
言うまでもないことだが、北海道は広い。
本州や四国や九州にある「県」と同じような感覚で旅行すると、1回の旅行プランとしてはちょっと無理が出てくると思う。
北海道には名所・観光スポットと呼ばれる場所は多数あるが、1回の旅行であまりにもあれこれ周ろうとすると、消化不良な旅になってしまうと思う。
消化不良・・・具体的に言うと、移動時間ばかりが長くなり、移動だけで旅行プランの大半を費やしてしまうことになるだろう。
まあ、あの広い大地、大きな空、雄大な景色を見ながらの移動なので、それはそれで視覚的には楽しめるかもしれないが、実際に移動手段(車・バスなど)を降りて、自身の足で現地を楽しもうと思うと、一か所一か所で使える時間が短くなり、あとはひたすら移動になってしまう。
なので、北海道に行くなら、エリアをある程度特定して行く方がいい。
なにせ、「県」で例えると、少なくても3~4県分(へたすれば5県分)の広さがあるのでは。
おおまかな区分としては、道南・道東・道北・道西・道央だろうか。
道南の函館を見て、そこから道東の釧路や知床までを1回の旅行に入れてしまうと、移動だけでも大変だ。
まあ、その北海道旅行で日程をどれだけ取れるかにもよるのだが、2泊くらいの旅行では、真ん中の日は、一日移動だけで終わってしまう可能性もある。途中で休憩がてら、途中の観光スポットに「立ち寄る」ことはあっても・・だ。
道南・道東・道北・道西・道央を、それぞれ「1県」として捉えたほうが、旅行プランは立てやすいと思う。
せっかくの旅行を、大半が移動で終わってしまったらもったいないと思う。
まあ、バイクなどで「移動」「途中経過」を重要視する旅ならともかく。
北海道は魅力的な場所なので、見てみたい場所は何か所もあると思う。
それはよくわかる。
でも、1回の旅行で、見たい所を全てクリアしようとは思わない方が、より楽しめると思う。
本州で旅行する時、3~4県を1回の旅行で周ろうとは中々思わないのでは。
せいぜい1~2県くらいじゃないだろうか。
実は私が一番最初に北海道に行った時は、バスツアーだった。
千歳空港から小樽に立ち寄った後、定山渓温泉に行って泊り、その後層雲峡などを経由し、網走に行って泊り、その後知床に行き、摩周湖を経由して阿寒湖に泊り、その後一気に登別温泉に行って泊る・・・という計4泊のツアーだった。
ほとんど移動ばかりだった印象がある。
泊った場所を除けば、小樽、層雲峡、原生花園、知床、摩周湖などに途中下車で立ち寄れる盛りだくさんのツアーで、広い範囲をカバーするツアーだったが、どうも消化不良に思えた。
ちょっと立ち寄っただけの場所は、せっかくの観光名所であっても、どうも印象が薄かった。
そのツアーから帰宅して、そのツアーを思い出すと、まるで北海道のダイジェストを見てるような印象だった。移動ばかりで、ひたすらバスの中に居たような気もする。
どうも物足りなさが残ったので、その後北海道に行く時は、エリアを絞っていくようになった。
エリアを絞って行くようになってからは、現地をある程度味わえるようになった。
まあ、関東以南・関東以西に住んでる人にとっては、距離的に北海道は決して近い場所ではない。
なので、めったに行けない人も多いだろう。
めったに行けないからこそ、一大決心を(?)して行く時は、なるべく1回の北海道旅行でより多くの場所を周りたいという気持ちはわかる。
でも・・やはり・・なのだ。
もったいない・・というのが私の感想ではある。
なぜなら、北海道は何度も行く価値と魅力があると思うから。
ちなみに、個人的な印象では道南の函館エリアあたりは、まだ本州の名残が残っているような印象がある。
北海道というと「だだっ広い」印象があるが、函館エリアあたりでは、まだ「だだっ広さ」みたいなのはさほど感じなかった。
とはいえ、本州ではないということも確かなので、北海道の他のエリアとは少し違った雰囲気や魅力も感じた。
北海道らしさを感じたのは、道西や道央あたりからだった。
やはり、さえぎるものなく、どこまでも広がる大空と大地があり、その大地の上を一本道がどこまでも続く・・・そんな光景を見ると「北海道に来てるんだなあ」と実感する。
いつも。
そんな私ではあるが、では私が北海道で一番好きなのはどこか?というと、礼文島だったりするのだ。
釧路湿原も良いし、知床半島も良い。原生花園も忘れられないし、大雪山も良い。
襟裳岬は行くのが大変な分だけ、行けた時感慨深かった。函館で高田屋嘉兵衛や土方歳三に思いを馳せるのも悪くなかった。
摩周湖には神秘性と共にどこか怖さも感じ、印象的だった。
利尻島一周のドライブも思い出深い。
でも・・どれか1か所・・と言われると、礼文島の名をあげたい。
礼文島の、特に「桃岩展望台」からの眺めは、予備知識なしで行ったから、圧巻であり、感動して言葉が出なかったぐらいだったから。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます