第3節で帝京長岡高校サッカー部に[0対1]で土を付けられてしまったアルビレックス新潟ユース。
「高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プリンスリーグ北信越」優勝を成し遂げるためには、連敗は絶対に阻止しなければならない。
いや、引き分けすらも許されない。
第4節のアウェイ東海大学付属大三高校サッカー部戦、アルビレックス新潟ユースに求められるのは勝利のみ。
北信越プリンスリーグ第4節[東海大三×アルビレックスY]が行われた会場は、J2松本山雅(やまが)FCの本拠地「松本アルウィン」の隣にある天然芝の「松本平広域公園芝生グラウンド」。
アルビレックスユースの2・3年生のうち、アルビレックス新潟ジュニアユース出身者たちにとっては3シーズン前の「U-15高円宮杯 北信越大会」で勝利した験の良い場所です。
天気は雲ひとつ無い快晴、太陽光は強くてペットボトル内の飲料が暖まってしまうほどの気温。
6日前の第3節が、寒くて、猛烈な風が吹く散々な天候だったのとは真逆の気象状況。
選手も観客も、こまめに水分を摂った方が賢明な気温です。
アルビレックス新潟ユースの先発は、第1~3節の固定11人から、2人が入れ替わりました。
1人は、負傷が癒えたキャプテンで背番号10番の川口尚紀君。
第3節までの先発、背番号23番の廣澤拓哉君と替わってのスタメンFW。
もう1人は、ゴールキーパーの背番号1番の宇野智紀君。
第3節まで控えGKだった宇野君が、今季リーグ戦初先発。
第3節までスタメンだった背番号22番の本田渉(しょう)君は、ベンチメンバーに。
他の9名のポジションは、前節までと全く一緒。
4月28日の土曜日、午前11時00分キックオフ。
試合は11時1分を迎えないうちに、動きます。
左サイドハーフの背番号11番、依田隆希君が先取点を奪ったのです。
右サイドを〝あれよあれよ〟と侵食していく新潟ユース。
そして依田君が、東海大学三高サッカー部の背後に抜け出し、角度のないところにも拘わらずシュートを選択。
これが見事にゴールイン。
“あっさり決まっちゃった”という類の得点劇でした。
前半4分、今シーズンリーグ戦、初スタメンの川口君が自身初シュートを放つも吹かしてしまう。
前半14分、アルビレックス新潟ユースが2点目を奪います。
決めたのは、背番号14番、右サイドハーフの石附航(わたる)君。
後方からのロングボールを川口君が収めて前を向くと、すかさず東海大三DF2名が身体を寄せてくる―
川口君は急ブレーキを掛けて、相手2人のマークを剥がし、走り込んできた石附君にパス。
石附君がシュートを放つ、しかしゴールキーパーに防がれる…
と、その弾いたサッカーボールに石附君が詰めて再度のシュート。
流石に、東海大三GKの藤森健太君もこれには反応できず。
前半22分、この試合の勝敗を決定付ける3点目を、アルビレックスYキャプテンが決めます。
背番号8番のボランチ奥田晃也君が、敵陣の右奥深くから襲撃。
東海大三ゴールキーパー、及びディフェンダーはニアサイドを固めるのだけど、奥田君はその守備網の穴を突いて低くて速いクロスをゴール前に。
ゴール前には、どフリーの川口君が待ち構えていて、ちょこんと足を合わせると、ボールはゴールの中に。
主将でエース、そして復帰初戦の川口君が得点を入れたことでアルビレックスの雰囲気は盛り上がります。
前半22分の時点で、勝負は決しました。
でも、まだ〝残り〟70分はあり、新潟ユースはその70分間で4点を追加することに。
前半30分、2トップの一角、背番号9番の渡邉新太君がゴール。
右サイドをワンタッチパスでぐるぐるボールを廻し、東海大三を翻弄するアルビレックスユース。
センターバックの背番号3番の福嶋竜二君までもこれに参加して、徐々に、徐々に新潟は押し上げていきます。
当然、東海大三は右サイド、彼らにとっては左サイドに人数を割いて守らざるを得なくなるわけだけど、そうなるとスペースがぽっかり空くことにも繋がります。
で、その空白の地域に奥田君がスルーパス。
それに新太君が適応してシュート、ゴール。
前半のは折り返し得点経過は[4対0]。
後半5分、依田君が自身2得点目となるゴールを叩き込みます。
