便所サンダル大全

日本製便所サンダルについていろいろ語ります

スタッズベンサン

2020-06-06 17:26:59 | 雑記
えー、今回はメーカーさんのオリジナルベンサンではなくて、諸般の事情により私飯田が運営するベンサン.JPのオリジナル商品「スタッズベンサン」のお話です。

このスタッズベンサン、実は私がオリジナルで考案したものではなく、マキシマムザホルモンのマキシマムザ亮君の2012年8月7日 のツイート、

「そう、ヤツの便サンは鋲付き 」

というのが元でして。


マキシマムザ亮君の10代の頃から付き合いのある友達が履いているベンサンがスタッズを付けたダンヒルだったのです。

※残念ながら、ついっぷるがサービス終了したため、当該ツイートについている画像は現在はもう見ることができません。


さて、当時そのツイートを見た私は、

「カッコいいからいつかこれを製品化してやろう」

と目論んでしました。


そんな時、私の高校のころからの友人である「ぎょさんネットのナル店長」から、

「まさかっちゃん!面白いこと思いついたからダンヒル1足送って!」

と頼まれまして。


なんだろな、と思いつつダンヒルを送って数日後、彼から送られてきたのがこれだ。(1・2・3←古)



さすが付き合いが長いだけあってまったく同じことを考えていました。
こういうのをシンクロニシティって言うんですよね。


せっかく作ってくれたので、いい機会だと思って製品化に邁進したのが2013年。


スタッズを危なくなく、かつ確実にダンヒルに留める方法として私が考案したのが

ねじ式スタッズ+ゴム製ワッシャー

の組み合わせでした。


金属製ワッシャーの方が当然確実で丈夫なのですが、サンダルを履くときにワッシャーが爪のスキマにグサリと入った日には目も当てられません。

ゴム製ワッシャーならネジもある程度めり込みますし、安全度は高くなります。


ということで、試行錯誤を重ねたうえで2014年に出来上がった製品化第一弾が、これです。

↑これは当時販売していたプリン型の方。


思い出しただけでも鬱になります。

パッと見た感じ何でもない製品に見えますが、このネジ式スタッズは不良品が多く、ネジがスタッズの奥まできちんと入りきらないものが多かったのです。

そのため、ネジとスタッズの組み合わせを替えてキチンと奥までネジが入るものを「30組」揃えた上に、大小のポンチ2つを使って板ゴムからゴム製ワッシャーを30枚作らねばならなかったのです。


当時お買い上げいただいた方はそんなことは知る由も無いかと思いますが、この製品を1組作るのにだいたい1時間強を費やしていました。

ゴム製ワッシャーもいろいろなホームセンターを回った結果サイズがちょうどいい物が見つからず自作せざるを得なかったというのもあります。


しかし、こんな作業をいつまでもやっていられない!と次に考案したのがジビッツ型スタッズ

これならネジを取ったスタッズにジビッツの土台(※)を接着剤で付けるだけだから楽だ!と、嬉々として制作に励みました。

※ジビッツはク〇ックスにつけるアクセサリーのことです


これです。



思い出しただけでも鬱になります。

思いついたときは楽にできると思っていたこの形状、やってみると飛んでも無い面倒さでした。

まず、ジビッツ土台の接着面のバリをヤスリで削ってまっ平にしなくてはなりません。

接着剤もいろいろなものを試しましたが合金とプラスチックをそれなりの強度で接着するにはエポキシ系+瞬間接着剤の2つが必要で、完全に接着するためには一晩おいておかないといけないわけです。


で、それだけならまだしも、翌朝強度チェックするとだいたい30個中5個くらいは「ポロリ」と土台が外れて、ヤスリで削るところからやり直しになるわけで・・・。


こんなものを大量に販売していたら、売れれば売れるほど時間を失って仕事ができなくなります。

※余談ですが、Tモリ倶楽部とMステで鬼〇院翔さんが使ってくださったのがこのバージョンです。

※そして、テレビにスタッズベンサンが映った際は毎回在庫を0にして欠品扱いにしてました。


ということで、(私の心の安寧のためにも)

もう、一体成型のオリジナルスタッズを作ろう!

