年末年始の休みを利用して、
普段は落ち着いて読むことができない本を読んでいます。
ずっと気になっていた本です。
児童精神科医 佐々木正美著 『子どもへのまなざし』 福音館書店
この本を読んでいたある日、こんなことがありました。
うちの子どもの“saki”(仮名です)は、クリスマスにサンタさんから、
目覚まし時計と、ずっと欲しがっていたカチューシャをもらいました。
髪の長いsakiは、カチューシャで髪を留めるのに憧れていたんです。
そのカチューシャを嬉しそうに髪につけていたある日のことです。
立っていたsakiが、しゃがもうとしたとき、
カチューシャがするりと頭から落ちて、
sakiの折り曲げた膝の間に入りました。
ポキッ。嫌な音がしました。
カチューシャは、sakiのモモとふくらはぎの間で、折れてしまったのです。
クリスマスから4日後のことでした。
sakiは、ボンドをつけて直して欲しいと私に言いましたが、
ボンドで修復したところで、また髪につけようとすれば
すぐに折れてしまうのは目に見えていたので、彼女にそう伝えました。
悲しそうな顔をしていたsakiは、サンタさんに手紙を書きました。
サンタさんへ☆
きのうのよる、サンタさんからの かちゅうしゃを おってしまいました。
おかあさんが 「ボンドでくっつけても だめだよ」と おしえてくれました。
どうか おってしまったことを ゆるしてください。
らいねん おねがいです。
サンタさんへの プレゼントも よういしていますから、
らいねんも きて かちゅうしゃを かってください。
sakiより
気に入っていたカチューシャが折れてしまって、悲しかったんだな~。
でも、来年もカチューシャをリクエストするなんて、ちゃっかりしてるわ。
私はそう思いました。
そして、夜、sakiが寝たあと、
読みかけの『子どもへのまなざし』を読み始めました。
…突然、ハッとして、もう一度sakiの書いた手紙を読んでみました。
二つに折った手紙の外側には、
“サンタさん、ごめんなさい。どうか、ゆるしてください”と
タイトルらしきものが書かれていました。
そうなんです。
これは、カチューシャを折ってしまって悲しい、
だから来年もカチューシャをください、というだけの手紙ではなく、
「サンタさんに折角もらったカチューシャを壊してしまって、
ごめんなさい。許してください」という、
サンタさんへの謝罪の手紙だったのです。
彼女が一番言いたかったのは、プレゼントのリクエストより、
むしろ謝罪のほうだと感じました。
私、そんな大事なメッセージを、うっかりして見落とすところでした。
母として、子どもを見る目が曇っていたことを、恥ずかしく思います。
昨年12月に『大草原の小さな家』の“プラムクリークのクリスマス”というお話が
好きだという記事を書きました。
ローラが売ってしまった仔馬の鞍を、父さんが内緒で作ってくれていたことを知り、
ローラが父さんに謝るのです。
「せっかく、鞍を作ってくれたのに、ごめんなさい」と。
sakiも、折角、サンタさんからもらったプレゼントだったのに、
早々と壊してしまった自分の気持ちを、サンタさんに伝えたかったのです。
「ごめんなさい」と。
愚かな母親だと思います。
『子どもへのまなざし』は、そんな私の目の曇りを取り去り、
子どもの真実の姿を見せてくれた本です。
(Amazonのカスタマーレビューをごらんになりたいかたはこちら)
子育て中のお母さんにオススメです。
『続 子どもへのまなざし』も出版されています。
山脇百合子さんの挿絵も素敵です。
コメント一覧
れびっと
ビン子
れびっと
ユメ
れびっと
富良野かおり
最新の画像もっと見る
最近の「雑記帳」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事