昔、誰かがリヒテルのシューマンとラフマニノフは、どのピアニストも嫉妬するとか書いているのを読んだ記憶があります。シューマンの謝肉祭の道化や幻想曲も素晴らしいですし、特に森の情景がとても好きです。鳥の予言とか。交響的練習曲も出だしから掴まれます。本当に良い演奏です。
道化は、モスクワ音楽院のリサイタルの録音が残っています。ベートーヴェンのソナタ作品2-1の次に道化を演奏しています。3楽章などの古典の繊細さを含めながら、4楽章全体を通してものすごい高揚力で弾き通します。4楽章のテンポはちょっと速すぎて、もはや笑ってしまいます。あまりにもすごい演奏は、感動を通り越して面白いのです。ベートーヴェンが意図した演奏かどうかは別として、ピアニストを楽しむ演奏とでも言うのでしょうか? 作曲家と演奏家が別人である以上、当然そういうことは起きます。しかし、ホンモノのピアニストの演奏は、もしかして作曲家が意図した演奏とちょっと違っているとしても、なんだか説得力があるし、その曲はそう演奏されるべきだと納得してしまいます。ベートーヴェンの後にシューマンの道化です。もう楽しくて仕方ないです。もし生で聴いていたらどうなっていたでしょうか、、、
今日はブラームスの第2コンチェルトのことを書こうかと思っていたのですが、全然違う話になってしまいました。