージョンでした。
今の子供は、このフレーズ、知らないかもしれませんね。
でも、これは相手を侮辱するフレーズなので、あまり流行らないほうが良さそうな気はします(笑)。
普通が、5段階の普通が3だけど、2・5は普通の3以下だと言う事
いやあ、そのパターンは知らなかったです。
小数点の概念を取り入れたパターンなんですね。
きっと日本全国には、もっとたくさんのパターンがあったんでしょうね。
女子グループが男子グループに向かって怒っている時に放つ抗議の言葉です。
まあ、普段は仲が良い関係で、たまにカチンと来た時に撃つヤツです。
時間の外に、ようこそ。
ゴリラバージョンでしたか。
これって、地域によってポピュラーなバージョンがあるのかもですね。
私の住んでた街ではニッポンイチのバージョンでした。
いずれにせよ、どれも長いですよね。
長いからめんどくさくなって、廃れていったのかもしれません。
それにしても、女子が男子に向かってやっていたというのは初耳です。
これって、全国的には他にもあったかもしれませんね。