FIFAワールドカップの開催期間中は、国際サッカー連盟の全加盟国の「トップリーグ」が、リーグ戦の開催を禁じられます。
厳密には、W杯出場国の直前合宿期間も含めて、の話ですがね。
ただ、これは「トップリーグ」のリーグ戦の話であって、2部リーグ以下や女子リーグは適用外。
だから、J2やJFLなどはワールドカップ期間中も実施されるわけです。
それとカップ戦、日本で言えばヤマザキナビスコカップだけど、カップ戦の開催も許可されています。
さて、FIFAワールドカップ2010南アフリカ大会の開幕試合は、6月11日。
決勝戦開催日は、7月11日。
だから、7月11日まではJリーグディビジョン1は中断しなくちゃいけません。
7月11日は日曜日なので、Jリーグが再開されるとしたら、7月17日(土)18日(日)からでしょうな。
但し、19日の月曜日が「海の日」なので、この日にも開催される可能性がありますね。
では、国際サッカー連盟が指定した中断開始日は何時かと言うと、5月17日の月曜日から。
つまり、16日の日曜日までにリーグを中断しなくちゃいけません。
秋春制のリーグは5月16日までにリーグ戦を終える必要があり、春秋制のリーグはこの日までにリーグ戦を中断することが義務づけられているというわけ。
Jリーグは3月第1週末が開幕節というのが最近の傾向。
平成22年のカレンダーを眺めたら、3月6・7日が第1節になるでしょうな。
毎週1回のペースで消化すれば、5月16・17日までの節数は「11」。
最速で7月17日からのリーグ再開だとして、12月4日を最終節に設定すると、週1回ペースでの開催でノープロブレム――なんだけど……
天皇杯の4回戦に5回戦
ヤマザキナビスコカップの準決勝に決勝戦
AFCチャンピオンズリーグのラウンド16にクォーターファイナル2試合、セミファイナル2試合、ファイナル
日本サッカー協会のスポンサー様のための国内興行
などなども加わるから、
実は7月以降のスケジュールは超過密
そして更に更に、1月と2月のカレンダーも……
1月6日(!)に、AFCアジアカップ2011の予選イエメン戦が(!!)
3月3日に(!) 、同バーレーン戦が(!!)
1月1日の天皇杯決勝戦が終わって1週間も経たないうちに、前年12月のJ1最終節から1ヶ月後に、日本代表戦だよ、日本代表戦!!
そして、3月の初っ端にも代表戦。
これだと、3月6日の土曜日にJリーグ開幕戦を行うというのは厳しいよね。
来季のオープニングゲームは、3月13日ってことになるかも。
おまけに、来年の2月には日本で「東アジア選手権」が開催と来たもんだ!
J1のチーム数が「18」になり、ACLへのJリーグ出場枠が「4」になり、AFCアジアカップ予選と東アジア選手権まであって、おまけにワールド杯の本大会で2ヶ月間が中断。
まあ、ヤマザキナビスコカップは、Wカップの開催中にある程度は消化できるとしても、でも超過密なことに変わりないわけでさ。
いや、厳密に言えば、今季の秋からも過密で、代表選手&リーグ戦上位チーム&天皇杯勝ち進み組は、〝地獄〟の日程になってしまいますわ。
今年の11月14日と18日に、AFCアジアカップの予選があります。
そして11月と12月は、Jリーグの優勝争いに残留争い、賞金獲得争い、ACL出場枠争いが待ち構えています。
それからそれから、天皇杯も。
もしも矢野貴章がアルビレックス新潟との契約を延長し、日本代表に選ばれ続けたと仮定しましょう。
そんでもって、アルビが優勝争いに加わり続けてACL出場権をゲットし、天皇杯もどんどん勝ち進んで決勝戦に進出したとしますよ。
そうしたら、あーた、矢野貴章はずーっと休み無し、ってことになってしまいますわ。
『サッカー批評』でガンバの遠藤が、ACLやら天皇杯やらリーグ戦やら日本代表戦やらで、休みなく戦い続けるというシミュレーション企画を掲載してて。
それを読んで吾輩、このとおりになったら遠藤の選手寿命を縮めるよ、と思ったものだけど、貴章もそうなってしまいますな。
まあ、アルビレックスがたくさん勝てば勝つほどそうなるって話であって、実際、そうなるかは神のみぞ知る話ですがね。
だけども、今年の11月から来年の12月にかけて、AFCアジアカップ予選もあるから再来年の1月まで、とんでもなくハードなサッカーカレンダーになるのがもう決まっています。
だからって、秋春制に移行したからって全て解決するわけじゃないけどさ。
せめて、2007年のAFCアジア杯で3位以上になって、予選免除になっていたら……。