便所サンダル大全

日本製便所サンダルについていろいろ語ります

ニシベケミカル VIC No.603 万年履

2020-08-28 16:11:43 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
正直これはベンサンではなくて「雪駄」なのですが、PVC素材のサンダルということでカタログ上では他のサンダルと同列に扱われていたのでコレクションせざるを得ない一品です。


手持ちのカタログで1999年には既に存在していて、2013年のカタログを最後に姿を消しております。

つまりベンサン.JPを開始したときにはまだラインナップにあったのですが、1回も発注することはありませんでした。


が、あるお客さんの協力を得て某履物店で大量に残っていたものをすべて譲り受けて販売したことがあります。

その時の数足を個人的に保管してあります。

万年履 大寸

カタログに載っている色はこの色だけなのですが、おそらく他にもイレギュラーで何足かあったはずです。(オークっぽいやつとか)


で、上の写真は紳士用の「大寸」で、女性用の「小寸」というのもあります。

この「小寸」の本物は見たことが無いのですが、別注の小寸ならば今でも何足かキープしております。

万年履 小寸

これは雪駄メーカーさんが自社製品として特注したものなので、ソールの部分が「万年履」とは微妙に違うものらしいです。


実は意外と人気があった商品のようで、廃番になったときは結構お問合せをいただいてしまったサンダルでもあります。

ビーチサンダルと違って鼻緒がすっぽ抜けることもありませんし、底が厚手なので履き心地もよく、何より浴衣にもデニムにも似合う万能さ。


きっと寺院なんかでは結構需要があったんだろうなぁ、と想像を膨らませておりました。


その万年履。
なんと、2016年に「限定商品」として復刻します。

その名も「信貴6030 インジェクションアッパー」

雪駄メーカー「丸宗」さんがニシベケミカルとコラボして、アッパーがニシベソールが丸宗という形で信貴ブランドとして生まれ変わらせてくれたのです!



そして、その2016年、試験製造されたこの信貴6030を製造数の8割方販売したのがウチ、ベンサン.JPなのです!(パチパチパチ)


最初の年はメタリックが作られたのですが、たくさんのお客さんから「黒は無いんですか?」と問合せをいただいた旨を丸宗さんにお伝えしたところ、翌2017年は黒で作ってくれました。

そう、実はこの信貴6030は、丸宗さんが毎年製造する前に私にどんなカラーがいいか確認してから作ってくれているのです。


ある年は、通常の信貴とは別に

ベンサン.JP限定 白信貴

を製造してくれたことがありました。

※というか、白のソールが余ってるから作ってくれないかと依頼されたというか・・・。

白いソールの残在庫が限られていたため、作られたのが200足弱。
完全に限定の貴重品となってしまいました。


信貴6030 白(ベンサン.JP限定)


アッパーが白の信貴は他のところでも販売されましたが、全てソールが黒だったはずです。

全部真っ白というのはベンサン.JP限定商品だったんですよね~。
当時手に入れられた方はラッキーです。


そして、今年からソールの形が変わって(価格も上がって)ネイビーがラインナップに登場しました。

信貴6030 ネイビー


なお現在、信貴は毎年春になると作られる定番商品に格上げされております。

これもひとえに頑張って販売開始から2~3年の間メチャクチャ売った私のおかげと言っても過言ではないと思います。(本当)

※最初に作った年は「来年作るかどうかは今回作ってみてどのくらい売れるかで決まるんです」と言われておりました。


今アマゾンとか楽天で販売してる他の販売業者さんは信貴6030の立ち上げの時の事なんか知らないんだろうなぁ・・・。


ということで、実はすでに2021年の信貴6030がどんなモノになるかは知っております

が、絶対に誰にも教えませんので来年まで楽しみにお待ちください。w


ということで、一度は廃番になってしまった万年履ですが現在は「信貴6030」として毎年夏に活躍する大復活を遂げました。

型番が「603 ⇒ 6030」に変わったのも「引き継ぎましたぜ!感」があっていいですよね!

ということで、気分が良くなってまいりましたので(だいたひかる風)、白信貴を手持ちから数足だけマルシェルで販売することにしました。

白信貴のことを初めて知ったという方、チャンスですよん。


追記:書き忘れてましたが、信貴6030として復活したあと寺院さんから凄い需要がありました。


まるべ印入り珪藻土コースター

2020-08-21 16:13:05 | 雑記
お盆も過ぎて時間的にも精神的にも余裕が出てまいりましたので、この記事での約束通りグッズ制作にいそしみたいと思います。


最所に手掛けるのは、自分自身が欲しかった「珪藻土コースター」です。

自分の部屋で寝酒を飲むときにいつも「い草」のコースターを使っていたのですが、乾きが悪いのでだんだんと真ん中に黒カビがついてきてしまい、拭ってもぬぐっても取れません。

