スティーブン・ビショップは、1951年生まれのアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ出身のシンガー・ソングライターだ。
1970年代後半にデビューし、数々の曲を発表してきており、他シンガーにも数多くの曲を提供し、映画の主題歌も手がけたベテランシンガーソングライター。
特にデビュー曲の「オンアンドオン」で彼のことを知った人は多いだろう。
私自身も「オンアンドオン」に惹かれ、彼に興味を持った。
「オンアンドオン」が収録されたデビューアルバムには、エリッククラプトンをはじめ、有名なミュージシャンが参加したことで話題を集めた。
デビューアルバムを聴いて気に入った私は、セカンドアルバム「水色の手帖」も入手した。アルバムの原題は「Bish」で、自身のニックネームがアルバムタイトルになっていた。
個人的にはむしろデビューアルバムよりもセカンドの方が好きになり、しばらくウォークマンで毎日聴いていた覚えかある。
ソフトな歌声とメロディーは非常に聴きやすく、親しみやすかった。
で、そのセカンドアルバムの中で私が1番好きだった曲が、今回取り上げる「ビッシュズ・ハイダウェイ」という曲。
彼の曲は派手さはないが、聴きこむと。その穏やかで優しい歌声が心地よく、心に染み込んできたものだ。
ジャンル的には彼の音楽は、当時人気あった「AOR」の括りで捉えられていた。
AORと呼ばれたジャンルは、骨っぽい音楽を愛する人からは、オシャレだが軟弱な売れ線音楽と思われていた傾向があった。だが、そのジャンルを愛する人も大勢いた。
売れ線というくらいだから、多くの人に受け入れられやすく、親しみやすく、耳ざわりの良いジャンルの音楽だった。
AORと呼ばれたジャンルの代表的なミュージシャンとしては、ボズ・スキャッグス、ボビー・コールドウェルなどがいた。
今回取り上げる「ビッシュズ・ハイダウェイ」を私が気に入ったのは、サピの優しさが大きかった。
パート的にはCメロの部分が。
ヒットソングのサビというパートは、特に日本では、跳躍進行を多用したり、曲の中で最も高い音程の旋律を含み、起伏があって派手なメロディーラインが多い傾向があるのだが、この「ビッシュズ・ハイダウェイ」のサビはやや地味で優しい。跳躍進行ではなく、順次進行でできていた。メロディーはあまり高く上がらず、おとなしい。
だが、優しく味わい深く、決してハイトーンパートではない順次進行の旋律をサビに持ってきていたセンスも私は好きだった。
そのせいか、余計に心に染み込んでくる気がした。
こういう曲もないとね。
曲は、サビでは決まりきったように派手にしなきゃいけない…なんて法律はないんだものね(笑)。
こういう曲を聴いて、物足りないと思うか、こういうのもいいなと思うかは、リスナー次第だと思うが、私はその後者のタイプだった。
私自身、無意識のうちにそういう構成の曲を作ることもあったから、この曲を聴いて肯定された気がした。
その意味では、私にとって意義のある曲だったと思う。
それにしても、穏やかで優しい曲で、今聴いても心地好い。メロディーもさることながら、アレンジの方も優しい。
このアレンジだけでも、風景が浮かんでくるような気がする。
当時のアメリカのシンガーソングライターには、こういう優しい声を持った人は多かった印象がある。
優しいCメロが私がこの曲を気に入ったポイントではあるが、Cメロの前のBメロではメロディが少し跳ね上がり、それなりに盛り上がり、曲にメリハリをつけている。そんなBメロの後に優しいCメロが出てくるから、余計に私の心に染みたのかもしれない。
「Bish's Hideaway」
初めて聴きました。
メロウで優しい曲ですね。
邦題が「ひとりぼっちの渚」とてもロマンティックです。
アルバム『Bish』の邦題『水色の手帖』なんて、日本人好みです。
このアルバムにはアート・ガーファンクル、デヴィッド・フォスター、マイケル・マクドナルド、スティーヴ・ポーカロなど
すごいメンバーが参加してたのですね。
女性には特に人気あったのかもしれません。
りりんさんは多分このシンガーソングライターは気にいるのではないかと私は思ってました。
スティーブンはデビューアルバムからバックメンバーには恵まれていたと思います。
ビッグネームが協力的だったのは、それだけ評価されていたのでしょう。
ファーストアルバムも悪くなかったですが、私はこのセカンドアルバムのほうがお気に入りでした。