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今は、中古楽器という「商品」がすっかり商品として定着し、ありがたいことに「中古楽器ショップ」なんてのがあちこちにある。
いい時代になったもんだ・・・と、つくづく思う。
私の学生時代は、中古楽器屋なんて、なかった。
舶来の一流ギターは、新品で買うものだった。
だから、舶来の一流ギターなんて、とうてい手が出ないシロモノだった。
今では、マーチンやギブソンなどの中古品が、かなり安く入手できる。
もっとも、そういうブランドが、廉価版を出すようになったので、それが中古で更に安くなり・・という流れもあるのだが。
私が学生の頃にも「ビンテージギター」という存在はあったし、そういう価値観もあった。
でも、今やそれが完全に市場として成立している。
正直、今マーチンやギブソンに憧れる若いミュージシャンが羨ましくもある。
身近になったからね、そういうブランドが。
ギルドにいたっては、中古の相場はマーチンやギブソンよりも更に安い。
一時はマーチン・ギブソン・ギルドは「御三家」などとも呼ばれていたのに。
ただ、ギルドギターの質がマーチンやギブソンに比べ落ちるというわけでは決してない。
やはり、マーチンやギブソンのネームは別格なのだろう。
中古楽器屋では様々なギターを目にするのだが、品揃えはやはりマーチン、ギブソン、フェンダーなどが圧倒的に多く、種類も豊富だ。
今やアコギ界では、コリングス、サンタクルーズ、テイラーなどのメーカーも大人気だが、中古市場ではそれほど見かけない。
まあ、マーチンやギブソンは歴史も長いし、これまでに作られてきた本数も違うし、今現在も量産しているわけだから、中古市場で多数見かけるのは当然なのだろう。
コリングス達は、今歴史を作ってる最中なのだ。
それにしても・・・マーチンの・・例えばD-28というギターが十万円台に買えることがあるなんて、中古楽器屋が無かった時代には考えられなかったなあ。
最高峰といわれるD-45だって、中古楽器屋では50万円台で入手も可能だ。
ブランドギターは、廉価版ではない標準ギターでさえ今は入手しやすくなったといえる。
そういう意味じゃ、やはり今の若手ミュージシャンは幸せだと思う。
私が十代の頃は、マーチンなんて、とうてい手が出ないシロモノだったもの。
だからこそ、就職して初めてマーチンを入手した時は感慨深いものがあったっけ。
あの頃は、貧乏学生にとっては、マーチン、ギブソン、フェンダーといった憧れのブランドギターは、国産ブランドの安いコピーモデルしか買えなかった。
だから、たまに友達がマーチン、ギブソン、フェンダーのギターを買った時は一種の事件であり、合い言葉は「本物?」だった。
合い言葉の使い方は、「あいつ、ストラト(フェンダー社のストラトキャスターというエレキ)買ったらしいぜ」「え?もしや、本物?」「そう、本物!」「すげぇ・・・」。
とまあ、たいがい、こんな使い方になった。
それが今や「本物」が当たり前みたいになってきてるんだろうなあ。
本物の凄みやありがたみは、昔ほどじゃないのかもしれないね。良くも悪くも。色んな点で。
とはいえ、中古楽器屋があちこちにあるおかげで、私自身も助かっているので、今の風潮は決して悪くはない。
単に、マーチンやギブソンやフェンダーなどのブランドギターが入手しやすくなった若手のミュージシャンを、私が羨ましいと感じてるだけのことなのだ(笑)。
ちなみに私が今、時代屋でライブやる時に使っているギターは、テイラーの12弦ギター。
楽器屋で新古品として買いました(笑)。
それと・・このネタで紹介してる写真のギターはテイラーではありません。
紛らわしくてスミマセン。
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