神が民族共同体を御造りになられたとき、まだそれを治める者はなかった。
そこで神は力ある者を捏ね纏めて王政を形作られ、それを治めさせた。そして主は言われた。「力を誇る者が単独で治めるというのは危うい。彼と対等で、彼を諌め、支え、導くものを添えてやろう」神は王政を外側から補佐するものとして、王家の庶腹から宗教を設けられた。
神は王政と宗教に、共同体を治めると共に、御自身が園に植えら . . . 本文を読む
主なる神が、人の世に神権統治を定められてしばらくして、
主がご覧になると、権力者の暴虐専横が極限に達し、いくら権力者が代わっても、彼らは力を持つと常に私利私欲を追求して国や民を顧みず、神も法もない悪逆非道な振舞いが各地で見受けられた。
さらに、神への崇敬と畏怖を抱かせて権力者の慢心を戒める筈の神職も占いと祈祷に夢中になり、占いが当たっても当たらなくても適当な理由で権力者に媚び諂い、事あるご . . . 本文を読む
主はギリシャに言われた。「お前は、父祖伝来の慣習や様式、考えから離れ、そして何より言葉を今のその文字から切り離しなさい。そうすれば、言葉はお前の翼となって、誰も得たこともないほどの知恵と力と美しさを与えるだろう」ギリシャは、主に命じられた通り、伝来の慣習や様式と文字に背を向けながらも、神だけは一切疑うことなく、これまで気にすることもなかった些細な事柄から検証するようにした。すると、彼の思索は自 . . . 本文を読む
ギリシャ語の妻であるフェニキア文字は、子を産んでいなかった。彼女には女奴隷がいて、その名をヘブルといった。フェニキアはギリシャに言った。「ご覧ください。主は私が子を産めないようにしておられます。どうぞ、私の女奴隷のところにお入りください。おそらく、彼女によって、私どもは子を得られるでしょう。」ギリシャはフェニキアの言うことを聞き入れた。ギリシャの妻フェニキアは、ギリシャがカナンの地に住んでから . . . 本文を読む