と一念発起し、知り合いのツテでつながったノベルティ制作会社さんに図面を渡して鋳型からオリジナルで制作して出来上がったのが、現在の製品、

「スタッズベンサンカスタマイズチャームZ」 

というわけなのです。

おお、なんて神々しい・・・・。

これなら袋&箱に詰めるだけ。

時間を異常に浪費する労働から解放された今では、ご注文が入ると嬉々としてパッケージングしております。


で、実は何名かから、「スタッズを付けたものを販売していただけませんか」というお問合せをいただきましたが、すべてお断りしております。

なぜかというと、これを30個ダンヒルに装着するには小一時間かかる上に右手の親指が痛くなるからです。


1回だけ、フェス出店のために完成品を5個作りましたが、その日は右手の親指の腹が真っ赤に腫れました。


つまり、その労働量を製品価格に加算した場合、弊社オリジナル商品であることを鑑みると10,000円前後の価格を付けざるを得ないわけです。


というような理由で完成品の販売は行っていませんでしたが、作成したヤツがまだ残っているのでマルシェルで売ることにしました。(´∀` )

好評だったら、時間が余ってどうしようもないときにでもまた作ろうかと思います。

よろしくどうぞ。





ニシベケミカル Charming No.1900 婦人クロス

2020-05-31 14:30:47 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
婦人用なので当然私は履けないのですが、おそらくは婦人用ベンサンで最高傑作の部類に入るであろうと思われるサンダルが、この「Charming No.1900 婦人クロス」です。

なぜ履けもしないのにそんなことがわかるかと言いますと、

熱望するリクエストが一番多かったサンダル

だからです。


■ブラック

■オーク


■パープル

■ピンク


前にも書いたような気がしますが、ベンサン.JPは「リクエストや問い合わせがあったサンダル」から順次ラインナップを増やしていまして、置き場所に余裕ができて来たら今まで取り扱いの無かったサンダルを入れたりしています。

そこでこの婦人クロスなのですが、具体的にどのようなリクエストがあったのかと言いますと、すべて電話での取り扱い依頼でした。

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ex1)
「はい、中野フジヤマ堂でーす」 ←ウチの会社名です

女性の方「あの、婦人クロスというサンダルを探してまして、娘に10年ほど前に買ってもらったものなんですけど壊れてしまったので買い替えようと思ったんですが、どこを探してもどこに売ってないんです。昔はコーナンに置いてあったんですけど、もうどのお店にも置いて無くて、インターネットでおたくのお店を見つけて、もうベンサン.JPさんにすがるしかないと思って電話したんです・・・。なんとかお取り扱い願えませんでしょうか・・・・。

-----------

ex2)
「はい、中野フジヤマ堂でーす」

女性の方「あの、婦人クロスというサンダルを探してまして、以前買ったお店が無くなってしまったのでいろんなところを探して回ったのですがどこにも置いてないんです・・・。あのサンダルがすごく良くて、私、あのサンダル以外履けないんです。なんとかベンサン.JPさんで取り扱ってもらえないでしょうか?」

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ex3)
「はい、中野フジヤマ堂でーす」

女性の方「Charmingというメーカーの前の甲のところがクロスしてるサンダルを探してるんですが、前は近所のホームセンターに置いてあったんですが今どこを探しても売ってないんです。ネット通販で探したのですがどこも販売してなくて、専門店のベンサン.JPさんくらいしかお願いできそうなところがなくて・・。なんとか取り扱ってもらえないでしょうか?」

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概ね、このような(しかもみなさんほぼ似た状況の)熱烈なリクエストを数名から頂戴いたしました。

これにお応えしなければ便所サンダル専門店の沽券にかかわります。

しかし、リクエストをいただいたのはすべて「黒」


ニシベケミカルは基本的にアソート(色とサイズ混ぜて1箱10足)なのですが、どうせだったら全部黒で発注してしまえと初っ端から特注でM100足、L100足の計200足を特注したのが2014年11月。

清水の舞台から飛び降りるつもりで発注しましたが、もう6年前の話なんですね。


当時、導入のことをアメブロの方に書いたのですが、それを読み返してみると、


ニシベケミカルさんを始め、大問屋・問屋にも何件も問合せましたが、確認した限りでは普段在庫として持っているところはひとつもなく、メーカーのニシベケミカルさんでさえも、


「これ、全然作ってないんだよね」


と言っている、廃番にならないのが不思議なくらいの希少っぷり。

つまり、誰かが注文を入れなければ作られないっぽいので、ベンサン.JPが受けて立ちました。(爆)