彼の特徴であり、2012季アルビレックス新潟ユースの武器の一つである豪快なドリブルから、得点は生まれました。
東海大三の守備担当者達は、彼のドリブル突破に為す術なし。
後半32分。川口君による得点。
右サイドにロングボール。
タッチラインを割るかな、というほどの勢いのパスだったけど、後半23分から交代出場していたFW廣澤君がよく追いついてセンタリング。
中には川口君がいて、またまた〝ちょこんと〟足に当ててゴール。
その1分後、依田君がハットトリック達成。
彼は長野県佐久の出身者、地元で見事な凱旋得点ショーを披露した形です。
ディフェンスラインの背後を突き、東海大三のGK藤森君が前に飛び出してくるのを冷静に交わしてシュート。
これで合計[7対0]です。
実は、アルビレックス新潟ユースが[8対0]、[9対0]、いや[10対0]にまで点差を拡げられる機会と可能性がありました。
けど、事実は[7対0]。
どうして7点〝しか〟取れなかったのかといえば、東海大学付属第三高校サッカー部のゴールキーパー藤森健太君が好守備をしたから。
7失点もしていて「好守備」と表現するのも妙な話だけど、藤森君がファインセーブを連発したからこそ、東海大三の失点は7で〝済んで〟、アルビレックスの得点は7〝しか〟挙げられなかったんですよ。
とりわけ後半の粘り強く、勇気を持った防御はアッパレ。
点差が開きに開いて、集中力が切れて不思議じゃない状況なのに、試合終了の笛が鳴るまでアルビレックスの攻撃に対応できていた藤森君。
長野県茅野市に校舎を構える東海大三は、今季1部リーグに昇格したばかりのチーム。
現実的な目標は降格回避、1部残留。
そのためには、仮に負けるにしても、なるべく失点しないように努力しなくちゃいけない。
だからタイムアップの瞬間まで、試合を投げないのは必須ではあるけれど、それでも大した守り方でした。
あとそれと、“1点返そうぜ”と最後まで味方を鼓舞し続けた気力も立派。
さてさて、アルビレックス新潟ユースは第1~第3節で必ず1失点しています。
完封試合は皆無。
第1節の対新潟工業高校サッカー部戦、第2節の対開志学園JSC高等部サッカー部戦は、共に後半アディショナルタイムに得点を献上してしまうという詰めの甘さを披露。
従って後半30分過ぎからは、それがしは勿論、選手たちの親御さんも“あとは0点に抑えられるか、ですね”という言葉が相次いで口に出て。
アルビレックス新潟ユースの上野監督も、やはり完封狙い。
そのための戦術を採ってきます。
後半19分までのアルビレックスYの4バックは、左SBが背番号2番の江崎千尋君、CBは福島君と背番号5番の伊藤航希君、右サイドバックは背番号16番の加藤聖哉君という並び。
それを後半20分、左サイドバックの背番号2番の江崎千尋君をベンチに下げ、背番号4番の酒井高聖(ごうそん)君を投入して、構成を変えます。
右サイドバックに高聖君、左サイドバックに聖哉君、中央は福島君と航希君。
こうした理由は高さ対策。
東海大三はボールを保持できず、攻撃手段は「縦ポン」。
後半に入って、左右にボールを散らすようにしてきたけど、でも基本戦術は「縦ポン」。
しかし、その縦ポンは伊藤航希君と福嶋竜二君と加藤聖哉君が悉く弾き返す。
なにせ、聖哉君の身長は182㎝、航希君のそれは180㎝、福嶋君は178㎝ですから。
ところが千尋君は169㎝と長身ではない。
またゴールキーパーの宇野君は174㎝と、そのポジションにしては上背が無い部類。
彼ら2人のところを突かれる可能性はあるわけで。
そこで上野監督、180㎝の高聖君を入れ、4名から成る山脈を築くことで万全を期します。
そもそも高聖君はセンターバック、聖哉君もアルビレックス新潟ジュニアユース時代に同ポジションを経験しているのだから、うちはセンターバックを4名並べているようなもの。
これで益々もって堅固となるアルビレックス新潟ユースの守り。
果たして、遂にアルビレックスは初完封試合を達成。
4人のCBを最終ラインに並べた布陣が奏功した恰好ですが、その前段階からの守備も大きく作用しています。
ボランチの奥田晃也君、彼のボール奪取が誠に素晴らしくて。
向こうが“さあ反撃”と攻守の切り換えを図ろうとすると、必ず晃也君が立ちはだかる。
晃也君が刈り取る、刈り取る、遮断する、遮断する。
