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最近読んだ小説レビュー Vol.6

2005年07月07日 | 小説レビュー
最近、あまり読めてないが、時間だけは過ぎていく、毎度おなじみ流浪の企画!
月に一度のこのコーナー!そう、「最近、読んだ小説レビュー」


今回のラインナップは、2つ!
だけど、いつもよりコメント10%くらい増量!


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『アフリカン・ゲーム・カートリッジズ』/深見真 

≪コメント≫

近い未来の日本。自由に銃器を呼び寄せる事ができる〝銃使い〟呼ばれる特殊能力者の話。日本の政府は、銃使いを危険人物とし、銃使い狩りを始める。銃使いも、それに対抗し、それはやがて戦争と化す。

特殊能力者という設定は好きで、普通におもしろかったですが、これは銃の名前がかなり出てくるので、予備知識がないと想像できない。記号としての羅列でしかない。だから、銃マニアにとってはかなりおもしろいとは思うんですが、素人が読むと少し辛いかも。巻末に設定資料集を付けてくれるとありがたかったですね。

あれほどマニアックな銃のバリエーションを出す必要はあったかというと少し首を傾げたくなりましたね。銃マニアが読んで読んでリアリティない、ただ資料集そのまま書き写してるだけってなると、失敗になるんで、自分の首を絞める事にもなりますから。



『死神の精度』/伊坂幸太郎


≪コメント≫

ミュージックを愛する死神と、6日後に死を迎える人間との6つの物語。連作短編と呼ばれているが、さすが伊坂さんだなと思ったのは、全部通して読むと長編とも言えなくはない細工をしている。これは、不定期に連載されてたものを一冊に集めたもので、単作だけでも楽しめるんですが、一冊の本となった時に、最後のオチは「さすが!」とつい顔が綻んでしまいました。きっと本になる事も計算してたんだなぁと。

それに、主人公の死神は、毎回人間の器は違うものの、キャラはいいですね。僕的には大好きなキャラです。今までの伊坂作品とはまた違ったテイストで、いろんなジャンルに挑んでいる所が読みどころ!個人的には「恋愛で死神」、「旅路を死神」が好きですね。伊坂さんは、「グラスホッパー」以降、スタイルを変えててきてるように思えます。インタビューでも、オチもストーリーもない(『イソラVol.1』の)『魔王』や(『イソラVol.2』の)『呼吸』みたいなのが書いてて一番楽しいと言ってたので。

ただ、やっぱファンとしては、そろそろ昔のような張り巡らされ伏線を最後にドカーンっと一本につなげて驚かせてくれたミステリーを読みたいですね。


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