てな感じでした。

そういえば今はどうなってるのだろうと検索をしてみたら、ネット上でも販売してるのはほぼウチのみ。

※amazonに出品してるのも楽天で販売してるのもウチです


めちゃくちゃいいサンダルなので、フェスなどに出展した際にはこのサンダルもVIC No.1001 スポーツ同様

「買わなくてもいいから一回試しに履いてみてください!」

と啓蒙しているサンダルです。


トップクラスの滑りづらさとフィット感を兼ね備えたこのニシベケミカルの婦人サンダルの最高傑作を、ゼヒ一度味わっていただいたいと願っています。



森川ゴム工業所 health メッシュサンダル ポケッター

2020-05-22 19:18:17 | 森川ゴム工業所(Health)
今日はちょっと予定を変更して急遽「ポケッター」のご紹介です。



5月13日から

「なんかポケッターがやけに出るなぁ・・・」

と思ってTwitterにそのことを書いたら、女性のお客様からcancamのサイトで取り上げられていたことを教えてもらいまして。

それじゃあ私が気づかないはずです。w


それはさておき便所サンダルにはカテゴライズできないこのポケッター、なぜベンサン.JPが取り扱っているかというと森川ゴム工業所製だから。


森川ゴムさんの応接室には自社製品が壁面一杯に並べられているのですが、初めてお伺いしたときに

「これ、昔はよく出たんだけどね~」

と見せてもらったのがポケッターでした。

■トウメイ
■ゴールド
■シルバー
■ブラック



その時まで知らなかったのですが、このポケッター、昔は

・お姫様シューズ
・ガラスの靴

と呼ばれてかなり流行ったメッシュサンダルなのです。


ですので、人によってはcancamの記事を見て

「懐かしいわ~」

と思った方もいらっしゃるのでは。


そうではない方は

「プチプラでかわいい!」

ということでお買い上げいただいてるかと思いますが、つまり一周回って新しいっていうことですかね。


で、ウチでは上の写真の4色を取り扱っているのですが、本当はもうちょっとカラバリがありまして、全9色です。




この記事のタイトルに型番を入れてなかったのは、ポケッターに

・PC-7
・PM-7

の2種類があるからで、クリアー系とメタリック系に分かれてます。


なんでウチで4つしか扱ってないかというと、このポケッターはサイズが

S / M / L / LL

の4種類あって、しかもカラバリが9色となると・・・。


全部そろえると置き場所に困るからです。^^;

あ、念のため「PM-5」はお子様用です。


で、形としてはパンプスのように結構タイトな作りをしてますので、多少余裕を持ったサイズ選びをしたほうがいいかもですね。

ちなみにカカト側はこんな感じです。



私は男なので履けないのですが、今日、あるお客様がつい先日お買い上げいただいたばかりなのにさっそく感想コメント付きでリピート購入していただきまして、そのコメントには

「フィット感がすごくて最高です! 」

と書いてありましたので、きっとフィット感が最高なんだと思います。(´∀` )


と、このブログを書いているそばから5件ご注文が入ってたのですが、確認したらすべてポケッターのご注文でした。

ありがたやありがたや。(涙)


ポケッターが売れると、なんか春が来たって感じがします。
ではここで一句。




Youtube「別視点チャンネル」で私の動画が公開されました~

2020-05-15 15:55:01 | 雑記
さて今日はサンダルの話ではなくて、メディア出演情報のお知らせです。

地上波とかそういうのではないですが、マニアフェスタもろもろで何年も前からお世話になっている、「合同会社 別視点」の松澤さんから受けたインタビュー動画がYoutubeにアップされています。

なかなかテレビでは紹介されないレアものの紹介とか、最近のベンサン界の動きなどについて語っています。


たま~にテレビやラジオで私の事を取り上げていただけることがあるのですが、「ベンサンマニア」という部分がクローズアップされるので


ベンサンそのものの魅力


までお伝えできることができないんですよね~。
※ただ、「Tモリ倶楽部」だけはベンサンの魅力を存分に伝えてくれました


なかなかベンサンを履いて外をうろつくことができない今日この頃ではありますが、春も来て緊急事態宣言も解除されつつありますので、今まで以上に気を使いながらじょじょに買い物以外の外出も始めたいと思っております。

まぁ、買い物以外の外出はもともとあんまりしてないんですけどね。(なので実は生活がほぼ変わっていないという)


で、これは蛇足なのですが最近はテレビ番組もロケや撮影ができないので過去の総集編や傑作選などを放映している番組が多くなってきていますよね。

ということで、私が過去に出た番組もいくつか映像再使用のオファーがきているので、もしかしたらどこかのテレビにまた出るかもしれません。w


そんなこんなでインタビュー動画はこちら!お楽しみくださいませ~

▽6000円超えでファッションアイテム化!?「便所サンダルを日本一売る男」に驚きの便サン最新トレンドを聞いた!