彼が危険の芽を摘むので、DF4人の守りの負担は相当に軽減。
一方、東海大三にしてみれば、彼が邪魔でマイボールにしても前に運べない。
〝苦し紛れ〟でボールを放り込むしかない。
けど、そのロングボールは新潟ユースに跳ね返され、セカンドボールを拾いたくても奥田君と、同じくボランチの背番号7番の井上丈君に先に越されてしまう。
誠に晃也君の働きは見事。
東海大三サッカー部に、好機らしい好機を作らせなかったんですからね。
試合中に“あれ、そういえばシュート1本も打たれていない??”と思ったら、実際そうでした。
アルビレックス新潟ユースは、東海大学付属第三高校サッカー部を零封するだけで〝飽き足らず〟シュート0本に抑えきったんです。
その最大の功労者は晃也君。
拙が『今日は晃也君の日』とメモ書きしたら、福嶋君のお父様も“いやあ、今日は晃也君が素晴らしいですね”と期せずして同意を求めてきたくらいですから。
彼はこの試合、アシストを2つ記録しているし、それがしが選ぶ今試合のMVPです。
悪かった点。
「悪かった」と表現するのは酷で、実は相応しくないとは思うのだけど、2得点を決めたキャプテン川口君がシュートを吹かしまくっていたのは難点。
ケガ明け、実戦から遠ざかっていたこと、それらで仕方なかったと書けば仕方なかったんだけど、シュートモーションの力みが傍目にも簡単に伝わるくらい顕著で。
だから彼の2得点というのはどちらも、〝ちょこんと〟合わせたもの。
肩の力を抜いたシュートが決まって、そうじゃないのは枠にすら飛ばず。
しかしこれは時間が解決してくれるでしょ。
そうそう、日本サッカー協会公式ホームページの大会記録では、川口君が3得点、依田君が2得点となっているけど、真実はその反対です。
それとアルビレックス新潟公式ホームページの試合記録では、後半41分に川口君、後半42分に依田君がそれぞれゴールしたことになっていますが、事実は共にその10分前の出来事です。
高円宮杯U-18サッカーリーグ2012
プリンスリーグ北信越第4節
東海大学付属第三高校サッカー部 7-0 アルビレックス新潟ユース
依田隆希君 3得点
川口尚紀君 2得点
渡邉新太君 1得点
石附航君 1得点
「高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プリンスリーグ北信越」優勝を成し遂げるためには、連敗は絶対に阻止しなければならない。
いや、引き分けすらも許されない。
第4節のアウェイ東海大学付属大三高校サッカー部戦、アルビレックス新潟ユースに求められるのは勝利のみ。
北信越プリンスリーグ第4節[東海大三×アルビレックスY]が行われた会場は、J2松本山雅(やまが)FCの本拠地「松本アルウィン」の隣にある天然芝の「松本平広域公園芝生グラウンド」。
アルビレックスユースの2・3年生のうち、アルビレックス新潟ジュニアユース出身者たちにとっては3シーズン前の「U-15高円宮杯 北信越大会」で勝利した験の良い場所です。
天気は雲ひとつ無い快晴、太陽光は強くてペットボトル内の飲料が暖まってしまうほどの気温。
6日前の第3節が、寒くて、猛烈な風が吹く散々な天候だったのとは真逆の気象状況。
選手も観客も、こまめに水分を摂った方が賢明な気温です。
アルビレックス新潟ユースの先発は、第1~3節の固定11人から、2人が入れ替わりました。
1人は、負傷が癒えたキャプテンで背番号10番の川口尚紀君。
第3節までの先発、背番号23番の廣澤拓哉君と替わってのスタメンFW。
もう1人は、ゴールキーパーの背番号1番の宇野智紀君。
第3節まで控えGKだった宇野君が、今季リーグ戦初先発。
第3節までスタメンだった背番号22番の本田渉(しょう)君は、ベンチメンバーに。
他の9名のポジションは、前節までと全く一緒。
4月28日の土曜日、午前11時00分キックオフ。
試合は11時1分を迎えないうちに、動きます。
左サイドハーフの背番号11番、依田隆希君が先取点を奪ったのです。
右サイドを〝あれよあれよ〟と侵食していく新潟ユース。
そして依田君が、東海大学三高サッカー部の背後に抜け出し、角度のないところにも拘わらずシュートを選択。
これが見事にゴールイン。
“あっさり決まっちゃった”という類の得点劇でした。
