
ハロウィン。
その名前はずいぶん前から耳にしてた。私がハロウィンという言葉を初めて耳にしたのは、何かの映画だったと思うが。
もしかしたら、スピルバーグの映画だったかもしれない。
ふーん、アメリカにはハロウィンというイベントがあるのか・・となんとなく思ったのだと思う。
もっとも、ハロウィンというのは、アメリカというより、ルーツはイギリスやアイルランドが発祥らしいが。
その後、年月が過ぎてゆき、ハロウィンという言葉を日本でもたまに耳にするようになっていった。
だが。当初は、知る人ぞ知るイベントで、1部の若者の間でパーディ演出のひとつとして耳にする程度だった。
その頃はハロウィンは、1部の人たちが楽しむイベントくらいにしか私は思っていなくて、日本ではさほど広まらないだろうと思っていた。
ところが、年月の経過と共に、ハロウィンをビジネスチャンスにする人たちが増えていった。
で。それに乗せられるかのように、若者の間でハロウィンはすこしづつ広まっていった。
そう、ハロウィンを広めたのは、それをビジネスチャンスに利用した人たちだったと思う。
でもそういうのは、ハロウィンに限らず、例えばバレンタインやホワイトデーだってそうだろう。
そして、ハロウィンの本来の意味より、単に仮装して騒ぐイベントとして広まり、それがやがてはかつての渋谷のハロウィンでの大騒ぎにつながった。
道路を埋め尽くした若者が暴徒と化し、車を倒したり。
あるいは路上飲みで町を汚したり。
また、韓国ではハロウィン騒ぎで多数の死者が出るという社会問題につながり、そのインパクトは大きかった。
考えてみれば、ハロウィンは日本だけでなく、韓国でも、ここ数年で急激に広まった感はある。
日本でも韓国でも、ハロウィンは双方の国の歴史の中では伝統的なイベントではないはず。
だから、ハロウィンの楽しみ方も熟成してなかったのだと思う。クリスマスとは違うのだ。クリスマスも元は外国産のイベントだが、ハロウィンに比べたら、日本でも歴史はあるし、定着はしてきている。
だがハロウィンは?
日本では、現時点ではまだ歴史が浅く、未熟なイベントなのではないか。
だから、節度もなく、ただただ仮装して大騒ぎするイベントになり、騒ぎは暴徒を輩出させてしまった。
その結果、それが問題視され、2023年の渋谷ではハロウィン排除の動きに繋がってしまった。
ハロウィンというイベントの楽しみ方が、もっと節度を持った楽しみ方になっていれば、2023年の渋谷のようなハロウィン排除の動きにはならなかったと思う。
ある意味、自業自得なのかもしれないし、さらに言えば、暴徒の選んだ選択の結果なのかもしれない。
ハロウィン排除の動きが広まるのを防ぐためには、もっと節度を持った楽しみ方をしていかねばならないのだと思う。
単に大騒ぎしたり、街に迷惑をかけまくるだけのイベントのままなら、ハロウィン排除の動きは他の地域にも及びかねないと思えてならない。
ハロウィンを楽しみたかったり、あるいはもっと定着させたいのなら、節度を持った楽しみ方をして、楽しみ方を熟成させていかないとヤバイ気はする。
嫌われるイベントにしないためにも。
街そのものがステージ・・・みたいな捉え方だと、排除の動きは仕方ないとは思える。
とりあえず、オジサンとしては、ハロウィンがこんなに日本で広まってゆくことになるとは思わなかったなあ。1部の人たちのものとしか思ってなかったから。
ある意味、それくらいに留めておけは、排除の動きには繋がらなかったと思うし。
そこまでして日本でも必要なイベントなのかいな?と疑問に思ってもいたし。
こんなことを思ってしまう私は、やはりオジサンなのだろうな・・。
なんにせよ、ビジネスチャンスとして利用した人たちの勝利?
とりあえず、ハロウィンをビジネスチャンスにして煽る人たちは、ほどほどに。じゃないと自らの首をしめることになって困るはず。
それはまだ私が二十代で、広告制作の事務所で働いていた時の事。
10月もそろそろ月末が近い、とある日曜日の朝。
制作物に大幅な修正が入り、金曜日からずっと机に向かっていました。そこへ来客を告げるチャイムの音。
たまたま立っていた私がそのままドアを開けました。
「trick or treat!!」
魔女にミイラ男、背中に蝶々の羽根がついた妖精?、スターウォーズのルークと黒いマントにお面を付けたベイダー卿、この二人の手にはお約束のライトセイバーが!
寝不足の私は状況が把握できず、眼前の仮装した子供達を見下ろしていました。
するとミイラ男が先頭にいた魔女に何やら耳打ちしました。
魔女は私に杖を向けて叫びました。
「オカシアリマセントワルイコトスルヨ〜」
恐らくミイラ男は「英語わかんないみたいだから日本語で言わなきゃ」とでも魔女に言ったのでしょう。
入口での騒ぎを聞き付けて他のスタッフたちも出て来ました。みんな手にキャンディやチョコの入った袋を持っています。
私もひとつ渡されました。
小さなモンスター達は口々に「trick or treat!」を叫び、それに対しこちらは「Happy Halloween」と返しながら子供達の持つ袋にお菓子を入れて行きます。
なんだかアメリカの映画のワンシーンの登場人物になったような気がしました。
事務所があったのは麻布のとあるアパートメント。近くにはアメリカ大使館や外資系企業のオフィスがあり、アパートメントにもその出先のオフィスや職員・社員家族が住んでいました。子供達が仮装してアパートメントの各戸をまわるのは、ここの風物詩だったようです。
今思い起こすと、子供達の仮装の衣装や小道具はほとんど手作りのようでした。それがかえって子供達の愛らしさやアメリカっぽさを感じさせてくれました。
そのせいか、最近の日本のハロウィンのニュースを見てると、ただ目立ちたい騒ぎたいだけなら、街中じゃなく、きちんとイベント化して会場を設けてやればいいのに・・・そう思ってしまいます。あ、それを実行してる自治体もありましたね。豊島区だったかな、池袋でやってましたね。
まあ、行政なんかが絡んでくると「自分たちは管理されたくない!もっと自由にやりたいんだ!!!」とか言い出す人間が出てくるもの。
でもさ、彼らの言う自由って、第三者から見るとただの無秩序、無責任と同義だよね・・・さて・・・
そういえば、かつて・・多分ロサンゼルスの街で、日本人少年がハロウィンの時に、どこかの家を訪れた時、その家の時に主人に射殺されてしまったことがありました。
少年ほその家の主人公としてに「プリーズ」と言ったら、その主人は「フリーズ」と言われたと勘違いし、銃で撃たれてしまったのてした。
少年はお菓子をねだるためにプリーズと言ったのですが、聞き間違えた「フリーズ」は「動くな!」という意味合い。つまり、主人は少年に強迫されたように感じたらしいのです。
で、主人は正当防衛として、少年を撃退したのでしょう。
確かにプリーズとフリーズはよく似た響きの言葉です。
こんな事件があったことを思い出しました。