
井上陽水さんの曲には、私が好きな曲はたくさんある。
その中で、特に好きな曲を3曲あげろ‥‥と聞かれたら、あなたはどの曲をあげるだろつか。
その答は人それぞれだろう。
私の場合は、少なくとも2曲はすぐにあげられるし、どちらかというと長年決まっている2曲がある。これはもう、迷っても仕方ないので、とりあえずその2曲をあげることにしている。
もう1曲は、その時の気分によってかわるかもしれない。
で、その「決まっている2曲」というのは、1曲は「帰れない2人」であり、もう1曲は「結詞(むすびことば)」である。
「心もよう」のようにチャートを登って大ヒットした曲というわけではないかもしれないが、CMにも使われたことがあるので、陽水さんの曲の中では、それなりに知られている曲であろう。
私が知る限り、この曲が最初に収録されたアルバムは「招待状のないショー」だったと思う。
1976年に発表されたアルバムだった。「GOOD GOOD BYE」や「青空、ひとりきり」などのシングルヒットも収録されていたアルバム。
陽水さんのアルバムの中では、「氷の世界」ほどの評価はされてないアルバムだが、個人的に好きなアルバムだったし、よく聴いていた。
あの歴史的名作アルバム「氷の世界」の次に出たアルバムが「2色の独楽」で、そしてその「2色の独楽」の次に出たアルバムが「招待状のないショー」だった。
「招待状のないショー」には意味深な曲も入っていた。
例えば「曲がり角」という曲の歌詞。
当時、アルバム「氷の世界」がバカ売れしすぎた(?)がために、その次に出た「2色の独楽」は、少し芳しくない評価をされていた。どうしても前作と比較されてしまい。
そのことで陽水さんは複雑な思いを持っていたのかもしれない。
その思いが、「曲がり角」という曲の歌詞には反映されていたのかもしれない‥‥などという勝手な憶測を私は持っていた。
だが!
「2色の独楽」も私は充分に好盤だったと思っている。
「氷の世界」が凄すぎただけで、「2色の独楽」も私にとってはナイスなアルバムだった。
でもその時の陽水さんの葛藤が「招待状のないショー」に「曲がり角」という曲に吐露されてた気がして、その意味では「招待状のないショー」は興味深いアルバムに私には思えていたし、好きだった。
また収録曲にも好きな曲は多かったし。
て、そのアルバムの中でも特に好きだった曲が「結詞」であった。
陽水さんの代表曲というと世間一般的には「少年時代」がそう捉えられてる感はあるが、それと相通じるテーマ性のある「結詞」ではあるが、この曲は個人的には「少年時代」に勝るとも劣らない名曲だと思っている。
むしろ私としては「少年時代」よりも「結詞」のほうか好きである。
もしかしたら、この曲「結詞」の歌詞のエッセンスは後の楽曲「少年時代」にも活かされてるような気さえする。
この曲を自身の葬儀には流してほしいと考えてる人もいるらしいが、その気持ちはなんとなくわかる気もする。
それほど、リスナーの心の琴線に触れて響いてくる曲だと思う。
ここでは、「招待状のないショー」に収められたバージョンを取り上げておきたい。
なお、このアルバムには「枕詞(まくらことば)」という、「結詞」と対を成す曲も入っていた。基本的に両者は同じ曲だが、アレンジや尺が違う。
聴き比べてみるのも一興かと。
「結詞」の終盤には、陽水さんの味わい深いコーラスと折り重なるように、エレキギターのリードギターが入ってくるが、そのリードギターがまた良いんだよねえ。これも、聴きもの。
確か、そのリードギターを弾いてたのは伝説のギタリスト大村憲司さんだったと思う。もし記憶違いだったらごめんなさい。
知る人ぞ知る名ギタリストであったが、今では既に他界されているのが寂しい。
私の当時の音楽仲間から大村さんを称賛する声はよく聞いてたのだが、この「結詞」でのギタープレイを聴いて、名ギタリストとして名高かったのは至極納得したし、聴き惚れていた覚えが私にはある。
それにしても、何度聴いても心に響く名曲だと思う。
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