前半4分、今シーズンリーグ戦、初スタメンの川口君が自身初シュートを放つも吹かしてしまう。
前半14分、アルビレックス新潟ユースが2点目を奪います。
決めたのは、背番号14番、右サイドハーフの石附航(わたる)君。
後方からのロングボールを川口君が収めて前を向くと、すかさず東海大三DF2名が身体を寄せてくる―
川口君は急ブレーキを掛けて、相手2人のマークを剥がし、走り込んできた石附君にパス。
石附君がシュートを放つ、しかしゴールキーパーに防がれる…
と、その弾いたサッカーボールに石附君が詰めて再度のシュート。
流石に、東海大三GKの藤森健太君もこれには反応できず。
前半22分、この試合の勝敗を決定付ける3点目を、アルビレックスYキャプテンが決めます。
背番号8番のボランチ奥田晃也君が、敵陣の右奥深くから襲撃。
東海大三ゴールキーパー、及びディフェンダーはニアサイドを固めるのだけど、奥田君はその守備網の穴を突いて低くて速いクロスをゴール前に。
ゴール前には、どフリーの川口君が待ち構えていて、ちょこんと足を合わせると、ボールはゴールの中に。
主将でエース、そして復帰初戦の川口君が得点を入れたことでアルビレックスの雰囲気は盛り上がります。
前半22分の時点で、勝負は決しました。
でも、まだ〝残り〟70分はあり、新潟ユースはその70分間で4点を追加することに。
前半30分、2トップの一角、背番号9番の渡邉新太君がゴール。
右サイドをワンタッチパスでぐるぐるボールを廻し、東海大三を翻弄するアルビレックスユース。
センターバックの背番号3番の福嶋竜二君までもこれに参加して、徐々に、徐々に新潟は押し上げていきます。
当然、東海大三は右サイド、彼らにとっては左サイドに人数を割いて守らざるを得なくなるわけだけど、そうなるとスペースがぽっかり空くことにも繋がります。
で、その空白の地域に奥田君がスルーパス。
それに新太君が適応してシュート、ゴール。
前半のは折り返し得点経過は[4対0]。
後半5分、依田君が自身2得点目となるゴールを叩き込みます。
彼の特徴であり、2012季アルビレックス新潟ユースの武器の一つである豪快なドリブルから、得点は生まれました。
東海大三の守備担当者達は、彼のドリブル突破に為す術なし。
後半32分。川口君による得点。
右サイドにロングボール。
タッチラインを割るかな、というほどの勢いのパスだったけど、後半23分から交代出場していたFW廣澤君がよく追いついてセンタリング。
中には川口君がいて、またまた〝ちょこんと〟足に当ててゴール。
その1分後、依田君がハットトリック達成。
彼は長野県佐久の出身者、地元で見事な凱旋得点ショーを披露した形です。
ディフェンスラインの背後を突き、東海大三のGK藤森君が前に飛び出してくるのを冷静に交わしてシュート。
これで合計[7対0]です。
実は、アルビレックス新潟ユースが[8対0]、[9対0]、いや[10対0]にまで点差を拡げられる機会と可能性がありました。
けど、事実は[7対0]。
どうして7点〝しか〟取れなかったのかといえば、東海大学付属第三高校サッカー部のゴールキーパー藤森健太君が好守備をしたから。
7失点もしていて「好守備」と表現するのも妙な話だけど、藤森君がファインセーブを連発したからこそ、東海大三の失点は7で〝済んで〟、アルビレックスの得点は7〝しか〟挙げられなかったんですよ。
とりわけ後半の粘り強く、勇気を持った防御はアッパレ。
点差が開きに開いて、集中力が切れて不思議じゃない状況なのに、試合終了の笛が鳴るまでアルビレックスの攻撃に対応できていた藤森君。
長野県茅野市に校舎を構える東海大三は、今季1部リーグに昇格したばかりのチーム。
現実的な目標は降格回避、1部残留。
そのためには、仮に負けるにしても、なるべく失点しないように努力しなくちゃいけない。
だからタイムアップの瞬間まで、試合を投げないのは必須ではあるけれど、それでも大した守り方でした。
あとそれと、“1点返そうぜ”と最後まで味方を鼓舞し続けた気力も立派。
さてさて、アルビレックス新潟ユースは第1~第3節で必ず1失点しています。
完封試合は皆無。
第1節の対新潟工業高校サッカー部戦、第2節の対開志学園JSC高等部サッカー部戦は、共に後半アディショナルタイムに得点を献上してしまうという詰めの甘さを披露。
