縦走二日目、4時に起床して雨具を片付けます。
4:40から食堂に並び、5時から朝食に一番乗り。
手早く朝食後、外に出て朝焼けを観賞。西側は雲海のままでした。
モルゲンロート観賞のため、ほとんどの宿泊者は空身で薬師岳に登っています。
太陽が薬師岳の背後から昇るため、小屋からは槍ヶ岳側面の朝焼けを見ます。
黒部五郎岳の朝焼け。左肩に笠ケ岳が頭を出しています。
5:30出発のため、小屋に戻って準備します。
幸運にも小屋のそばに雷鳥が現れました。子離れしたため一羽です。
昨夜は広々と寝られたため、夜行バスと雨中山行の疲れが取れたようです。
今日は五色ケ原まで高低差750mの縦走です。快晴に恵まれました。
【8/23、薬師岳山荘-薬師岳-北薬師岳-間山-スゴ乗越-越中沢岳-鳶山-五色ヶ原山荘】
5:35に薬師岳山荘を出発。朝一に山頂まで高低差220mを登ります。
朝日観賞から戻ってきた登山者とすれ違います。
お世話になった薬師岳山荘。改装されて木の香りが残る良い小屋でした。
稜線付近にはガスが流れています。
6:10に薬師岳避難小屋跡-2895mを通過。愛知大学山岳部遭難事件で下山路を間違えたポイントです。
愛知大学山岳部13人のパーティは、1963年(昭和38)1月正月登山として薬師岳(富山県)頂上を目指した。
しかし、後に ”サンパチ豪雪” と名付けられた豪雪吹雪の中で山頂を目前にして登頂断念、下山途中ルートを
誤り13人全員が遭難死した。この時、パーティの中に地図とコンパス(磁石)を携行している者は誰一人いなか
ったという。太郎小屋には、日本歯科大学山岳部6名のパーティも同宿していた。両パーティは相次いで薬師岳
を目指し、登頂後に太郎小屋に無事帰着したのは日本歯科大学だけだった。
左折して尾根道をしばらく辿り、6:30に100名山・薬師岳に到着。
薬師岳(やくしだけ)は富山県富山市南東部に位置する標高2,926 mの山。剱岳・立山と並ぶ飛騨山脈
(北アルプス)立山連峰の主要峰である。山域は中部山岳国立公園に指定されている。山頂には薬師如来を
祀った小さな祠があり、銅剣など、数々の修験の宝具が見られる。北アルプスの山で有数の、非常に大きな
どっしりとした気品のある山容である。東斜面には、大規模な氷河地形の薬師岳圏谷(カール)群がある。
山頂から避難小屋跡方面の尾根を振り返ります。
流れるガスと朝日でブロッケン現象が頻繁に見られました。
6:45に山頂を下って長い縦走路に入ります。
北薬師岳への鞍部に下って薬師岳山頂を撮影。
北薬師岳まで高低差100m弱でしょうか。岩尾根を登り返します。
7:40に北薬師岳に到着。
薬師岳からのルートを振り返ります。意外に岩尾根の連続でした。
ポツリポツリと逆方向からの縦走者とすれ違います。
次の間山までハイマツ帯の稜線を高低差300m程下ります。
小石混じりの広々とした稜線を下ります。
右手に赤牛岳-水晶岳-鷲羽岳の稜線が姿を現しました。
赤牛岳の緩やかな稜線をアップで撮影。
お花畑が点在する中、小ピークの間山に近付きました。
9:15に平坦な間山-2585mに到着。標柱は落雷で焼けたようです。
さらに高度を下げながらスゴ乗越小屋を目指します。
山肌に雪渓が残り、花々が頻繁に見られました。
小さな池や池塘が見られ、水気タップリの稜線です。残念ながらキャンプ禁止とあります。
緑地帯になり、さらに高度を下げます。
秘境・黒部川の上廊下が見えてきました。
小屋の手前に小さな湿地帯がありました。
10:20にスゴ乗越小屋-2370mに到着。
美味しい水を頂きながら昼食。ここで読売新道まで左回りで延々と縦走するという単独女性にビックリ。
縦走後半に向けて10:45にスゴ乗越小屋を出発。
高低差200mを下って11:20にスゴ乗越-2170mを通過。
ここから今日一番の急登に挑みました。段差が大きくて女性にはキツイ登りでした。
高低差260mを一気に登ります。ガスのお陰で日差しを避けられました。
最後は大岩群を乗り越えて、12:30にスゴの頭-2431mに到着。
大休止後、12:50に越中沢岳への鞍部に100m程下ります。
鞍部から越中沢岳へ高低差260mを登り返します。
先程のスゴの頭に比べると少しだけ楽な急登でしょうか。
スゴ乗越小屋からの縦走ルートは半端ない道程でした。
越中沢岳の頂上近くから青空になりました。
木挽山への稜線に日が当ります。
急登の先に緩やかな山頂が見えてきました。
14:25に越中沢岳-2591mに到着。簡単には来られない山ですね。
越中沢岳(えっちゅうざわだけ)は、五色ガ原と立山山脈の雄、薬師岳との間に位置する地味な山。
立山から薬師岳へと立山山脈を南北に走る縦走路が唯一の登路で、立山・浄土山からザラ峠、五色ガ原
を経てその山頂に登頂、さらにその先はスゴの頭、スゴ乗越、間山(まやま)を経て薬師岳へと縦走路は
続いている。この山の西面は真川(まかわ)の支流、スゴ谷へと深く切れ落ち、東面は木挽山へと続く稜線
に、黒部川の支流、廊下沢が鋭く食い込んでいる。
最後のピーク、鳶山に向かって14:35に下山開始。
広々とした緩い斜面を下ります。
ガスの合間に立山連山が初めて姿を現しました。
越中沢岳を振り返ります。こちら側は緩やかなハイマツ帯の斜面です。
鳶山の鞍部まで高低差230m程の下りになります。
15:40に鞍部-2356mを通過。最後の登りを頑張ります。
高低差260m、徐々に右手にトラバースする様な登り道です。
16:40に鳶山-2616mを通過。
鳶山(とんびやま)は、富山県中新川郡立山町にある飛騨山脈(立山連峰)の山。標高2,616m。立山連峰
の中程に聳え、北に鷲岳、北東に立山、北西に五色ヶ原がある。北北東の獅子岳との鞍部はザラ峠、南の
越中沢岳との鞍部は越中沢乗越と呼ばれている。黒部川および常願寺川の源流のひとつであり、山頂付近
は森林限界のハイマツ帯である。
大小6つのピークを乗り越えて最後の下りになりました。
右下に五色ケ原が広がり、大雪渓と五色ケ原山荘が確認できます。
木道階段と岩ゴロゴロ道を進み、五色ケ原に下りました。
17:20に五色ヶ原山荘-2450mに到着。
高低差750m、23000歩、6つのアップダウンを乗り越えた11時間45分の長旅でした。
17:45から夕食。残念ながらお風呂は17時に終了していました。
夕食後に外に出ると霧に包まれて視界無し。
20時に就寝。平日のため空いており、布団一枚で楽々と寝られました。
最終日は五色ヶ原山荘から獅子岳-龍王岳・浄土山を経て室堂に下山します。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます