天上天下唯我独尊

夢に生き、夢のように生きる人の世を
憐れと思へば、罪幸もなし・・・

四行詩集 ~無花果の実り~ 27

2008-02-19 08:25:45 | 「無花果の実り」
1.大人よりも子供の方が、子供よりも猿の方が、高い所に登るのは上手だ。   君子よりも小人の方が、小人よりも奸人の方が、高い地位に昇るのが巧みだ。   人は賢くなればなるほど、恐れと恥を知り、危険な場所に近づかないものだ。   高くて滑り易い所にいるのに、恐れもせずに得意がるのは、子供か猿かだ。 2.自分の親が呉れない御菓子を、他人の家で貰った子供は、自分の親に逆らうようになる。   自国の権力 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 26

2008-02-19 00:29:28 | 「無花果の実り」
1.道や川や池などはすぐに作ることができるが、山はそうはいかない。   制度や法律などはいくらでも作れるが、一度取り潰してしまうと権威は取り戻せない。   気の遠くなるほど時間をかけて山は生まれる。   権威や伝統を壊すことは人間にできるが、それを作ることができるのは歴史だけだ。 「彼らは悪巧みを企んだ。彼らの企みが、たとえ山を移動させるほどのものであっても、神の御元には筒抜けである。それゆえ、神 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 25

2008-02-17 00:55:44 | 「無花果の実り」
1.木材が腐っているのなら、緻密な設計も逆効果だ。   人心が堕落しているのなら、法律を改めても効果は無い。   曲がった木でも、墨縄を当てて鉋をかければ、真っ直ぐ使える。   大工の腕が悪ければ、金と時間を費やすだけで、全てが傷ついて廃材となる。 「何程制度方法を論ずるとも、其の人に非ざれば行はれ難し。人有って後方法の行はるるものなれば、人は第一の宝にして、己其の人に成るの心掛け肝要也( . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 24

2008-02-16 02:08:20 | 「無花果の実り」
1.海が荒れているのに船出するなら、船乗りの命を危険に晒すことになる。   世論が反発しているのに断行するなら、政権は転覆する惧れがある。   波や風が方角を決めるのではないが、それを無視するのは愚か者だ。   海を恐れていては船は出せないが、海を侮る物は船乗りになれない。 「神は、お前達を陸に海に往来させたもうお方である。お前達が船に乗り込んでいるときでもそうであるが、船が彼らを乗せて軟 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 23

2008-02-15 00:00:46 | 「無花果の実り」
1.方角を間違えている時、エンジンを回せば回すほど、目的地から遠ざかる。   制度が誤っているとき、税金を払えば払うほど、国民は幸福から遠ざかる。   車を止めて、運転手に聞いてみろ、これは人の通る道かと。   燃料が空になったら、重たい車を押して戻らねばならない。 「言ってやれ、『一番損な行いをしている者共を、お前達に示してやろうか。すなわち、自分では事を巧みに運んでいると考えながら、現世での努 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 22

2008-02-13 00:35:55 | 「無花果の実り」
1.誰も牽引する者がいなくても、下り坂では重荷の力だけで、車は急激に落ちていく。   誰一人国のために奉仕しなくても、民主主義は国民のわがままによって発展する。   坂を登る時には、力強い牛の力が要る。   国を栄光の頂に押し上げるのは、広義に生きる武士の力。 「また、神は家畜をお前たちの為に創造し給うた。これでお前たちは暖まることもでき、様々な便益もあり、また食用にもする。そして、お前達自身では . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 21

2008-02-12 04:54:28 | 「無花果の実り」
1.公道を走る前に、十分な訓練を受けねば、暴走して衝突する危険がある。   社会に出る前に、十分な自制心を養わねば、暴言を吐いて喧嘩する恐れがある。   金をとって客を乗せるようになるには、さらに厳しい訓練が必要だ。   暴言や失言だらけの政治家は、国民を乗せるどころか、社会に出ることもゆるされない。 「僑、学びて後に政に入るを聞く。未だ政を以て学ぶ者を聞かず。仮し果たして此れを行はば、必ず害する . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 20

2008-02-11 22:16:02 | 「無花果の実り」
1.長い隧道から抜け出た時、一瞬視力を失い、恐怖に襲われる。   だからといって引き返すならば、一生暗く湿った狭い空間の中で暮らさねばならない。   無知から抜け出す時、一瞬何も分からなくなり、絶望感に襲われる。   しかし、それでも知ろうと努めることによって、明るく多彩な世界が与えられる。 2.みんなで力を合わせて築いても、蟻塚なんぞは塵に等しい。   何千年かけて積み上げても、人の知恵など、 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 19

