ゲゲゲの鬼太郎はこれまで何回もアニメ化されてきている。
ただし、そのうち1回は「ゲゲゲの鬼太郎」名義ではなく「墓場鬼太郎」名義でのアニメ化で、「ゲゲゲ」とは少し違う作品だった。
今回取り上げる「ナイナイ音頭」は、初代のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディングに使われたことがある曲。
初代の鬼太郎のエンディングテーマでは「♪カランコロンカランカランコロン」で始まる曲「カランコロンの歌」が割と知られているが、この「ナイナイ音頭」はあまり知られていない。
子供の頃これを見てた私は、鬼太郎のエンディング曲として「カランコロンの歌」も好きだったが、ある意味それ以上にこの「ナイナイ音頭」は好きだったと思う。
カランコロンの歌は、割と正統派な曲だったが、この「ナイナイ音頭」はコミカルで、少年だんぞうは1回聞いただけでハマってしまった覚えがある。
聴き終わった後、私がさっそくこの歌を歌おうとしたら(特に「パンツ」の歌詞の部分)、たまたまこの曲がテレビから聞こえてた母が「こんな歌、学校で歌ったらダメだよ」と、まるで先手をうつように私にダメだししてきたのを覚えている。
こういう歌にだんぞう少年はすぐに反応することを、母は見透かしていた(笑)。
おかげで家では私は歌いづらくなってしまった。
この曲はどのぐらいの期間流れていたのだろう。
割と短い間でしかなかった印象があるが、この曲には私はインパクトを感じたので、より強烈というか印象的で、よく覚えているのだと思う。
だが私が感じたインパクトは、世間的にはあまり大したものではなかったのか、この曲が流されるのが終わると、いつしか世間からは忘れられていった感はある。
その証拠に「カランコロンの歌」はその後もけっこう記憶され続けたし、場合によっては今でもまれに触れられることはある。
だが「ナイナイ音頭」に関しては、その後あまり触れられることはなかった。
今ではこの曲を知らない人のほうが大半ではないか。
なので、せっかくこういうブログを持ってるので、ここでこの曲を取り上げておこうと思い、今こうしてこのネタを書いてる次第。
「こんな曲もあったんだよ」・・そんな意味合いで。
この曲のうちわけは以下の通り。
↓
「ナイナイ音頭」。
水木しげる作詞、いずみたく作曲、親泊正昇編曲。
歌と演奏:熊倉一雄、ひばり児童合唱団、キングオーケストラ。
熊倉さんの、暖かくてどこかとぼけた感じの歌声は、こういう曲にはピッタリ合う。
良い意味での脱力感も魅力。まさに熊倉さんならでは。
熊倉さんのような歌声のアニメソングって、今は中々ないものね。
かっこよかったり、テンションが高かったり、うまかったり、明るく元気だったりするアニメソングはいっぱいあるけど、いつしか熊倉さんのようなキャラクターの歌声のアニメソングは、消えてしまったということなのだろうか。
アニメソングには、熊倉さんのようなキャラクターの歌声が必要になる場合もあると思うのだが。
ちなみに、この曲が流れた当時、私は1番の歌詞しか覚えなかった。
もしかしたら1番しか流れてなかったのかもしれないし、あるいは、2番か3番も流されてたのに私が覚えてないのかもしれない。
そのへんはわからない。
今回この歌を取り上げるにあたって音源を聴いてみたら、2番3番の歌詞も聞くことができた。
1番が鬼太郎編、2番が目玉オヤジ編、3番がネズミ男編・・・そんな歌詞になっていたんだね。ネズミ男編の歌詞など、聴きようによっては何やらセツナイ(笑)。
中々楽しい曲だと思うのだが、なぜこの曲は残らなかったのかな・・。
覚えやすいし、楽しいし、子供が喜びそうな歌詞でもあるとは思うのだが。
ただ・・・今のご時世だと・・そのまま使ってしまうと、重箱の隅を突っつくような感じで聞くと、場合によっては言葉狩りにあってしまいそうな個所もありそうで、そのへんが少し心配かな。
そのへんが、この曲が残らなかった理由だったのだろうか。
たとえ制作側に、変な意図はなかったにしても・・ね。
ともかく、ゲゲゲの鬼太郎には、かつてこんな楽しいエンディング曲もあった・・・ということで。
こちら ↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ee9yEBzNHaw
ボクは、やはり「カランコロンの歌」の方がなじみ深いです。
♪オバケのポストに手紙を入れりゃ…の方です。
>金も、サイフも、靴も、税金も、パンツもナイ。なんにもナイ。
結構、アナーキー(?)な歌詞ですよね。
妖怪の世界は、勉強も仕事もないというのが基本的な
スタンスでしたから、妖怪の生き甲斐ってなんなんだろうって
思ったりします。
作者の水木先生が、出征され負傷して苦労された方ですから
体制側に対する反骨精神が、漫画に反映したのでしょう。
国家の意思で、あくせく働かされることを否定し、
自由闊達に生きることを、妖怪たちが具現化していました。
声優の熊倉一雄さんの声は、「ひょうたん島」のトラヒゲの声や
実写版の「忍者ハットリくん」の声を、思い出します。
ちょっと皮肉っぽいけど、人間の温もりのある声質ですね。
もしかしたら、流された期間が短かったのかもしれないですね。
カランコロンの歌は、主題歌の「ゲゲゲの歌」の次に有名な歌だと思います。
ナイナイ音頭では、3番のネズミ男編の「♪モテない 汚い 愛想もない」の歌詞が、どうも笑えます(笑)。
水木先生の作品は、悲しい話でもあまりウェットには描かれないことがありますが、それは「戦争で死んだ奴が1番悲しくて気の毒だ」という気持ちがあったからだそうです。
どんな悲しい状況の人でも、戦争で死なざるをえなかった人に比べたら、マシ…そんな気持ちもあったのかもしれません。
熊倉さんの声は、少しとぼけた味わいもあるし、暖かさも感じますよね。