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「アベンジャーズ/エンドゲーム」ネタバレ感想!~後編~【本編視聴者注意】

2019年05月02日 | 映画感想文
※ネタバレを含みますので本編を観に行ってから読んでください。










現実世界に戻ってきたアベンジャーズたち。

トニーがインフィニティーガントレットを作り、ガンマ線を浴びてるブルースがストーンを嵌めてスナップをします。インフィニティーガントレットを使用すると身体に多大な負荷がかかるという伏線をここで描きます。

ここでの願いの仕方が、まさにドラゴンボールですよ。今残っている人たちはそのままでサノスに消された人たちをもとに戻すっていう細かい願いの仕方は。本当にドラゴンボールみたいに願いごとを叶えられます。しかもストーンは消えませんから使おうと思えば何度も。まさにインフィニティー。

こうしてサノスが消した生命を再び復活させることはできましたが、そのままハッピーエンドというわけにはいきません。当然、上手く成功するわけがありません。なぜネビュラをインフィニティー・ウォーで生還させたかというところがポイントです。ファンも、なぜネビュラ?と思った方も多いハズ。

2014年にタイムスリップしていたネビュラ(2023)と2014年当時のネビュラのメモリー回路がリンクし、運の悪いことに2014年のサノスに見つかってしまいます。頭の良いサノスは、すぐにアベンジャーズの目論見を察知し、ネビュラ(2023)を利用して軍勢と共に2023年へタイムスリップしてしまいます。このとき、アベンジャーズの基地が木っ端微塵になるシーンは、「アイアンマン3」のトニーの自宅が木っ端微塵になるシーンのセルフオマージュに感じました。もう勝利目前の絶望感…本当にこういう演出は上手いです。トニーの「時間を弄った報いだ」的な発言に、ラストバトルが始まる胸騒ぎがしました。

しかし、この時点で冒頭のサノス(2018)へ逆襲を果たしたシーンを見ている自分としては、ストーンのないサノスなんて、アップグレードしたアベンジャーズの敵ではないだろうと高をくくっていました。アイアンマンなんてマーク50から5年でマーク85まで進化していますし、ソーは黙って過去からムジョルニア(ソーのハンマー)を持ち帰っていますから、雑魚ではないけどようやく互角に戦える次元にきたなと思っていました。そう思ったのもつかの間、このサノス、剣を持っているもののストーン無しでも全然強いんです。アベンジャーズをまたも軽くあしらっていきます。キャップは人間なのでもちろん相手になりませんが、アイアンマンなんて、マーク85と名乗ってるにも関わらずマーク50の頃と何も変わらず傷一つ負わせられないレベルです。なぜサノスバスターみたいなスーツを作っておかないのか、なぜこの5年でサノス対策をしておかないのか、一気に窮地に陥るその時、キャップがまさかのムジョルニアを引き寄せて使うシーンです。この伏線は、実は「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で唯一ソー以外でキャップが少しだけ動かせてソーが焦っていました。その伏線がここに生きてくるとは誰が想像していたでしょう。たしかに、キャップが生き残っても、今作でサノスと互角に戦えるわけないのでどうするんだろうと思っていました。やっぱりサノスに殺されてしまうのかなと思いながら不安げに見ていたら、ムジョルニア装備したキャップです。ソーも「君なら使えると思っていたよ!」と叫ぶシーンで鳥肌が立ちました。

サノスと互角に戦うキャップはもう胸熱で、これで勝てる!と胸がドキドキしてしまいましたが、やはりサノス。あの最強の硬度を誇るヴィブラニウム製シールドが、サノスの剣によってボロボロに…。壊れるんだ…っていう衝撃と同時にヴィブラニウムを超える硬度の金属で作ったサノスの剣って…やっぱり宇宙は広い…っていうMCUの底なしの広さに絶望してしまいました。

キャプテン・マーベル無しではやはりサノスに勝てないのか…と思っていたところに、ストーンによって復活したアベンジャーズたちが再集結するのです。ドクターストレンジの唯一の勝利のパターンがこれだったんです。アベンジャーズを再集結させるためにはその伝達者が必要です。インフィニティー・ウォーでオコエを生き残らせた理由は、ワカンダにいたメンバー、戦士を連れてくるため。ヴァルキリーを生き残らせた理由は、アスガルドの戦士を連れてくるため。ウォンを生き残らせた理由は魔術師軍団を連れてくるため、そしてワープでワカンダやアスガルドの戦士を時間差無く連れてくるため、惑星タイタンにいたメンバーはドクターストレンジによって、連れて来れるため、これで再集結できたのです。しっかり計算通りです。トニーがドクター・ストレンジに「こうなるのを知っていたのか?」的な質問するが、ドクター・ストレンジは「話せば未来が変わるため言うことはできなかった」と返す。たしかに、いえばその後の行動が変化し、この結果に繋がらないわけです。

全員揃ってキャップの「アベンジャーズ、アッセンブル!」という掛け声に再び鳥肌が立ちました。インフィニティー・ウォーではそれぞれ散り散りになっていたアベンジャーズが一つの場所に介するなんて、カタルシス爆発といった展開ですよ。そこにはワスプもいるし、トニーがポッツ用に作っていたスーツを着て、ポッツも参戦するサプライズ!! トニー製インフィニティーガントレットを持って逃げるホークアイがピンチのとき、シヴィルウォーで敵対していたブラックパンサーが名前を叫んで駆けつけるシーンや、スパイダーマンがホームカミングで使う事を禁止していた“瞬殺モード”をここで発動したこと、ブラックパンサーからバトンを受け取ったスパイダーマンがピンチのときに、女性ヒーローたちが一堂に会して守るシーンなどなど、鳥肌が止まりませんでした。リアルタイムのアメリカの社会問題を取り入れてるのもすごい。