ということで、グッズにもなるし自分でも使えるといういいことづくめですし、珪藻土コースターなら多少の需要はあるだろうということで作ることに決めました。


ということでコースター自体はとっくに仕入れてありましたので印刷の様子をご紹介しますね。


今回はUV印刷というのを行うのですが、シルクスクリーンやパッド印刷と違って「版」を作らなくていいため、超小ロットでもできる印刷方式です。

※ただし、ロットが小さいと普通は「高額」になりますが。

まぁそれはそれとして、印刷の流れとしては

1)イラストレーターなどでデータを制作
2)下地印刷
3)本番印刷

という感じです。


今回は直径10cmのコースターの上にウチのロゴを印刷するだけですので、10cmの丸を書いてロゴをはめ込んでデータは出来上がり。


こんな感じでプリンタ操作のソフトにデータを読み込ませておきます。
※ちなみにこの写真は枠の無い本番印刷用のデータです。


これを、透明な素材の上に下地印刷(印刷物を置いて位置決めするための予備印刷)します。

サイズ的には20個くらい一気に印刷できるのですが、どうせそんなに売れないと思いますので今回は3個だけやります。(いくらでも追加できるし)


できました。


ぱっと見なんでもないように見えますが、この黒の「まるべ」マークの下に「ホワイトインクで白印刷」がしてあります。

白印刷をしないと、インクが透けて薄~い仕上がりになっちゃうんですよね。

後ろから光を通すような仕上げのものならしなくていいのですが、通常はカラーの下に白印刷をしておきます。

これが上のカラー印刷と「数ミクロン」ずれただけでも非常に目立つので、ほぼドンピシャでやるのにはテクと経験が必要です。


ということで、この下地印刷の上に珪藻土コースターをぴったり乗せていきます。


乗せました。


このコースターは厚さが9mm。

余裕をもって9.3mmでプリンタヘッドの高さをセットします。


ヘッドギャップ(プリンタヘッドの高さ)が1.5mmなので、合計1.8mmだけ印刷物とプリンタヘッドの距離を取ってプリントする、という感じですね。

ここまでできたらスイッチぽん。
印刷が始まります。



なんとなーくうっすら印刷途中の「まるべ印」が見えますかね?
これは「白印刷」の段階です。

で、この青白い光がUV。紫外線ですね。

インクを吹き付けるなり紫外線で固めるので、インクを乾かす作業が不要というのがこのUV印刷のいいところ。

印刷が終わったらすぐに梱包OKなのです。



白印刷が終わって、


その後のカラー印刷。これが終わると、印刷台が勝手にニョーンと前に出てきます。

終わって、


ニョーン


出来上がりです。

そしてこいつらを袋に詰めて、


完成!


すごく簡単にできたように見えるかもしれませんが、印刷自体は簡単です。

どんな印刷でもそうなのですが、印刷までの準備にテクニックが必要なんですよねー。


ほんとはこのUVプリンターは写真レベルのフルカラー印刷ができるのですが、今回は黒一色だけという完全にスペックオーバーなもったいない使い方です。

そんな贅沢なプリンタの使い方で作った「まるべ印入り珪藻土コースター」はマルシェルに出品中です。

まるべ印入り珪藻土コースター  


なお、このUVプリンタ。

インク(全部で8本必要)は1本2万円するし、インクの使用期限が過ぎると物理的にプリンタが動かせなくなるという仕様だし、しかも使っていない時でもメンテナンスで勝手にインクがドバドバ流れて捨てられるようになっているという、使わないでいると金をドブに捨てているくらいの金食い虫。

誰か印刷の仕事ください。( ´∀`)




ニシベケミカル VIC No.1300 エレファン

2020-08-14 12:58:35 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
2017年にトップ、アルペンと同時にカタログから姿を消した、VIC No.1300 エレファン。

現在ではこれまたBENCHさんが独占販売しております。(シャークソールとかついてますが)

この調子で「ガードベンハー」とか「ジャンプ」もBENCHで何にもカスタムしないで再販してくれないかと密かに願っているのですが無理ですかね。


手持ちのカタログで確認した限りでは2004年の時点ですでに販売されていたので、結構長い間レギュラー陣だったサンダルです。

※てか、2017年に減らしすぎ・・・。


ということで、金さえ出せば現在でも履くことができるのですが、これもとても履きやすいサンダルだったのでなくなったのは惜しいことです。

とは言え、知名度が無さ過ぎてせっかくウチで取り扱ってたのにあんまり売れなかったサンダルでもあります。(笑)

