
ロックバンドを描いたコミックは、最近ではあまり珍しくなくなった。
だが、昔の漫画界ではレアだったと思う。
私が初めて読んだロック漫画は、なんといっても水野英子さんの「ファイヤー」という作品だった。
もう、相当前のことになる。
その作品にしても、リアルタイムで読んだ覚えはなく、友人と漫画談義をした時に紹介され、友人に勧められて読んだのだった。その友人は、ファイヤーを全巻持っていたので、友人の家で読んだか、あるいは貸してもらって読んだ。そのどちらだったかは、もうよく覚えていない。
その時は、ロックの漫画があるなんて、珍しい!そんな漫画、読んでみたかった!と思い、心を少し高ぶらせながら読み始めたように思う。
読み始めたら、主人公が仲間を集めてバンドを組んでゆくくだりなどは、そういう漫画が当時他になかったから、目が離せなくなった。
そして作品の中には、実在する大物ロックミュージシャンの名前も出てきたので、ロック好きな私としてはそのへんもたまらなかった。
最後は、個人的な印象では、太宰治の「人間失格」を連想させられる結末だったように覚えている。
まあそのへんも、あらためて読み返してみたら、感じ方は変わるかもしれないが、最初に読んだ時はそんな印象を持ったのは確かだ。
私は元々は少女漫画はあまり読まないほうであった。というか、その傾向は今も同じだ。
だが、ごくごくたま~に読むこともあり、稀に読む少女漫画はだいたい名作だった。もっとも、じゃなかったら読まないと思うので。
水野英子さんの「ファイヤー」は、その「稀に読む少女漫画」の1作品だった。
読み始めてみたら、ロック漫画ということもあり、あっという間に読み進めた覚えがある。
このコミックが連載されてたリアルタイム時、この作品はどんな受け入れ方をされてたのだろう。当時の時代で。
かなり異色だったのではないか。
特に少女マンガ界においては。
どちらかというと、少女マンガ誌よりも、少年マンガ雑誌のほうが合っていたようにも思えるが・・。
今でこそ、音楽を題材にしたコミックは多いし、音楽コミックというジャンルそのものが定着している気はするが、「ファイヤー」は音楽コミックの草分け的存在だと思う。
ある意味、音楽コミックというジャンルの可能性を示した作品だったと思える。
そういう意味では、音楽コミックが好きな方は、一度読んでおいても損はない名作だと私は思っている。
そういえば、作者の水野さんは、あのトキワ荘に出入りしていた、貴重な女流漫画家。
音楽コミックだなんて、さすがに目の付けどころがいいな・・・と、読んだ時に私は思ったものだった。
最後に読んだのはもうずいぶん前なので、細かい部分は忘れてしまっていたりするので、そのうち改めて読みかえしてみたいと思っている。
とりあえずは、こんな作品があったという紹介まで。
私が知る限り、ロックをメインとする漫画は、かわぐちかいじ先生『僕はビートルズ』くらいですから。
その漫画に登場する実在のロック・ミュージシャンは、日本人だけですか?
「主人公がロック・バンドを結成し演奏を楽しみながら、ロックンロールの歴史をも辿る内容」ならば、私も読んでみたいです。
私が知ってる限りでも、「僕はビートルズ」以外にも「ベック」「けいおん」その他。
でも「ファイヤー!」が登場した頃は、他には私は見かけませんでした。
だから、題材が斬新に思えました。
ファイヤーに出てくる人物は、基本的には日本人ではないと思います。
アメリカという感じがします。
ちなみに主人公の名前は、アロンです。
そういやエルビスのミドルネームも、アーロンだったような。
ただ、物語上、ピンポイント的にエルビスがモデルというわけではないと思います。
初めてお聞きしました。
でも、だんぞうさんは、非常に幸運なかたですね。
そういう奇特な本にも出会えたわけですから。
画像を拝見しますと、なかなか魅力的な画風ですね。
まあ、少女漫画によくありさうな画風ですが、ぼくは、そうゆうタッチの絵は好きです。
主人公の名前は、『アロン』っていうんですか?
確か、そのアロンという名前は、キリスト教の旧約聖書にでてくる人物の名前
だったと思うんですが?、、、ま、キリスト教社会の人は、それにあやかったんでしょうね。
ぼくは、少女漫画も好きです。
昔の少女雑誌も、何冊か愛蔵しています。
(別に、変わった趣味を持ってるわけじゃないですよ。)(笑)
令和の元号も、すっかり板についてきましたね。
これから、良い時代にしたいです。
ロックバンドの漫画という発想がいいでしょう?
私にこの作品を教えてくれたのは、音楽仲間でした。
良い作品を教えてくれたなあと思ってます。
アロンという名前は、旧約聖書に出てくる名前なんですか?
知らなかったです。
不勉強で、お恥ずかしい。
アロンという名前から私が連想したのは、エルビスプレスリーのミドルネームでしたから(笑)。
少女漫画は今は男性にもよく読まれてますよね。
令和も確実に進んでいってますね。
平和な時代であってほしいです。
税金は国益にかなう使い方をしてほしいものです。
表紙のファッションが、あのころを思わせます。
リアルタイムではあまり知らないのですが、好きです。
連載されてたのは1969年から1971年だったので、ファッションなどは当時のトレンドが反映されてたのでしょう。
ロックやバンドに興味がある人にはお勧めしたい作品です。
機会があれば、ぜひ!
時間の外に、ようこそ。
リアルタイムで読まれたのですか?
しかも、多感な高校生の時に。
感受性が最も豊かな頃ですよね。
私がこの漫画を読んだ時、すでにこの作品はとっくに完結済みの作品でした。
しかも、完結してから一定の年月がたっていました。
きっと私も、十代の多感な頃に、リアルタイムで読んでたら、感じ方は違っていたと思います。
ともかく最初は「ロックのマンガがある」ということへの驚きがありました。
当時、ロックのマンガなんて、他になかったですし。
だからこそ、全巻一気に読んでしまったのでしょう。
今となっては、もう長年読み返してないので、そのうちまた読み返してみるつもりです。
私が今の年代になって読み返したら、また違った感想や印象を持つと思います。
当時の水野さんの写真を見ると、確かにジャニスをほうふつとされるものはあるかもですね。
見た目的には、たとえば髪型など。
あの時代に、よくこういう作品を描きあげることができたと思います。
水野さんと言えば、あの伝説の「トキワ荘」にも出入りしていた方。
当時トキワ荘に、後の大御所になる漫画家が揃っていたことを考えると、水野さんもそれほどの才能の持ち主だったということですね。
この作品、今では埋もれてしまっている気がします。
いつか映像化されないかな・・なんて思っています。