
先日、ギターのピックガードを取り替えた。
ピックガードを取り替えたギターは、マーチンD-76。
1976年~77年ごろ、マーチン社で限定生産で製作されたモデルだ。
製作本数は1976本(だったはず)。
今となってはセミ・ビンテージとでも呼べそうなギターである。
このギターが製作された当時、私にとってD-76は、とてもじゃないが金額的に手が届かないギターだった。
確か・・当時の値段で70万円くらいしたと思う。
D-45と遜色のない値段だった。
デザインには独自性があり、憧れたものだった。
でも金額的に、当時は、自分が入手するのはあきらめてた。
だが、社会人になってしばらくたって、ギター市場では、中古楽器という市場が一般的になった。
楽器屋には多数の中古楽器が売られるようになった。
ある日、楽器屋に行ったら、昔あこがれたD-76が中古で売られてた。
弾いてみたら、素晴らしかった。
中古扱いなので、値段も安かった。
幸い、手が届く金額だった。
というわけで購入してしまったのだった。
だが、買った当時から、一点だけ問題があった。
それは、ピックガードのブリッジ側の部分が少し「起き上がって」いたのだ。
この写真を見れば分かっていただけるのでは。
この写真は、そのピックガードである。
写真に写ってる黒いピックガードの向かって右側がブリッジ側で、向かって左側がネック側である。
右側が少し曲がって「起き上がって」いるのが分かるだろう。
写真で見ると、たいした「起き上がり」ではないように見えるかもしれないが、実際にこのピックガードがギターのトップ(表板)に装着されていると、弦を弾く右指がこのピックガードの「起き上がった」部分に引っかかり、非常に弾きづらい。
それでも、買った当時は、この「起き上がり」はまだ我慢できるレベルだった。
気にはなってたけどね。
でも、買ってから年月がたつうちに、このピックガードは、ますます「起き上がって」きてしまった。
実は09年の7月に弾き語りでライブをやる機会があった時に、使用するギターの候補としてこのD-76も選択肢の一つに入れていた。
ギブソンJ-200か、このマーチンD-76のどちらかでライブに出ようと思ったのだが、このピックガードの「起き上がり」ぶりではとても使用できない。
そこで、その時のライブではギブソンJ-200を選んだのだった。
だが、このままじゃD-76は、いつまでたっても出番がないままになってしまう。
そこで、楽器屋に持って行き、ピックガードの交換を依頼したのだった。
本当はオリジナルパーツに手を加えたくなかったのだが、「このままじゃ使えない」という状態では、ギターにとっても可愛そうだからね。
ピックガードを交換する時、これと同じものをマーチンから取り寄せて使ってほしい・・と言ったのだが、マーチン社では今はもうこれと同じピックガードは使ってないし、作ってもいないとのこと。
このタイプのピックガードは年月経過と共にこうして「起き上がって」くることがままあるので、今では「起き上がって」こないピックガードを使用してるらしい。
せっかく装着してもまた起き上がってきたんじゃねえ・・・まあ、仕方ないかなと思った。
とりあえず、このピックガードと同じ形状、色のピックガードを付けてくれるように頼んだ。
あくまでも、見た目だけでも「オリジナル」と同じ状態にしておきたいからね。
本当は、この黒一色のピックガードはあまり好みじゃないんだけど、よりオリジナルらしさにこだわって、この黒いピックガードにしてもらった。
新しい「ティアドロップ型の黒いピックガード」は、大きさや形や色は以前のと同じだが、厚さがより薄くなっている。
その点、トップの振動のためには良いかもしれない。
とまあ、かくして我が家のマーチンD-76は生き返り、またいつでも出動オーケーの状態になった。
ピックガード交換にかかった費用は、2万円だった。
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