■ブラック

■メタリック

■チョコブラウン

■オーク


見た目に反してタイトな履き心地で、近いものはPEARLのNo.180あたりでしょうか。

さらに内側がえぐれて土手状になっているので、タイトさで言えばPEARL No.180よりもキツめに感じるかと思います。

でも、No.1200 トップよりはキツくないです。


逆に言えば、ドンピシャではまった時にフィット感は極上で、普段25.5cmの靴を履いている私がLサイズを履くと

・つま先が前にズリ出ない
・踵がズリ出ない
・甲のベルトが全くパカパカしない

という、いわゆる「自分の足に合わせて作ってあるのではないか」という錯覚を起こすくらいのベストフィットサンダルでもあります。

ただ、普段履きができるほど手元に残していない(フェスとかで観賞用以外は蔵出ししてしまった)ので、眺めるだけのサンダルになってしまっています。


さて底面はと言うとトップを踏襲しつつB・Mに似た感じの蹄鉄のようなカカトを持つ、相も変わらず独特なデザイン。


写真で見るとフワフワした履き心地を想像させますが、カカト部分はわりとガッチリしつつも厚みがあるので体をシッカリと支えてくれます。

そして、ただでさえ滑りづらいニシベケミカルのサンダルの中でも、つま先にさらに滑り止めがあるのはこのエレファンくらいなものでしょう。


名前の「エレファン」の由来は、ニシベさんに確認したわけでは無いですが誰がどう考えても

象っぽいから

でしょうね。

象っぽい。


実は、現役販売中でも街中で売られているのを見かけたことが無いサンダルだったので、どのへんで流通してたのかも大変気になります。

ネット上で販売していたのはウチ以外ではおそらくエスコとかアズワンさんのようないわゆる「業界向けの商社さん」くらいしか見当たらなかったので、メインはやっぱり防塵用とか衛生用だったのかもしれないですね。


これがもっとホームセンターとかでガンガンに売られてたら、ニシベを代表するようなサンダルになっていたような気がするんだけどなぁ・・・。


丸中工業所 PEARL 紳士シャワー

2020-08-06 16:18:03 | 丸中工業所(PEARL)
さて今回ご紹介するのはこの「紳士シャワー」

なかなか面白いサンダルで、

・ナンバリングが無い
・甲にエンボス(浮き出し)の文字&金の着色
・現在入手しづらい

などの特徴があります。


※今回、手抜き(サンダルを出すのがめんどい)で1色だけ


形としてはNo.170のようなベルト上下の穴で、底面のデザインは「ホヌ」と似ています。というか、ホヌの方が紳士シャワーに似ているのですが。

※ホヌには土踏まずのボツボツがあるけど紳士シャワーにはありません。


こういう話を書くと、6年ほど前に電気グルーブがMステに出たときに

「電気グルーヴって人達、セカオワのパクリみたいだった」 

というツイートが拡散されて、電気グルーブのファンが「それはさすがにセカオワに失礼だろ!セカオワに謝れ!」とか「電気最低だな!」 と余裕のツイートで若者を温かく見守っていた件を思い出します。


まぁそれはそれとして、デザイン的な最大の特徴は甲に輝く

SPORTS

の文字。

そして名前は「紳士シャワー」。


つまり、本来は「男性が運動後のシャワーの時に使うことしか許されない」用途が限定されたサンダルなのですが、もちろんそんな律儀な人間がいるわけもなく私も(もったいないから)たまに普段履きに使用します。

なんでガンガン履くのがもったいないかというと、前述したとおり現在入手しづらいからです。

かと言って、廃番にはなってないんです。


ただ、丸中工業所さんが

「大量の注文でも入らない限りもう作らない」

と言っているので他のサンダルと違って在庫が無い上に生産されていないようなのです。


どこかのホームセンターさんが数万足単位で発注してくれればウチもおこぼれに預かれるというものなのですが。


ということで私も大事に保管しておりまして、写真は撮りませんが私が所持(履かずに保管)しているカラーは「ブラック、イエロー、ブルー、パープル」の4色だったと思います。

※山積みダンボールの下の方にあるので手抜きでごめんなさい


さて、肝心の履き心地の話ですが、実は紳士シャワーは丸中工業所製品の中では圧倒的な柔らかな履き心地を誇っております。

おそらくは靴底のデザインがこの履き心地を作っていると思われます。


非常に大きくギザギザが入っているため、全体的に「ふわっ」とした感触になるのと、加えてベルトや底全体も他のサンダルより柔らかめに作ってあると思われます。

つまり、入手しづらいけどとってもいいサンダルなんですよー・・・。


でも先日もTwitterでホムセンかどこかで販売してる写真をお見掛けしましたので、あるとこにあるようです。

ほんとは生産されていれば嬉しいのですが、街で見かけたら即買いレベル、PEARL製品の中でも上位クラスの良いサンダルだと思います。

小ロットで作ってくれないかなー、丸中さん・・・。