先日、え?え?と理解に苦しむお客さんがいらした。
初めてのお客さん。
うちは3種類のランチ定食を提供してるんですが、8割がA定食を注文される。
その方はB定食。
まだ早い時間なので、すぐにお出しできた。
他のお客さんも少ない。
提供して、1分もたたないうちに、
「お会計おねがいします」と、、、
え?とビックリして、その席にいってテーブルを見ると、まったく食事に手を付けてない。
「何かございましたか?」
異物でも入っていたのか、すごく心配して料理を覗き込んだが特に何もない様子。
するとそのお客さん、、
「私の口には合わなそうなので、、、帰ります」
もう、唖然ですよ。
そりゃ、思っていたものと違うとかあるだろうけど、まったく口にしない人なんて初めてだ。
それにその方、、
薄笑いを浮かべながら言うんですよ。
「気になることがございましら、おっしゃって下さい」と言っても
「口に合わなそうなので、、」とそれだけ。
まったく納得できないけれど、そう言われるならもう仕方ない。
いくら食べてなくても、お会計はしていただいて、帰ってもらうしかない。
なのに、そのお客さん、お会計と言いながら相変わらず座ったまま薄笑いをしてる。
困惑してると、、
そのお客さんから一つ席を開けて座ってたOLのお客さんが、、
「B定食、すごい美味しいですけどね〜」とこちらを見るでもなく独り言のようにモグモグしながら言って下さった。
「うん、美味しい、、おかみさんご飯おかわりいいですか?」
うちはご飯おかわり自由。
この方はいつもおかわりされる、バイタリティあふれるOLさんだ。
なんか助け舟出したてもらったようで、私は元気よく「はーい」と返事してその方におかわりを、、、
すると、、
座敷で食事されてた親子らしき女性のお客さんが
「こちらも会計お願いしまーす。B定食、とっても美味しかったですよ。ご馳走さま!」と、、、
なんだか、援護射撃していただいているようで、うれしかった。
その日はなぜだかB定食が人気があったのです。
そして何より、そのお客さんに向けて直接言うのではなく、ふんわり私に向けて言って下さったのがホントに助かった。
お客さん同士の揉め事に発展することだけは避けたいから、、
「口に合わなそう」のお客さんは
お代を払って、そそくさ帰っていった。
その後、、、
「何なの?今の人!新手の嫌がらせ?」
「合わなそうって!食べてから言ってよ!」
「おかみさん、全然気にしないでいいですよ」
「変わった人っているもんだ」
なんと、お客さんの怒りが爆発。
我が事のように怒ってくれるお客さんの存在がありがたくてありがたくて、、
「口に合わなそう」のお客さんの真意はわからない。
料理に不満だったのか?うちの雰囲気が嫌だったのか?私のサービスが気に入らなかったのか?
わからない。
それより、、
支えて下さるお客さんがこんなにいるんだ、と泣きそうなほど嬉しいのです。
理解に苦しむお客さんだったけど、いつも当たり前のようにうちに来て、当たり前のようにうちのご飯を美味しいと食べてくださるお客さんに、あらためて感謝できたことは、そのお客さんにも感謝しなきゃな、と思えた出来事でした(本心は感謝できないけど、笑)
人間って、めんどくさいにゃ
うん、そうだね。
君たちのように、たんたんと生きていたんだけどね〜。
でも、バンちゃん、
貴女も口もつけてくれないご飯、いっぱいあるよね。
お母ちゃん、結構苦労してんだよ(笑)