天上天下唯我独尊

夢に生き、夢のように生きる人の世を
憐れと思へば、罪幸もなし・・・

四行詩集 ~無花果の実り~ 9

2008-02-03 21:01:16 | 「無花果の実り」


1.ここだけの話だが、女は結婚すると、美の坂を転落し、雪だるま式に太っていく。
  家臣も大臣にもなれば、義理なんて放り出して、私腹を肥やすことばかりに熱中する。
  女房の美を愛するならば、立派な着物は与えても、食い物を減らせ。  
  脂肪は女から美を奪い、富は家臣から義を奪う。

2.子を孕んで、其の身の美を損なわない女は極めて少ない。
  野心を抱いて、其の心の義を損なわない家臣は極めて稀だ。  
  女は妊娠すると身を隠す。家臣は野心を抱くと落ち着かなくなる。
  出入りを調べてみよ。不義の子は乱。死ぬまで血の中で暴れる呪われた子だ。

3.子を産むことではなく、家事を務めるのが女房の務めだ。
  功績を生むことではなく、国事を切り盛りするのが大臣の務めだ。
  子のことばかり口にする女は、やがてその子を立てて家を乗っ取ろうと図っている。
  功績のことばかり口にする大臣は、やがてその功績を以て国を盗まんとしている。

4.夫の寵愛によって、妻は子を産む。主君の信任によって、家臣は功績を生む。
  愛さなければ子は生まれない。信じなければ功績は出てこない。
  子を産まないからといって、必ずしも女が悪いわけではない。
  沢山産み散らす者よりも、一人でもそれを立派に育て上げる者の方が功績がある。

5.男が女の美を愛すと、美で劣っている女は色気で夫をたぶらかそうとする。
  主君が家臣の義を愛すと、義に及ばない者は才知で主人をひきつけようとする。
  色気と才知には、大抵毒が潜んでいる。
  美も義もよいが、何よりも、いつまでも守られる忠誠貞潔をこそ愛せ。

6.子供は大人を困らせて、自分の存在を主張しようとする。
  民衆は政府を困らせて、自分らの主権を確保しようとする。
  子供は、自立もしていず、責任も負っていないから我儘を言えるのだということを知らない。  
  民主主義は、結局政治家も民衆も責任を放棄しているから、自由などと言っているに過ぎない。

7.確かに両者とも食べ物と下の世話が必要だが、赤ん坊と老人とでは、随分違う。
  若くこれから成長していく民族と、後は滅びるだけの民族とでは手間の掛かり方が違う。
  月日の進むにつれ、子供は手が掛からなくなり、老人は日増しに世話が増えていく。
  人口は減少しているのに、法律や制度や費用ばかり増えていく国は間違いなく滅亡する。

8.子供は好きなものを選ぶだけだから、要求を認めても全く子供のためにはならない。
  国民はただ気に入ったことに賛成するだけだから、意見を聞いても全く国のためにならない。
  子供を喜ばせようとすると、いくら金と手間をかけても足りないし、借金を継がせることになる。
  民衆の要望を叶えようとすると、国中のがらくたと莫大な借金を背負わせることになる。

9.大人が大切にしている物を、子供は何でも壊して、それで力を示した気でいる。
  古人が苦労して築き上げた制度を、民主主義者は全て解体して、それが新しい力だと思い込む。
  子供の作った物等は、大人からすれば何の役にも立たぬおもちゃやゴミに等しい。
  大切な物は手の届く所に置くな。民主主義は解体ばかりで、修復も後片付けもできない。

10.誰でも赤ん坊の頃の記憶は持たない。どの国でも最初の頃の歴史など持っていない。
  記憶があっても子供の頭なら、正しく認識しているとは限らない。
  青春の狂愚を認めないのは、まだそこから卒業できていない証拠だ。
  自国の歴史から目を背ける国は、再び同じ過ちを犯すことになる。
「彼らに言いなさい。
 主はこう言われる。
 倒れて起き上がらない者があろうか。
 離れて、立ち帰らない者があろうか。
 どうして、この民エルサレムは背く者となり
 いつまでも背いているのか。
 偽りに固執して
 立ち帰ることを拒む。
 耳を傾けて聞いてみたが
 正直に語ろうとしない。
 自分の悪を悔いる者もなく
 私は何ということをしたのかと言う者もいない。
 馬が戦場に突進するように
 それぞれ自分の道を去って行く。
 空を飛ぶコウノトリもその季節を知っている。
 山鳩も燕も鶴も、渡る時を守る。
 しかし、我が民は主の定めを知ろうとしない(エレミヤ書8:4)」
 
  
 

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