中断期間中の北信越プリンスリーグは、6月13・14日の週末から再開される。
同リーグも、残すところ「4節」。
アルビレックス新潟ユースは、第1節での敗北が結果的に痛手となった形で、目下、第6位。
勝ち点は「12」で、首位の星稜高校サッカー部の勝ち点「21」に、9ポイントも離されている。
その上、星稜高校の得失点差は「プラス34」、アルビのは「11」だ。
残り4試合で、この「差」はデカい、デカ過ぎる。
新潟ユースの少年たちは、もちろん、まだ諦めていないはずだけど、客観的に考えて、アルビYが北信越プリンスリーグで優勝を果たすことは非常に難しくなったと言っていい。
さて、もしもアルビレックス新潟ユースが、北信越プリンスリーグで2位以下になったら、どういう結果が待ち受けるか、ご存知だろうか?
答えは、9月と10月に行われる「U-18高円宮杯全日本ユースサッカー選手権」に出場できない、という結果。
「プリンスリーグ」とは、北海道ブロック、東北ブロック、関東ブロック、東海ブロック、関西ブロック、四国ブロック、中国ブロック、九州ブロックにも存在する。
これら全国各地のプリンスリーグの優勝チーム、並びに上位チームが、U-18高円宮杯に出場できる権利を有するのだけど、そこには「出場枠」というものがある。
そう、喩えるなら、FIFAワールドカップの大陸別出場枠と同じようなものだ。
アジアはレベルが低いので、プレーオフも含めて「4.5」。
オセアニアは更に低いので、「0.5」。
南米は、レベルが高いけど、国数が少ないので、プレーオフを合わせて「4.5」。
欧州は、レベルが高く国数も多いので「13」。
プリンスリーグも同じで、そのブロックのレベルの高低で、高円宮杯への出場枠が〝不均衡〟になっている。
関東は「7」、東海は「3」、関西・中国・九州は「2」、北海道・東北・四国は「1」。
そして北信越は「1」だ。
即ち、優勝チーム以外、北信越ブロックからはU-18高円宮杯にエントリーできないのである。
昨年度の高円宮杯で、アルビレックス新潟ユースが横浜F・マリノスに勝って、ベスト8に残っていたら、北信越の枠は「2」になっていたんだが……
ということで、このままでは、アルビユースが高円宮杯に出場できなくなる――
のだけど、実は、北信越プリンスリーグで優勝できなくても、高円宮杯に出場できる「道」があるのだ!
それも2つある!!
1つは自力で、1つは人事を尽くした上での他力本願。
高円宮杯へ参加チーム数は、全部で「24」。
しかし、「24」全てが、プリンスリーグを勝ち抜いたチームに〝分け与えられる〟ことはないのだ。
ここに「カラクリ」があって!!
インターハイの優勝チームと準優勝チーム、この2つの高校サッカー部にも、高円宮杯への出場権が与えられる。
そして、「日本クラブユースサッカー選手権大会」の決勝進出チーム2つにも、付与されるのだ。
つまり、アルビレックス新潟ユースは、「日本クラブユースサッカー選手権大会」への出場切符をGETする―
そして本大会に出場したら、グループリーグを勝ち抜き、ラウンド16と準々決勝と準決勝を勝ち進む―
さすれば、アルビユースは、秋の高円宮杯にエントリーできるという寸法なのだ。
さあ、その「日本クラブユースサッカー選手権大会」の全国大会行きを懸けた大勝負が、明後日の6月7日、鳥屋野球技場にて行われる。
キックオフは午前11時30分。
アルビレックスユースはスーパーシードで、決勝戦からの登場。
準決勝を勝ち上がった「グランセナ新潟FC」か、「青山FC高等部 AFC94」か、どちらかと代表決定戦を行い、勝てば「クラ選」に出られるのである。
U-18高円宮杯に出場するためにも、絶対に勝たなくてはならぬ試合なのだ。
さてさて、これが自力による高円宮杯出場への「裏街道」だけど、先述のように、人事を尽くした上での他力本願による「裏街道」もある。
それは、星稜高校サッカー部に、インターハイの全国大会で決勝に進出してもらうことである。
なぜ、それでアルビユースが高円宮杯に出られるのか?
先ほども書いたけど、高校総体で決勝に進むと、高円宮杯に出られる権利をもらえる。
しかし、もしその決勝進出高校が、各地域のプリンスリーグで優勝していて、既に高円宮杯出場資格を得ていたら、どうなるのか?
その場合は、当該地域のプリンスリーグの次点チームが〝繰上げ〟で出場できるのである。
事実、2年度前には、この「規定」のおかげで開志学園JSCが、高円宮杯にエントリーできたのだ!!
平成19年の高円宮杯、北信越地区の出場枠は「2」。
1つはアルビユース、もう1つは星稜高校。
その星稜高校―当時は鈴木大輔がキャプテン―は、佐賀県インターハイで準優勝となった。
そこで、北信越プリンスリーグで3位に該当した開志学園が、繰上げ出場となった次第。
言葉は悪いけど、「棚から牡丹餅」ということだ。
いや、でも3位相当になれなかったら、繰り上げ出場もなかったわけで、あのときの開志学園は何も恥ずべき点はないのであるが。
石川県の高校総体サッカー部門は、きのう6月4日からシード校が登場。
これから佳境を迎えていく。
できれば、星稜に県代表になってもらい、奈良県インターハイで決勝に残って欲しい。
但し、そのときにアルビユースが北信越プリンスリーグで3位以下だったら話にならない。
だから、確率が残されているうちは優勝を、もしそれが消滅したら、今度は2位を狙い、アルビレックス新潟ユースは、北信越プリンスリーグの残りゲームを戦っていく―
ということで、U-18高円宮杯への出場ロードは、まだ完全に防がれていない。
まずは、7日、クラ選の本大会出場権を勝ち取ろう!