ニシベケミカル VIC No.803 VICⅢ

2020-05-08 11:49:07 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
ニシベケミカルの防寒サンダル 「VIC No.803 VICⅢ」は、業界では「紳士プラ防」と呼ばれてまして、なぜそう呼ばれているのかは確認したことが無いのでわかりません。

同じくニシベの婦人用防寒サンダルは「婦人プラ」が正式名称なので、もしかしたら「紳士プラ防」が正式名称だった時代があったのでは?とも思いましたが、確認したことが無いのでわかりません。w


さて、当たり前のように「防寒サンダル」という言葉を使っていますが、写真のようにツマ先部分がすべて覆われているタイプのサンダルの事を防寒サンダルと呼びます

No.803 VICⅢ

本当はローマ数字の「Ⅲ」は環境依存文字なのでブログとかでは使いたくないのですが、正式名称なので仕方がありません。

さてこのVICⅢはある意味「防寒サンダルの生き残り」とも言えるもので、ニシベケミカルにおいて過去何種類もの防寒サンダルが作られては消えていった中で長期間に渡ってレギュラーのイスに鎮座しています。


1998年のカタログを見ると、少なくとも紳士系防寒サンダルに

・No.801 VIC-Ⅰ
・No.802 VIC-Ⅱ
・No.803 VIC-Ⅲ
・No.806 VICエース

の4つがあったことがわかります。


あと、残念ながら何年のカタログかは不明なのですが、

・No.805 (VIC-V)

も存在していたことがわかります。


No.804はカタログで確認していないので、あったのかどうか不明です。^^;
※どなたかご存じでしたら教えてください。


さてこのVICⅢ、長年生き残っているということはそれだけ「優秀なサンダル」であるということでして、かいつまんでお話をしますと

・ニシベ特有、カカトの横穴によるクッション性
・厚すぎず薄すぎず柔軟な甲の部分
・アイスバーンの上でも滑りにくい強烈なグリップ力

に集約されると思います。


私は基本的に一年中サンダルを履いていて、冬でも通常のベルト型のサンダルで過ごしますが、

・雪の時だけはVICⅢ

を愛用しております。


今でこそ、プレゼントでもらったレッドウィングのワークブーツや運転時に履くスニーカー(の2足だけ)などの靴も履くときがありますが、VICⅢはこれらの靴より

・雪上性能が圧倒的に上

です。


秘訣は当然、その靴底にあります。ではご覧ください。


互い違いに生えた歯のような突起がニシベならではの適度な柔軟性を持っているため、アイスバーンの上でもそう簡単には滑らないんですね。

まさに、雪の日のために作られてサンダルと言っても過言ではないのではないでしょうか。


そして、パッと見ではわからないのですがディティールにも凝っていて、甲の部分には革のような装飾&ステッチが施されています。




サンダル愛好家のサワダンヒルさんという方は、さらにこの上に本物の革を縫い付けてとんでもなくかっこいいサンダルに仕上げていたりします。

※ツイートの埋め込みができないので実物写真はリンクからご覧ください


さて次はカラバリについての話なのですが、一応私が認識している範囲では9色存在しているはずです。

現行カラーの「ブラック」「チョコブラウン」「レンガ」に加えて、


左から「モスグリーン」「メタリック」「こげ茶」「濃茶」「茶」、プラス「ブルー」です。

※ブルーも手持ちにあるのですが、いま探したらどこにも見当たりません・・・。引っ越しでどこかに紛れてしまったようだ・・・。

こう書くとわかりづらいのですが、要は

・茶・黒系だけで6種類もある

ということになってます。


2012年に現行カラーに変更した際、説明用に撮影した写真をご覧ください。



カラーの変更があった後の数年間は、

「チョコブラウンを頼んだのにレンガが来た!交換しろ!」

みたいなクレームがよくあったのですが、写真を撮って送ってもらうとその方たちがもともと持っていたVICⅢは100%「こげ茶」か「濃茶」の写真。


その都度、

「モデルチェンジでその色は数年前に廃番になっていて、お送りしたものはチョコブラウン」

という内容を丁寧に書いてご説明するという作業が発生してました。


さすがにここ1~2年は同様のクレームは来ていないですが、たまにしか履かないと結構長持ちしてしまうサンダルのため、その時の説明用に先ほどのカラーリング写真は大事に保存してあります。

でもヘビーユーズすると1年程度で甲に亀裂が入りますし、旧カラーもなかなか入手困難になってきていますので、旧カラーをお持ちの方は大切に使ってあげてくださいませ。

※でも去年、熱海の履物屋で旧カラー3足発掘できました。