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映画感想文・春よ来いスペシャル!'06

2006年03月10日 | 映画感想文
映画を見るペースと更新ペースが追い着かず、感想が溜まってきたので、今回は少しずつダイジェスト的にお送りします。

『スウィングガールズ』 (2004)
★★★★★★☆☆☆☆


プロットの作り方は、ほぼ『ウォーターボーイズ』と同じでした。メンバー集めに四苦八苦。楽器をそろえるのに四苦八苦、仲間割れ、ようやくいけると思った矢先にトラブル、そしてハッピーエンド。娯楽作品としては王道を描いてて、面白く作ってあるのは確かです。方言もいいし、青春映画だなぁってしみじみ思える。でも普通に面白いというレベルなんですよね。やっぱ、いい意味でも悪い意味でも安心して観れるという点では、テレビドラマの方が向いてる気がする。面白くないわけじゃないんです。万人ウケする作品なので、それだけに飛びぬけた色がほしい人にはちょっと物足りないかも。


『リンダ・リンダ・リンダ』 (2005)
★★★★★☆☆☆☆☆


同じガールズもので、音楽をやるという点では『スウィングガールズ』に近い。こっちはロックで、ブルーハーツをコピーして文化祭でやるというお話。それまでの練習やトラブルを経て、という流れは青春ものに共通しますね。でも、『スウィングガールズ』と比べると、やっぱこっちの方が弱い気がする。キャラや、苦悩とか描けてない部分も多いと思う。最後にリアル演奏を披露するところも『スウィングガールズ』とカブってるんで、どうしても見比べてしましました。これも印象に残るシーンがないというか、飛びぬけた色がないのが残念でした。期待してたのに。


『21g(グラム)』 (2003)
★★★★★★★★☆☆


これは脚本が見事でした。三つの家族がリンクする群像劇なんですけど、心臓の病であと一ヶ月しか生きられない主人公Aに心臓提供者が現れる。ある日主人公Bの夫は娘二人を連れて出かけ、ひき逃げに遭う。主人公Cは思いがけずひき殺してしまい、動揺してその場から立ち去ってしまう。主人公Bの夫の命は助からず、心臓を提供するかどうかを訊ねられOKする。主人公Cは苦悩し、自首をするが妻はそれを認めない。とまぁこんな具合に進んでいくのですが、すごいのは、あるところでは命が消え、その命はもうすぐ死ぬ人を助けるという構図に感心。ひき殺したのは偶然で悪い事なんだけどそれがなかったら心臓移植はなく主人公は死んでいた、という、視点の違いで幸せと不幸が見事に描き分けられていて、すごいとしか言いようがありません。観た人は三つの家族のうち、どの家族に感情移入するか、どの家族で泣くか、というのが分かれると思います。ただ、マイナスなのは、映像の編集が『メメント』や『FOLLOWING』のような時系列をバラバラに見せる手法をとってるんで、紛らわしいし、理解するのに時間がかかる。観にくいんです。この映画に関してはその手法はいらないと思う。オチにも繋がらないし。むしろちゃんとした時系列で見せた方が絶対に正解だと思う。ちゃんとした時系列ヴァージョンであれば満点でした。

『阿修羅城の瞳』 (2005)
★★★★☆☆☆☆☆☆


舞台原作あって、全体的に〝演技〟してるなぁというのが強い。時代劇っぽいけど違う、ミステリアスな感じを醸し出してるのは好きでした。主人公の染吾郎さんもかっこよかったし、渡部あつろうさんもかっこよかった。ただ、そこ止まりだというのが残念でした。ストーリーとしてはそのまんま舞台を映像化したなという感じなので、面白さには欠けます。原作が好きな人は観るという作品でしょうね。でもやっぱ歌舞伎シーンは、本物の歌舞伎役者を起用してるだけあって、上手かったですね。


『blue』 (2003)
★★★★★☆☆☆☆☆


まぁ簡単に言うと、レズの話です。でも、雰囲気が純文学っぽくて好きでした。色もタイトルどおりブルーで、自然な会話や演技が妙にリアルで、スロウな流れは心地いい。本当に純文を映像化した感じなんで、本当に雰囲気を楽しむ映画ですね。小説で読みたいなぁと思いました。映画として、面白さ、満足度を★に置き換えるのはすごく難しい映画ですよ、これは。とりあえずはもう一度観るかどうかで考えると「観ない」ので、半分かなぁと。一応の基準は、もう一度観るだろうと思う作品は★5個以上つけているので。















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