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松本「山雅」の読み方、もうサッカーファンは間違わない

2009年10月13日 08時30分00秒 | JFL地域リーグ 大学・高校サッカー

Jリーグ2部で目下、熾烈な昇格争いを繰り広げているのはセレッソ大阪、ベガルタ仙台、ヴァンフォーレ甲府、湘南ベルマーレ。
まあ、ここにサガン鳥栖を加える向きもあるけど、常識的に考えれば、これら4チームでJ1昇格を争っています。

で、この4チームが揃いも揃って全日本サッカー選手権2回戦で〝大変な目に〟…。

湘南は関東大学リーグ1部のチームに敗れ去り、大阪は東北社会人リーグ1部のチームの前に屈す。
甲府は関西学生サッカーリーグ1部のチームと延長戦までもつれ込み、PK戦で辛くも勝利。
仙台は、北信越フットボールリーグ1部のチーム相手に、延長戦の末に勝利。
勝ったチームも含めて、とてもじゃないけど“これで来季、J1で闘うつもり?”というような体たらくですわ。

でもでも、過去を振り返ってみると―といってもここ数シーズンだけど―Jリーグディビジョン2で昇格レースに残っているチームってのは、どうも天皇杯緒戦で苦戦する傾向にあるようで。

昨季の秋口に昇格戦線にいたチームのうち、ベルマーレはPK戦で松本山雅に敗退し、セレッソは虎の子の1点を守り切ってソニー仙台に勝ち、モンテディオは日立栃木ウーヴァスポーツクラブに延長戦勝利、という按配。

一昨季だと、コンサドーレ札幌がTDK SCにペナルティーキック戦負け。
東京ヴェルディはHonda FCに負けて、京都サンガも明治大学サッカー部に負けて、ベガルタ仙台も順天堂大学に負けて。

Jリーグ1部昇格レースの影響から、J2上位チームの天皇杯緒戦戦績は振るわなくってしまうんでしょうかね。
昨季のサンフレッチェがベスト8にまで残れた理由の一因は、9月のうちに早くもJ1再昇格を決めて、後顧の憂いなく天皇杯に臨めたからなのかもしれませんな。

うちらのアルビレックスがJ2で戦っていた頃のスケジュールは、今ほど過密じゃなくてリーグ戦が全て終わってから天皇杯に突入していました。
リーグ戦と天皇杯、同時並行でやり繰りする必要性が皆無だったわけです。
仮にアルビがJリーグ2部で今季戦っていたとして、そして昇格争い真っ最中だったならば、奈良クラブに不覚を取っていたかも。

今のような日程は今後も続くでしょうから、J2の上位チームが天皇杯緒戦で苦戦or敗北する、という傾向もまた続いていくことになるんでしょうかねえ。


J1昇格争いをしていないにも拘わらず、〝見るも無残な悲惨な目〟に遭ってしまったのが浦和レッズ。

他人の不幸は蜜の味なので、ついつい、昨日付の「埼玉新聞」を買っちゃった。
1面でデカデカと【浦和、初戦敗退】【アマの松本山雅に0-2】という見出しと、両手に膝を当ててうなだれているレッズイレブンのカラー写真付きが、一面を飾っちゃっていますわ。
【岡田外相、アフガニスタン電撃訪問】【広島市と長崎市、2020年五輪招致へ】というニュースを差し置いて、大きく大きく1面に掲載されちゃって…

スポーツ報知新聞は、裏1面でこの大番狂わせを扱っていましたよ。
日刊スポーツ新聞とスポーツニッポン新聞とサンケイスポーツ新聞は、裏1面とまではいかなったけど、サッカー面で、大きく割いてて。

一方の長野県の地元新聞はどう報じていたかと言えば、「信濃毎日新聞」、1面で松本山雅の大金星を伝えています。
1面で最も大きく扱っているニュースは岡田外務大臣のアフガン訪問で、次に安曇野市長選の結果だけど、カラー写真入りで【松本山雅 J1浦和破る】の見出しを付けて報じておりました。


浦和レッズにとって、まだ不幸中の幸いだったのが、一般紙スポーツ面では天皇杯の記事そのものが小さかったこと。
東北楽天の野村監督の退任、石川遼や宮里藍のゴルフ結果、サッカーW杯の大陸予選情報などの陰に隠れる形で、浦和レッズ敗退の記事は小さくしか扱われていません。
朝日新聞だけが、割とスペースを割いて、このジャイアントキリングを伝えていたくらいなもの。

とはいえ、浦和レッズが松本山雅の前に一敗地に塗れてしまった事実は、日本のサッカーファンに広く知れ渡ってしまったわけで。
平成21年10月11日の夕方から12日にかけて、サッカーファンの間で出てきた話題はもう、浦和の失態劇が、いの一番だったことでしょう。

いや、やっちまったのが浦和レッズというチームだけに、ワールドカップくらいしかサッカーに関心を示さない人たちにも、この〝事実〟が結構、知られてしまったかも。
もしアルビやアルディージャが、レッズと同じような負けを喫したとしても、大きく報じられなかったような気がします。
浦和だからこそ、ニュース価値がいや増した面が強いと思うんですよね。

浦和レッズのことが盛んにスポーツ紙で記事になっていることを恨めしく感じていたんだけど、これは〝諸刃の剣〟で、ダメだったときはまた、でかく扱われる報道されるんですなあ。
 

さてさて、一躍名を馳せた松本山雅FC。
スポンサー企業獲得の営業が、これで随分とし易くなったのでは。

“あの浦和レッズを倒した、サッカーチームですか!”
というトピックで、商談が円滑に進むきっかけになりそう。

いや、それよりも大きい大金星効果はチーム名の読み方が

         『マツモト・ヤマガ』

だと広く伝えられたことなんじゃないかと!

「松本山雅」って、《そこそこ目にするチーム名だけど、自信を持ってこの漢字を読めないチーム》だと思うんです。

事実、「松本サンガ」と読んでしまっている人に何人も遭遇しています。
「松本ヤママサ」と言っている人もいました。
そういう吾輩もまた、何と読むのが正解なのか分からなかった口。
応援を聞いて、松本サポの人と話してて、「ヤマガ」と知った次第。

NHKの天皇杯ダイジェストでナレーターが、アナウンサーが何度も「ヤマガ」と言っていたし、スポーツ紙にはルビがあったし、チーム名の由来も載っていたし、これで読み間違いしていた人も、「ヤマガ」と読むんだと分かったことでしょう。


浦和をやっつけた最大の効果は、選手の自信になったとかいうよりも、チーム名の全国的PRだったんじゃないでしょうかね。 


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