ドキュメント映画「プライド IN ブルー」を観て、様々なカルチャーショックを受けました。
そして同時に、自分が如何に知的障害者たちに強い偏見を持っていたのかを思い知らされ、凹んでしまった次第。
サッカー技術もさることながら、彼らが[感情を持った人間]であることを、[我々と変わらぬ人間]であることを知りました。
もう半年以上前に観た映画なので、記憶が曖昧ですが、こういう様子をカメラは捉えていました。
或る選手が、知的障害者サッカー国際大会に入って足をケガをしたんですね。
でも、その選手は何が何でもゲームに出たい。
で、どうしたか?
“自分はコンディション万全ですよ”てな態度を監督の前で披露して、ケガを隠して、ゲームに出ようとするんですわ。
結果、怪我を悪化して、その後はベンチを温めることになるわけですが……
あ〃 知的障害者も[エゴ]って持っているんだ
と衝撃を受けましたね。
彼らには[エゴ]なるものは無いと思い込んでおりましたよ。
でも、彼らも持っているんですな。
普通のスポーツ選手もそうじゃないですか。
試合に出られなくなることを恐れ、スタメンを奪われることを恐怖し、怪我を隠したり、或いはケガの程度を偽ったり。
これは、決して珍しいことじゃありません。
アルビの内田もそうですよね。
昨季も今季も負傷してしまいましたが、“大丈夫、速攻で治しますから”てなコメントを発して、一刻も早く戻ろうと必死。
それから、別の知的障害者の[エゴ]も目の当たりにして驚きました。
調子が悪くて、その選手は途中で引っ込められたんです。
いや、最初から出してもらえなかったんでしたっけ。
兎に角、監督がフル出場させてくれなかったわけです。
そうしたら、その選手、露骨に不貞腐れてねえ。
でも、そういうエゴ丸出しの態度って、健常者も一緒でしょ。
もう浦和の選手じゃないけど、ワシントン選手が途中交代させられたとき、オジェック監督に悪態をついてトラブルになったことありましたよね。
全く同じじゃないですか!
アスリートとしては褒められた態度じゃないんですが、彼ら知的障害者たちが、自分の感情を、エゴをさらけ出している姿に、
“オレらと変わんねぇじゃん”
と感じた次第。
先月、岐阜市に知的障害者サッカーの全国大会を観に行ったんだけど、そのときも、彼らの感情の発露ぶりに接して感じ入ることが多々ありました。
ゴールを挙げたら、ホント、これ以上ないくらい喜びを爆発させ、失点したら、がっくり肩を落とす―
負けたら、グラウンドに突っ伏して涙を流す―
サッカーや、いや、あらゆるスポーツ競技大会で健常者が見せるようなリアクションを彼らがするわけですよ。
あとですね、笑ったのが、スローインのとき、彼らって結構な頻度で〝ズル〟をしようとするんでよ。
たとえば、相手陣地でボールがラインを割ります。
攻撃側のスローインで始まるわけですが、少しでもゴールに近い位置からボールを投げようとする。
逆に守備側の場合、センターラインに近い位置でボールを入れようとする。
まあ、その度に、主審が笛を鳴らして注意して、正しい位置からボールを投げ入れさせるんですが。
それにしても、そういうプレーのなんと多かったことか!
あまりに頻発するんで、吾輩、おかしくなって&おかしくなって。
非クリーンで眉をひそめる行為なんだけど、でも逆に微笑ましくてねえ
勝ちたい!
点を何が何でも取りたい!
絶対にゴールは許さない!
そういうストレートな気持ちが感じられて、却って、清々しく思えました。
すっかり、知的障害者サッカーの観戦記を書くのを忘れてました。
今後、不定期ながらも、ちょくちょく書いていきます。