福井は長年の憧れの地です。今回は越前の方です。若狭は次の機会です。
北陸新幹線の新しい駅は、どこも近代的でとても綺麗です。デザインも凝っています。よく金沢駅が取り上げられるイメージがありますが、私は個人的には富山駅が好きです。
かつての富山駅に降りたことがあり、その時は薄暗くて古臭くて、駅自体に良いイメージはありませんでした。それに北陸本線の普通列車も古くて汚なかったのです。地元でも昔は昭和の古いカボチャ列車が走っていましたが、それにしても狭い窓に暗い照明、人も乗っておらず、それでいてやたらに図体だけがでかい列車。窓からは黒い海やどこか陰鬱な空が見える。その列車で富山駅に降りたったわけですが、改札に行くのにこれまた暗い地下道を通るのです。そして、改札には駅員がいて切符を切っていました。自動改札ではないのか! という驚き。切符を切るなんて、はるかかなたの大昔の記憶です。そうした色々な古さと汚さの記憶が重なり合って、富山駅がとにかく印象が悪かったわけです。駅の外に出ると、我が県の県庁所在地の街よりもはるかに都会的であったので、駅だけのイメージが悪かったのです。うちの県がダメすぎるだけですかね。
しかし、それはちょうど長野から金沢での延伸工事が始まろうとしていた頃で、次に富山駅に降りたのは新幹線ホームでした。アーティステックな作りで、開放的で、案内板は明るくて分かりやすい。街と駅が一体化されて動線も良い。富山駅はカッコいいのです。
福井駅の方がコンパクトではありますが、やはり新しいのもあり、とても良い印象です。福井もかつての汚くて古い列車に乗って行きましたが、その時はすでに高架になっていて、駅自体はまあまあ綺麗だったので、富山ほどの落差は感じませんでした。
そして、新幹線の車内チャイムが、旅情をかきたてます。北陸ロマン。当たりの列車でした。JR西の車両だとコレだそうです。良い感じの出だしです。
レンタカーを借りて、最初に平泉寺白山神社に行きました。
昔から平泉寺白山神社へ参拝したかったのと、大野の湧水がどうしても見たかったのです。福井の目的は基本的にその2つです。
苔蒸した長い石段。
もっと厳しい感じの神社かと思っていましたが、明るくて温かみのある印象です。静かに白山の神を守っているようです。いつでも参拝させて頂ける感じでした。
ただ、観光目的で楽しく行くようなところではなさそうです。私はパワースポットという概念が大嫌いです。静かに参拝したいと思います。
自分なりに頑張ってしっかりと参拝したつもりです。
帰りには神札を頂きました。
お昼は、黒龍酒造のESHIKOTOという施設で定食を食べました。
一時期5,000円で日本酒飲み放題、料理付きという居酒屋があり、通っていたのですが、コロナで店をたたんでしまいました。獺祭や十四代などが広く知られて騒がれる前で、知っている人だけが飲んでいた頃です。どちらもみんなで一升瓶を抱えて飲んでいました。あの頃の獺祭や十四代は本当に美味しかった。今は値段も上がったし、そもそも自宅では一切飲まないのでどうなのか分かりません。獺祭などが手に入らなくなってからは、七田、鍋島などに移行しました。佐賀の酒ですが、これもかなり美味しかったです。色々な銘柄を楽しんだものです。そして、その店でも滅多にお目にかかれないのが黒龍のしずくで、あっても一杯だけしかもらえません。水のような静かさの中に果物のような香りがほのかにします。玄米を水につけておくと同じような香りがしますが、それを洗練させたような香り。ハッとさせられた記憶があります。黒龍でも安い方の酒はそんなに美味しいとは思いませんでしが、高い方になると絶品でした。
そんな黒龍の記憶があるのですが、今回はレンタカーを運転しなければならないのと、そもそも家では飲まないので買おうとは思わず。酒などは一滴も試飲すらせず、昼食だけ食べておしまい。
でも、創作料理の感じで、酒粕汁なども出て、美味しかったです。酒の飲めない人の運転で、助手席にでも座って行くところです。
午後は永平寺に行きました。
駐車場から山門まで、お土産屋さんが並び、昔家族で行ったことがあるような感じです。完全に観光地化されてますが、京都ほどの人混みではありませんでした。
山門のあたりは苔むし、木々から明るい緑の光がさしていました。
永平寺の中は参拝者用?の回廊のようになっており、靴を脱いで上まで見られるようになっていました。
芦原温泉に宿をとりました。
短時間湯に浸かるだけで、いつまでも体の芯から熱が湧いてきます。全く匂いがしない温泉です。