従って後半30分過ぎからは、それがしは勿論、選手たちの親御さんも“あとは0点に抑えられるか、ですね”という言葉が相次いで口に出て。
アルビレックス新潟ユースの上野監督も、やはり完封狙い。
そのための戦術を採ってきます。
後半19分までのアルビレックスYの4バックは、左SBが背番号2番の江崎千尋君、CBは福島君と背番号5番の伊藤航希君、右サイドバックは背番号16番の加藤聖哉君という並び。
それを後半20分、左サイドバックの背番号2番の江崎千尋君をベンチに下げ、背番号4番の酒井高聖(ごうそん)君を投入して、構成を変えます。
右サイドバックに高聖君、左サイドバックに聖哉君、中央は福島君と航希君。
こうした理由は高さ対策。
東海大三はボールを保持できず、攻撃手段は「縦ポン」。
後半に入って、左右にボールを散らすようにしてきたけど、でも基本戦術は「縦ポン」。
しかし、その縦ポンは伊藤航希君と福嶋竜二君と加藤聖哉君が悉く弾き返す。
なにせ、聖哉君の身長は182㎝、航希君のそれは180㎝、福嶋君は178㎝ですから。
ところが千尋君は169㎝と長身ではない。
またゴールキーパーの宇野君は174㎝と、そのポジションにしては上背が無い部類。
彼ら2人のところを突かれる可能性はあるわけで。
そこで上野監督、180㎝の高聖君を入れ、4名から成る山脈を築くことで万全を期します。
そもそも高聖君はセンターバック、聖哉君もアルビレックス新潟ジュニアユース時代に同ポジションを経験しているのだから、うちはセンターバックを4名並べているようなもの。
これで益々もって堅固となるアルビレックス新潟ユースの守り。
果たして、遂にアルビレックスは初完封試合を達成。
4人のCBを最終ラインに並べた布陣が奏功した恰好ですが、その前段階からの守備も大きく作用しています。
ボランチの奥田晃也君、彼のボール奪取が誠に素晴らしくて。
向こうが“さあ反撃”と攻守の切り換えを図ろうとすると、必ず晃也君が立ちはだかる。
晃也君が刈り取る、刈り取る、遮断する、遮断する。
彼が危険の芽を摘むので、DF4人の守りの負担は相当に軽減。
一方、東海大三にしてみれば、彼が邪魔でマイボールにしても前に運べない。
〝苦し紛れ〟でボールを放り込むしかない。
けど、そのロングボールは新潟ユースに跳ね返され、セカンドボールを拾いたくても奥田君と、同じくボランチの背番号7番の井上丈君に先に越されてしまう。
誠に晃也君の働きは見事。
東海大三サッカー部に、好機らしい好機を作らせなかったんですからね。
試合中に“あれ、そういえばシュート1本も打たれていない??”と思ったら、実際そうでした。
アルビレックス新潟ユースは、東海大学付属第三高校サッカー部を零封するだけで〝飽き足らず〟シュート0本に抑えきったんです。
その最大の功労者は晃也君。
拙が『今日は晃也君の日』とメモ書きしたら、福嶋君のお父様も“いやあ、今日は晃也君が素晴らしいですね”と期せずして同意を求めてきたくらいですから。
彼はこの試合、アシストを2つ記録しているし、それがしが選ぶ今試合のMVPです。
悪かった点。
「悪かった」と表現するのは酷で、実は相応しくないとは思うのだけど、2得点を決めたキャプテン川口君がシュートを吹かしまくっていたのは難点。
ケガ明け、実戦から遠ざかっていたこと、それらで仕方なかったと書けば仕方なかったんだけど、シュートモーションの力みが傍目にも簡単に伝わるくらい顕著で。
だから彼の2得点というのはどちらも、〝ちょこんと〟合わせたもの。
肩の力を抜いたシュートが決まって、そうじゃないのは枠にすら飛ばず。
しかしこれは時間が解決してくれるでしょ。
そうそう、日本サッカー協会公式ホームページの大会記録では、川口君が3得点、依田君が2得点となっているけど、真実はその反対です。
それとアルビレックス新潟公式ホームページの試合記録では、後半41分に川口君、後半42分に依田君がそれぞれゴールしたことになっていますが、事実は共にその10分前の出来事です。
高円宮杯U-18サッカーリーグ2012
プリンスリーグ北信越第4節
東海大学付属第三高校サッカー部 7-0 アルビレックス新潟ユース
依田隆希君 3得点
川口尚紀君 2得点
渡邉新太君 1得点
石附航君 1得点