2008-02-11 18:30:50 | 「無花果の実り」
1.ああ醜い、猿は自分を慰める。大衆国家は自国を褒める。   猿は笑われているのがわからない。大衆国家は蔑まれているのも気づかない。   手が長いと罪を犯して恥もかく。舌が長いと憎まれた上に蔑まれる。   猿の特技は談合とリンチだ。大衆国家が振り回すのは経済制裁と先制攻撃論だ。 「言ってやれ、『神の報いについてこれよりもっと悪いことをお前達に話してやろうか。神の呪いを受け、お怒りを蒙り、猿や豚に変 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 18

2008-02-11 17:47:21 | 「無花果の実り」
1.羊を牧するのに、羊の鳴き声を調べる必要はない。   それが盲で聾の羊であるということを知っていれば。   政治をするのに、民の意見を聞いて回る必要はない。   出任せの鳴き声に従うなら、共々迷子になって、やがては崖から落ちてしまう。 「もし汝が地上の大多数の者に従うならば、必ずや神の道から迷い出るであろう。彼らは、空想に従っているに過ぎない。ただ嘘をついているだけである。汝の主は、誰が道から迷 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 17

2008-02-11 17:07:17 | 「無花果の実り」
1.よくメスを振るう者ではなく、振るわずに済む者こそ名医だ。   よく権力を振るう者ではなく、振るわずに済む者こそ明君だ。   健康管理をちゃんとさせて、早期治療を奨励すれば、大事に至らずに済む。   戒律を与えて、小さな罪でも意識させるようにすれば、民は大罪を犯さずに済む。 「公孫某の法には、軽罪を重くす。重罪は人の犯し難き所也。而して小過は人の去り易き所也。人をして其の易きを去りて、其の難き所 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 16

2008-02-11 16:10:48 | 「無花果の実り」
1.甘いものを与えて患者の機嫌を取っていても、出鱈目な治療を施せば容態は悪化する。   自由で快適な生活を与えて国民の機嫌を取っていても、出鱈目な政治をしていれば   やがて国家は堕落し、手のつけようがなくなってしまう。   多数決で治療するもぐりの手に国を委ねるくらいなら、自然治癒に期待した方がよい。 「譬へば此処に病人あらんに、薬効を知らざる下手医者に療治を頼めば、初めは病軽しと雖も、何時と無 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 15

2008-02-11 11:23:08 | 「無花果の実り」
1.どれだけの名医でも人体構造を改変することはできない。   どれだけの賢者でも国家原理を変革することはできない。   血液の流れが極端に早くなれば、心臓の負担は増え、寿命は縮まる。   流通を加速化すれば、国力は増大するが、国家の寿命を縮めていることになる。 「君、君は体育術について何一つわかっていないね。君の挙げるような人達はね、あれば、人々の召使いのようにかしずいて、その欲しがるものを用意し . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 14

2008-02-11 11:06:05 | 「無花果の実り」
1.身体を鍛えるのは、喧嘩に勝たんがためとは限らない。健康のためにするのだ。   国防力を増強するのは、戦争の備えとは限らない。国を引き締めるためにするのだ。   争いがないからといって体を鍛えずにおくと、ちょっとした風邪で寝込むことになる。   戦争をしないと言って怠けていると、戦争より悲惨な破滅を迎えることになる。 「先づ国を堅くし軍を治むるには、其の国の地民を良くするに如くは無し。近くは権現 . . . 本文を読む

四行詩集 ~無花果の実り~ 13

2008-02-10 23:01:07 | 「無花果の実り」
1.内臓は弱い、外気に触れると雑菌にやられてしまう。   官府は弱い、業者に触れると賄賂にやられてしまう。   疾患に悩むならば、内臓を雑菌から守ればよいだろうが。   官府の腐敗を憂うならば、民間との接触を絶て。 「四肢六道は身の体也。四正五官は国の体也。四肢通ぜず、六道達せざるを疾と曰ふ。四正正しからず、五官官せざるを、乱と曰ふ(管子/第31章)」 2.手が悪いものさえ口に入れなければ、内臓 . . . 本文を読む