ヴィジョンを殺された怒りでリミッターを外したワンダが全力でサノスを追い詰め、勝利間近のとき、サノスが戦艦の砲台を地上へ向けさせ攻撃命令を出します。仲間が巻き添えを食らうことをなんとも思わずに。インフィニティー・ウォーでは宇宙の均衡を保つために宇宙の生命を半分消すという倫理観は、人によっては正義だと感じる方もいると思います。しかし2014年のサノスは仲間を見捨て、自分の勝利のためなら何でもする。しかも、インフィニティーストーンで全宇宙の生命を消してゼロから作り直すと宣言するわけです。この瞬間、サノスはヴィランとなるわけです。ヒーローは仲間を犠牲にしない。仲間を救うためなら自らを犠牲にする。それがアベンジャーズです。

キャプテン・マーベルも参戦するが、それでもサノスを倒すことができない。ついにはガントレットを奪われ、全宇宙の生命を消すという願いと共にスナップされるというまさかの結果に。

ナノテクスーツは自由に武器や防具に変化させることができます。そう、ガントレットも作ることができますよね。トニーはマーク85の片腕にストーンを嵌められるように変化させ、ガントレットを作ります。しかし、躊躇します。ここで、並の人間がスナップをすればそれは“死”を意味する伏線が効いてきます。トニーの視界にドクター・ストレンジが映ります。トニーに向けて、ドクター・ストレンジは人差し指を立てます。未来は言えないと言っていた彼が、「君がスナップする選択が唯一見えた数千通りの中の勝利の未来だ」と言わんばかりに…。

確信したトニーが、自らを犠牲にしてスナップをします。最初は自分のためだけに戦い、2012年にアベンジャーズが結成されたとき、キャップに「君は自分のためにしか戦ってない」と言われたトニーが、この10年で成長し、自らの命を犠牲にして世界を救ったわけです。エイジ・オブ・ウルトロンではトニーの判断ミスによりウルトロンを作ってしまったり、シヴィルウォーでは選択を誤りアベンジャーズを解散へ追い込んでしまったりと、失敗の連続だったトニーが最後に地球を救いました。

2008年の「アイアンマン」で始まったMCUが、アイアンマンで終わる。こんな綺麗な終わり方があるでしょうか。

そしてそしてそして、トニーがいなくなった後、まだアベンジャーズのミッションは終わっていません。先にも書きましたが、ストーン、そして勝手に持ってきたムジョルニアを過去に戻って返却しなくてはいけません。そこにソーはいません。


結構ネタバレ満載ですが、まだ“あえて書いてない大きなネタバレ”もいくつかあります。とにかく今回は予想を裏切る衝撃的な展開やネタが多すぎるので、まだ観ていない方への最後の譲歩というか、このネタバレだけは是非本編で知ってくださいという感じですね。

平成で観た映画の中ではおそらくナンバー1だと思います。ただ、「アベンジャーズ/エンドゲーム」単体というよりは、MCU全作品を踏まえての「アベンジャーズ/エンドゲーム」だからこそここまで感動できたんだと思います。

鑑賞後、2,3日余韻がずっと残った映画はおそらくこれが初めてかもしれません。

今回、MCU初のポストクレジットシーンがなく、静寂な劇場内にただ金属音(アイアンマンMK-1を作ってるときの金属を叩く音だと噂されています)だけが響く光景に「本当にアベンジャーズは終わってしまった…」と余韻をより深く残す理由にもなっていました。


そして、マーベル社長がポロッと海外のインタビューで、フェイズ3は「アベンジャーズ/エンドゲーム」で終わりではなく7/5公開の「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」で終わるそうなんです。そして、「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」の物語の始まりは、エンドゲームのエピローグから直結しているそうなので、きっとトニーが何かしらの置き土産をしているに違いありません。感涙もののエンディングが待ってるに違いないと信じてます。

そして、フェイズ4はガーディアン・オブ・ギャラクシーメンバー、ブラックパンサー、ドクター・ストレンジ、スパイダーマン、キャプテン・マーベル、アントマン&ワスプ、そして今後展開される新ヒーローを含めたニューアベンジャーズとして物語を作っていきます。インフィニティー・ウォー、エンドゲームではアベンジャーズオリジナルメンバーに華を持たせて脇役に徹していましたが、今後はメインを張るわけですから次の10年も楽しみです。

では、フェイズ3までのヒーローの今後の展開はどうなるのか?

ブラックウィドウは単独映画の噂がありますが、その他のホークアイ、ファルコン、バッキー、ワンダ、ロキはそれぞれのスピンオフドラマシリーズが決定しています。それが今後のニューアベンジャーズシリーズの映画とリンクするという話だから、そりゃ観なきゃいけないでしょ。

さらに、ドクター・ストレンジやブラックパンサーなど、続編や新ヒーローの映画の続報は『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』公開後に発表するとのことなので、とりあえずは『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』を楽しみに待ちましょう。

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MCU【インフィニティー・サーガ】全作品(ドラマシリーズは除く)

<フェイズ1>
『アイアンマン』(2008)
『インクレディブル・ハルク』(2008年)
『アイアンマン2』(2010年)
『マイティ・ソー』(2011年)
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)
『アベンジャーズ』(2012年)

<フェイズ2>
『アイアンマン3』(2013年)
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2014年)
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)
『アントマン』(2015年)

<フェイズ3>
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)
『ドクター・ストレンジ』(2017年)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(VOL.2)』(2017年)
『スパイダーマン/ホームカミング』(2017年)
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(ラグナロク)』(2017年)
『ブラックパンサー』(2018年)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)
『アントマン&ワスプ』(2018年)
『キャプテン・マーベル』(2019年)
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)
『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』(2019年)


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